三十二色 帰還
「はぁ…はぁ…倒したのか?」
「全員の力が融合した物は異質に変化した結果だな」
「そうか…みんな帰ろう!」
白を抱き上げる紅蓮。
「白のお陰で勝てた」
「…紅蓮さん」
「でも白ちゃんの力無くなっちゃったね」
「さっきの一撃で使いきったんだろうな」
「そっか。
また強敵が現れた時は白ちゃんに頼ろう!」
「翠、自力で勝たないと成長しないぞ!
しばらくは休みたい…うわっ!」
その時、地面が激しく揺れ始める。
「なんだ!?」
「紅蓮、見ろ!」
蒼司が指差した方を見ると地面が空へ吸い上げられていた。
「恐らくこの世界が崩壊を始めたんだろうな」
「ゼーレを倒したからか。
橙児、出口は?」
「こっちだ」
橙児を先頭に紅蓮達は駆け出す。
「なんかスピードが上がったぞ!?」
「黄理、もっと早く」
「紫劉、人におぶさりながら偉そうに言うな!」
「見えたぞ!」
紅蓮達の前方に空間の歪みがあった。
「飛び込め!」
蒼司の言葉で全員が飛び込む。
「はぁ…はぁ…これで」
「うわっ!」
「翠!」
最後尾にいた翠の体が後ろに引っ張られていく。
「掴まれ!」
藍麻の手を掴み引き寄せられる翠。
「ありがとう!」
「このくらいっ!?
今度は僕まで!」
紅蓮達は次々と引き戻されていく。
「ちっ、世話の掛かる!」
光りの鎖を全員に巻き付ける橙児。
「助かった…ありがとう橙児」
「安心するのはまだ早い」
橙児も引っ張られ始めた。
「届くか…」
もう一本の鎖を出口へと伸ばす橙児。
「やばいぞ!」
全員の体が浮いた瞬間、出口に伸ばした鎖が引き留めた。
「橙児、どうなってるんだ?」
「衝撃に備えとけ」
橙児がそう言うと全員が一気に出口に引き寄せられる。
「うわぁぁぁぁ!」
空間の歪みを抜けると全員が重なりながら着地した。
「何とか戻れたか」
「人の上でかっこつけるな!」
「蒼司、重いよ」
「翠も」
「紫劉もだ!」
「吐きそう…」
「藍麻、俺の上ではやめろよ!
そうだ、白は?」
「私なら大丈夫です」
「良かった」
「お前ら…邪魔だー!」
一番下にいた彩呀が全員を吹き飛ばす。
「社長居たのか」
「居たのかじゃない!
鎖を引っ張ったのは俺なんだぞ!
出てきたと思ったら人の上に重なってくるとは!」
「ふふふ」
笑う白を見て全員、笑みがこぼれた。
「白、おかえり」
「ただいまです!」




