四十一色 再会
「ようやく出られたな」
「色結晶があるのはこの…!?」
遠くに見える建物から昇る煙を見て表情が変わるバステン。
「どうした?」
「あの煙が昇っている場所に色結晶がある!
急ごう!」
「なら俺が先に行く!」
「私も一緒に!」
「怪我人はゆっくりくればいい。
俺を信じろ」
「…わかった。
頼む!」
紅蓮はバステンを残し駆けていく。
「くそっ! このままでは神殿に侵入される」
「何としてでも守るんだー!」
「頑張るねぇ」
次々と吹き飛ばされる戦士隊。
「強い!?」
「あんまり時間を掛けると牛黒様に俺が叱られるんだよ」
「くそー!」
「邪魔」
高速で鞭を振り向かってきた戦士をバラバラにする男。
「お前達、さっさと潰せぇー!!」
漆黒の騎士団は戦士隊を押し始める。
「もう…無理だ…」
「余裕だった…な?」
鞭の男の背後にいた漆黒の騎士団達が炎に飲み込まれていく。
「これは…」
「はぁ…はぁ…間に合ったか!」
「あ? まだ色の戦士がいるなんて聞いてねぇぞ?」
「漆黒の騎士団! このまま引くなら命は取らない!
だが、まだ戦うと言うなら全力でお前達を倒す!」
紅蓮の叫びに周囲が静まり返った。
「色の戦士一人で何が出来る!」
鞭の男が紅蓮へと駆け、鞭を振り回す。
「そうか…なら!」
炎が爆発した勢いで男に突進し、鞭を軽くかわし火だるまにする紅蓮。
「ば…かな…」
鞭の男はあっという間に灰になり風で散っていく。
「なんて火力だ…」
それを見た漆黒の騎士団は慌てて撤退する。
「今のが指揮を執ってたようだな。
危機は凌いだってとこか」
戦士隊達から歓声が上がると紅蓮へ駆け寄り、後から来たバステンと共に神殿へと案内する。
「バステン様、紅蓮様、救援ありがとうございました!」
「私は何もしていない。
紅蓮のおかげだ」
「バステンが居なければ間に合っていなかった。
それより色結晶というのはどこに?」
「今、部下に持ってくるようにと指示を出しました。
あ、来たようです!」
一人の男が両手で箱を抱えて現れた。
「箱?」
「色結晶と言ってもそれほど大きな物ではないからな」
箱を開け燃えるように赤い水晶を取り出すバステン。
「これが…ん?」
結晶を何か黒いものが走った様に見えた紅蓮。
「どうした?」
「いや、何でもない。
持ってみていいか?」
「ああ」
バステンから色結晶を受け取ると、紅蓮の体が赤く輝き色結晶が燃え始めた。
「何だ!?」
「どうなってる!?」
「共鳴だ」
背後から聞き慣れた声に振り返る紅蓮とバステン。
「父さん!」
「陛下!」
紅蓮以外の全員が膝まづく。
「よい、楽にしろ」
「今までどこにいたんだ!?
それより皆が大変で…ミネルバは? これはどうなってるんだ?」
「落ち着け紅蓮。
まずは場所を変えよう」
色結晶を取り箱に戻し、別の部屋へと移動する彩呀達。
「近くに来た時に巨大な炎が上がるのが見えてな。
やはり来てしまったか」
「すみません」
「お前の顔を見れて嬉しいぞ」
「父さ…社長、皆が!」
「色結晶が狙われたのは気付いていた。
私とミネルバは二手に別れ守りに向かったが、どうやら間に合わなかったようだ。
蒼司達はどうした?」
「みんな倒れてしまって…漆黒の騎士団に」
「そうか…色結晶は同じ色の力を持つ者が持てばさっきの様に共鳴し輝きを増す。
例え漆黒の女王でも直接触れるのは不可能だ。
蒼司達を救い出し色結晶に触れさせれば何とかなるかもしれん」
「なら俺が行く!」
「お前一人には任せられない。
バステン、明日の朝に動ける者を連れて救出に向かう!」
「はっ!」
「紅蓮、頼りにしているぞ」
「必ず助ける!」




