二十九色 少女の想い
「ち…力を返…せ…」
「いい気分だ。
今の私は貴様を超えた。
さらばだ」
ギベーリの顔に触れ力を込め、黒い炎で一瞬にして灰にするゼーレ。
「自分の父親を!?」
「弱き者は強き者の糧となる定めだ。
さて、お前達にチャンスをやろう」
「チャンスだと?」
「ここで死ぬか我に従うか」
「そんなのは決まってる…お前を倒す!」
「そうか…」
ゼーレは一瞬で紅蓮の目の前に移動し、黒い炎を手に纏い殴り飛ばして炎で覆う。
「紅蓮!」
「次はお前だ」
指を翠へ向け素早く上げ黒い風で打ち上げるゼーレ。
「翠!
行くぞ紫劉!」
「うん!」
「待て! 黄理! 紫劉!」
襲い掛かる二人にゼーレが片手ずつ伸ばし右手から黒い雷と、左手から黒い砂の塊を放ち二人を吹き飛ばす。
「くっ!」
「蒼司、同時に攻撃を」
「わかった!」
藍麻が水を巻き上げると蒼司がそれを凍らせゼーレへとぶつける。
「どうだ!」
「届いてないぞ?」
ゼーレは黒い水の壁で二人の攻撃を受け止めていた。
「通じない…」
「はっ!」
腕を素早く振り上げ蒼司と藍麻を黒い氷で氷漬けにするゼーレ。
「後ろがガラ空きだ」
橙児がゼーレの背後を取り銃を構えるも、一瞬で姿が見えなくなり背中にゼーレの手が触れる。
「この程度か」
黒い光りに橙児は飲み込まれていく。
「そんな!?」
「ん? そんな所にいたか」
「!?」
白の側に移動し片手で首を掴み持ち上げるゼーレ。
「あぁ…」
「心配するな。
我はギベーリと違い捕食などしない。
ただ殺すだけだ!」
ゼーレがゆっくりと手に力を込めるともがいていた白が動かなくなっていく。
「(私のせいで…みんなが…私は助けられる事しか出来ない。
悔しい…みんなの力になりたい…みんなのちか…ら…)」
「死ね!」
一気に力を込めた瞬間、白から眩い光りが溢れ思わず手を離すゼーレ。
「なんだ!」
光りが弾けるように散って消え、白は地面に倒れる。
「今のがこいつの力…だが我には通じなかったようだな」
白へ手を伸ばすゼーレ。
「消え去れ」
右手が黒く輝きだした瞬間、ゼーレは飛んできた何かに右手を貫かれる。
「…貴様か」
ゼーレの前には銃を構えた橙児が立っていた。
「お前は倒す」
「貴様一人でか?」
「いや」
ゼーレの背後に黄理が現れ、隆起させた地面で打ち上げ巨大な落雷を浴びせる紫劉。
「ぐっ! (先程より力が上がっている!?)」
「まだだよ!」
翠が風の渦で地面へ落とすと藍麻がゼーレを水で覆い水圧を上げる。
「この程度」
「行くぞ紅蓮!」
水を蒼司が一瞬で凍らせると、手が赤く輝いた紅蓮の拳が氷を砕きゼーレを殴り飛ばす。
「俺達でお前を倒す!」




