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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第二章 デート&乱華編

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第39話 ストーカーってマジかよ




「ストーカーってマジか」


 乱華の発した内容に驚き再度確認すると彼女は頷いた。


「おうマジもマジ大マジだよ。一週間くらい前からなんか視線を感じたりする事が多くなってな」

「気のせいとかだったりとかは?」

「あぁ? テメェ私が嘘ついてるとでも言いたいのか?」


 見るからに、というか明らかに機嫌を害したようでコチラを鋭く睨みつけてきたがすぐさま訂正する。


「いやそうじゃなくて……俺にとって都合良くなってるなと思って」

「? どういう意味だよ」

「あー……まぁ良いか話しても」


 実は、と話を切り出すことにした。内容はもちろん俺が昨日心と天先輩に伝えた嘘について。

 景ちゃんや変態先輩のことは言わずにとりあえず嘘のことだけ告げると、乱華は小さくため息を溢した。

 

「透……お前さぁよくそんなその場を切り抜けるだけの嘘つくよな? 今回は嘘にならずに済んだけどマジで将来は詐欺師にでもなるつもりか?」

「……それも選択肢としては有りか?」

「アホ」


 呆れた様子の乱華はそうハッキリと言い切ると、俯き目を逸らしながら口を開く。


「……私にされたこと言えば良かったじゃねぇかよ。透の言うことなら心先輩も信じただろうにさ……」


 どこか寂しそうに語る乱華。言っている事と態度が噛み合っていなく感じて、


「そんな選択肢はなかったな。確かにこの爆弾も大変だけどさ、これがなかったら乱華とちゃんと腹割って話すことも出来なかっただろう? それに乱華の事も言う気はないぞ。俺は結構乱華その言葉遣いとか好きだしな」

「____ッ!!」


 声を掛けたが目を見開きそっぽを向いて黙ってしまう乱華だったが、やがてしばらくすると小さく言葉を発した。


「……うっせぇよ馬鹿」


 憎まれ口を叩く乱華だが、言葉には悪意のある感情は感じられず咄嗟に口から出てしまったのか。なんとなくだがそんな風に思えてしまう。


「そ、そんな事よりストーカーの件だ。私も視線や気配を感じたりしただけでまだ正体を見てねぇんだよ。どうすんだこれから」

「天先輩や誰かに協力してもらったりとかは?」

「嫌だ、てか無理だ。お姉様に迷惑は掛けたくないし誰かにわざわざ話したくない」


 なるほどな、やはり俺の考えていた通り天先輩や心達に話したくないようだ。しばらく考えた後乱華に提案した。


「とりあえず確認出来ないもので騒ぐのは良くない。でも乱華の本人意見を無視するわけにはいかない。ならどうするか」

「どうするんだ?」

「このまましばらく登下校を続けよう。それで炙り出せるかもしれないし、もしもの時乱華を守れるしな」

「守るって……確かに。透がストーカーに抱き着いて私が起爆すれば色々解決だな」


 ん? あれおかしいな色々解決どころか問題が浮上したぞおい。


「分かり易く言うと”ナ●パに抱き着いて爆発する餃子(チャ●ズ)”的なやつな」

「まさかのドラゴンボ●ル!? しかもよりにもよって俺は置いてかれる餃子かよ!」

「最後の言葉『さよなら天さん』はお姉様に言うと私的に最高」

「地味に掛けてんじゃねぇよ! ”(てん)さん”と”(そら)先輩”って漢字で遊ぶんじゃねぇよ!」

「この話題に付いて来れる透は何歳なんだよ」

「喧しいわ。その話題を提供できる後輩はお前だろうが」


 さては乱華お前年齢偽ってんな? いや待て。もしかしたら再放送で観たのかもしれない。あのアニメは幅広い年代で愛されているから会話が成立していてもおかしくないのかもしれないな。流石人気アニメは年代を超える。


 うんうん、と頷き無駄に思考し自己完結していると俺の制服をさっきまで空気だった姫が引っ張った。そして俺が気付いたのを確認すると姫はゆっくり口を開いた。


「のう透よ。そう話すのは良いと思うが大丈夫か? 学校とやらの時間は良いのか?」

「え……」


 姫の言葉を聞き即座にスマホを覗く。そして表示された時間を見ると、


「ヤバいぞ乱華時間!」

「え……っておい! もうこんな時間じゃないかよ急ぐぞ!」


 俺達は走り出した。今から走ってギリギリ着くかどうかのところ、そんな全力疾走中な状況なのだが、ソッと背後に視線を向けると、


「まっ! 待つのじゃぁぁ! 儂を置いてくなぁぁ!! 待ってくれぇぇぇ!!!」


 走り始めてまだ数分も経っていないのにもう満身創痍の神様が俺達を追いかけていた。


「……」


 さて、とりあえず見なかった事にして急いで学校に行くか。







 なんとか学校に辿り着き昇降口で一年生の乱華と別れ、そのままクラスへ行こうと思ったが置いて行ってしまった露音姫を待った。そして走った甲斐もあり意外と早く着いたから、なんとか姫の到着まで待つ事ができた。


「……大丈夫か姫?」

「ま、全く……と、透早過ぎるのじゃ!! も、もっと神である儂の事を気遣ってくれてもよかろうに!! こ、此奴は!!」

「ご、ごめんな姫急いでたから」


 時間がギリギリなのもあり、周りに人がいないので気にせず姫に声をかける。

 疲労で息を整えている姫に詫びを入れ、上履きへ履き替えるために靴を脱ぎ、下駄箱の扉に手をかけようとした瞬間____


「あー待つのじゃ透開けるな」

「え? なんでだよ姫」


 時既に遅し、顔を横にいる姫の方に目を向け、手はもう扉付きの下駄箱を開け切ったところだった。すると、


 キィィィン!!


 何かがぶつかって耳鳴りの様な金属音が響き渡り頬に鋭い痛みが走った。


「痛ッ……」


 右頬に触れてみるとかなりの量血が流れており、なんとなく何かを察知して音の発生源を見てみると、そこには見覚えのある物があった。


「……ナイフ……か?」

「おぉ凄い切れ味じゃのぅ。見てみぃこれ硬い壁にすんなり刺さっておるぞ。しかしこの罠は恐ろしいのぉ……間違いなく殺す気で仕掛けておるのじゃ」


 壁に刀身が見えなくなる程深く突き刺さったナイフ、その造形にはよく見覚えがあり、というか俺にはナイフの持ち主も分かる。

 それにしても殺す気かぁ……


「これは間違いなく真白の好感度元に戻ってる。それどころか酷くなってるまであるな」


 そう、この見覚えのあるナイフは間違いなく真白しかいない。

 さてどうしたものか、俺は心からしか通知の来ていないスマホでとある人物にメッセージを送った。


【話がある】


 送られたメッセージは一瞬で既読が付き速攻で返信がきた。


【連絡待っていました。奇遇ですね先輩私も話があったんです。放課後にいつもの場所で待ってますよ】

【了解した。ありがとう景ちゃん】


 静かにスマホをポケットに戻す。景ちゃんとの約束を済ませ俺は決意を固める。


 ……果たして生きて帰れるだろうか?


「安心するのじゃ! 何かあったら儂が守ってやるのじゃ!」

「できれば何かある前に守ってくれない神様?」



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