三十三色 パーティー
紅蓮達が帰還してから一ヶ月が過ぎた。
「社長、掃除終わりました!」
「ありがとう白。
男だけだったから助かるよ」
「私に出来る事なら何でも言ってくださいね!
それじゃ、お買い物行ってきます」
「気を付けてな」
「はい!」
楽しそうに事務所を出ていく白。
「魔の出現もかなり減った分、あいつらの活動も増やさないとな。
魔の根絶はまだまだか」
着けているペンダントの蓋を開け、中の写真を見つめる彩呀。
「白ちゃん、いらっしゃい!」
「こんにちは!
今日は大根とトマトとレタスください」
「あいよ!
いつも買い物大変だね!
アイドルの世話も疲れるだろ?」
「そんな事ないですよ。
皆さん、ごはんを美味しいっていっぱい食べてくださいます。
笑顔を見てるだけでも幸せな気分になるんです」
「白ちゃんはいいお嫁さんになるなぁ。
おじさんのお嫁さんになんないかい?」
「あんた! 何、白ちゃん口説いてんだい!
そんな暇があるならサービスの一つでもしな!」
「わ、分かってるよ!
きゅうりをおまけしといたから」
「ありがとうございます!」
八百屋を離れ白は商店街を歩いていく。
「次は…蒼司さんに頼まれてた」
その時、何かを感じ取り振り返る白。
「今、誰かに呼ばれたような…気のせい…かな」
それから数日後、事務所の屋上に全員の姿があった。
「今日は日頃の労いと白の救出成功を祝ってのパーティーだ!
みんな好きなだけ食べてくれ!」
「食いつくしてやる!」
「黄理、食べ過ぎ注意」
「何言ってんだ紫劉!
男なら食って食って力を付けろ!」
「翠もたくさん食べて大きくならないとね」
翠の更に野菜を沢山乗せていく藍麻。
「お肉も食べさしてよ!」
「藍麻、あまり翠をいじめるな」
「ううっ、蒼司~」
「ドレッシングも忘れてるぞ」
「酷い!」
「仲良くしないとダメですよ!
はい、お肉どうぞ」
「白ちゃんありがとう!」
そんな白達を見ながら片隅で一人酒を飲む橙児。
「お前が来るとは思わなかったよ」
「おっさんがうるさいから仕方なくだ。
しかし、まだ馬鹿みたいな事を続けてるんだな」
「ん? アイドルの事か?
アイドルは楽しいぞ! 橙児もやってみないか?」
「俺は自由に生きていたいんだ」
「何者にも縛られないのが自由とは限らないぞ」
「…」
少し離れたテーブルで話をしている彩呀とミネルバの姿があった。
「全員無事で良かったねぇ」
「ああ、あいつらには驚かされる事ばかりだ」
「私もあんたも歳を取っちまったからかね。
でも、子の成長は嬉しいもんだよ」
「昔を思い出すな…」
「彩呀…あの子も元気にしてるよ!
男がしけた面してんじゃない! 飲みな!」
「そうだな。
勝負だミネルバ!」
「おい、紅蓮! 社長とミネルバさんが飲みくらべ始めるぞ!」
「まずい! 蒼司、止めるぞ!」
紅蓮達が二人の元へ駆け寄る。
「何かダメなんですか?」
「あの二人が酔うと手がつけれないんだよ」
「橙児さんも知ってるんですか?」
「ああ…死人が出てもおかしくない」
「死人!?」
「ったく! さっさと酒を奪え!」
手間取る紅蓮達の元に橙児も駆けていく。
「でもなんだか楽しそう」
そんな光景を見つめる白の背後に闇が広がっていた。




