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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第42話 俺の話を聞いてくれ




「……ねぇとーくん」


 放課後の廊下を進み目的の場所へと向かっていると、後ろから露骨に機嫌の悪そうな声が届いた。

 

「どうした真白?」


 その特徴的な呼び方からして真白以外考えられない。と言うより現在進行形でコイツと一緒にいるわけで、逆に突如後ろから知らん奴に声掛けられてたら結構ビビるわ。

 それよりも普段とは明らかに真白の態度が違う。朝の会話がキッカケで機嫌が悪くなった事は分かるのだが、何故そんな怒っているのか全く分からない。

 とりあえず余計な事はしないでおこう。


「いや私は何処に連れて行かれるのかなって」

「あーもうすぐだ。もうすぐ」

「ふーん? あっそ」

「……」


 き、気まずい!? マジで空気が悪過ぎるぞ! せっかくまた話せるようになったのにヤバいぞ!

 廊下を進み景ちゃんとの待ち合わせ場所に向かう最中、ひとまず俺はこの気まずい空気をなんとかする事に挑戦してみた。


「そーいえば真白?」

「うるさい死ね話しかけないで」

「あ、はい……」


 挑戦はあっさりと失敗した。

 結局終始無言のまま俺達は景ちゃんとの待ち合わせ場所の図書室まで向かう。

 気まずい沈黙の中図書室までやって来ると、俺の後ろから真白が顔を覗かせ扉を前にして言った。


「連れて来たかったのってここなの? でもなんか入れないっぽいけど」


 扉に掛けられた木札に【只今会議に使用中】と書かれ、明らかに入ってはいなさそうな感じの図書室だが、


「いやここで良いんだ」


 俺は気にせず取っ手に手をかけ扉を横にスライドする。

 図書室にゆっくり入ってみたが人気は無く、先程の木札からして誰も入って来ていないのが分かる。が、物凄い圧迫感を感じた。


「先輩待ってましたよ」


 全身に鳥肌が立った。一緒に図書室に入った真白も目を見開いている。

 いつの間にか俺達の背後に立った景ちゃんは静かに内鍵を閉め、可愛らしい笑顔を向けて言い放った。


「彼女さんは一緒じゃないんですか?」

「い、今は校門の前で待っててくれてる。今日も家まで送って行くから」

「……させると思います?」


 景ちゃんの表情から笑みが消える。瞬きもせず真顔で視線を離さない姿に心の真っ黒な瞳とはまた違った怖さを感じた。

 因みに現在この図書室には俺と真白、扉の目の前に立つ景ちゃんと、不思議な事に姫がこの場にいないのだ。

 杏理との会話を終えた後に、


『少し用ができたのじゃ。今日の夜には帰って来るから心配せぬようにの透』


 と、そう言うと姫は何処かへ消えてしまった。寂しくはない、いても面倒なだけだし。

 ただ今現状は姫やってくれていた危機感知からの報告がないのだ。下手な事はできない。ストーカー景ちゃん相手にそんなことしたら最悪死ぬか、良くて監禁コースだろう。


 俺ができる事は真実を伝えることしかないのだ。


「その前に景ちゃん、真白……俺の話を聞いて欲しい」


 共に夜の学校に忍び込んだ友達だ。コイツらを信じるしかない。



「____と言うわけなんだよ。分かってくれたか?」


 俺の説明を受けて景ちゃんは顎に手を置き考える仕草を見せると、やがてゆっくり口を開いた。


「……なるほどつまり付き合っていない。脅された結果こうなったと? あの女は姉が大好きなんだと? でもストーカー被害にあってるからなんとかしたいと?」

「そ、そういうこと景ちゃんは分からないと思うけどストーカーがいるって怖いんだぞ? ソースは俺」

「先輩殺しますよ?」

「えぇぇ、どうして……」


 戸惑う俺に真白からも一言。


「チョーカーは爆弾で外そうとしたり乱華ちゃんの気分を害したら爆発すると?」

「そうなんだよ! 分かってくれたか!?」


 なるほどなるほど、と二人は頷き、


「「そんな非現実的なことあるわけない」」

「非現実そのものみたいなお前らが言うか!!?」


 まさかの信じてもらえないとかお前はどんだけだよマジで! 仕方ないな……。

 ちょっと待ってろ、とスマホ取り出しある人物にメッセージを送る。するとほんの数分で図書室の扉が開け放たれる。


「ご主人様来たぞ!! ご褒美をくれるって何をくれるんだ!!?」


 現れたのは雌豚先輩でした。

 道着姿でやって来た天先輩だが、おそらく部活中だったのだろう。ともかく無茶苦茶早く来てくれた。


「あぁ先輩後ろ向いてください」

「え、あ、あぁこうかい?」

「____ヨイショーー!!」

「あひぃぃーーーーん!!!!?」


 バチーーン、という炸裂音が響く。

 指示に従い後ろを向いた先輩、俺はその尻をなんの躊躇いもなく蹴り抜いた。

 蹴られた勢いで前へ四つん這いの様な格好で倒れ込む先輩、俺はその尻に追い討ちをかけ踏んづける。

 そこで二人の方へ振り返り、


「どうだ!!」

「「うーわ最低……」」

「違う違う違う引かないで!? それよりこれを見てくれよこれ!」


 ドン引きしている二人に首のチョーカーを見せつける。


「……とー君のそれ赤く点滅してるね」

「私の景ちゃん(アイ)で見るに内部が発熱してます」

「雌豚に一定時間触れても爆発するらしいぞ。信用できないならここを殺人現場にしてやろうか」

「うぅ……これは信じるしかないですね。すいません先輩疑ってしまって……」

「良いんだ。景ちゃんなら信じてくれると信じてたよ」

「ごめんねとー君……私……」

「良いんだよ真白。幼馴染のお前なら分かってくれると思ってたぞ」


 良かった。二人が分かってくれてマジで良かった……。


「ハァハァ……ご、ご主人様? 爆発ってどういう事なのだ……?」

「うっせぇ黙ってろ雌豚。もう用済みだがら部活戻れ」

「ブヒィィィィッ!!!!!!」


 廊下を走って消えて行く先輩の後ろ姿を見届けると、景ちゃんと真白の方を向き言い放った。


「さて、これでようやくちゃんと話ができるな!!!」

「先輩なんて嫌い」


 ちょいちょいちょい? 景ちゃんちょっと話し合おうぜ??



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