三十一色 七色の輝き
「もうお前達の攻撃は効かない」
「俺達は強くなったはずなのに…」
「確かに強くなった。
だが、お前達の力を吸収した我は力そのものとなったのだ」
「力そのもの?」
「自分達の力に自分達の力をぶつけても何も起こらないのと同じという事だ」
「なら、お前の攻撃も俺達には」
その時、地面から棘が伸び紅蓮を吹き飛ばす。
「紅蓮!」
「大丈夫…かすっただけだ」
「仲間の力なら通じるだろう? クックックッ」
「じゃあ、僕達は勝てないの…」
「諦めるな翠…全員で同時に攻撃だ!」
紅蓮の指示で全員がゼーレを攻撃する。
「攻撃を休めるな!」
「これ程の力とは…」
「みんな、畳み掛けろ!」
「…自分が怖くなる」
ゼーレから凄まじい力が吹き出し、紅蓮達は吹き飛ばされた。
「そん…な…」
「しかし、あの女の力は興味深い」
ゼーレは白の元へ移動し首を掴んで持ち上げる。
「やめ…ろ…」
「貴様は何者なのだ?
目覚めぬか…ならばこのまま吸収してやろう」
体が黒い光りに包まれ顔を歪ませる白。
「みんな…もう一度…」
「(さん…皆さん…)」
紅蓮達の頭に白の声が響く。
「(助けに来てくれてありがとう…)」
「俺は奴を倒したかっただけだ」
「(橙児さん、それでも嬉しかったです。
でも、もう十分)」
「白ちゃん、諦めちゃダメだよ!」
「そうだよ。
今、僕達が助けるから」
「(翠くん、藍麻さんありがとう。
大丈夫、この人は私が何とかする)」
「死ぬ気か?」
「(蒼司さんや皆さんに会えてよかった。
短い間でも楽しかったです)」
「馬鹿な事言ってんじゃねぇ!」
「皆で帰る」
「(もしかするとこれが私の使命なのかもしれない。
だから、今度は私が皆さんを守る番!)」
「なん…だ?」
ゼーレは片膝を突き苦しみだす。
「違う…」
「(私の力でこの人を…ああ!)」
「なめた真似を!」
立ち上がると濃い黒の光りで白を包むゼーレ。
「違う!」
「紅蓮」
「誰かを犠牲になんて意味がない!
白を助けて必ず帰る!
皆、力を貸してくれ!」
紅蓮の元に全員が集まり体に触れる。
「まだ何かする気か?
仕方ない、先に片付けておこう」
ゼーレは白から手を離し、右手に力を込め始めた。
「皆の心を一つに…」
全員が目を閉じると紅蓮が虹色に輝きだす。
「塵も残さず消してやろう!」
高く飛び上がり右手を突き出し黒い塊を放つゼーレ。
「我らが心に輝きし七色の光りよ、闇の空を撃ち抜け!」
紅蓮の右手から七色の光りが黒い塊と共にゼーレを呑み込み、空高く飛んでいく。
「ばか…な…奴等の力は…通じ…」
光りが消えるとゼーレの姿も消えていた。




