二十八色 生まれ変わった恐怖
「(私…どうしたんだろう…確か捕まって…。
体に力が入らない…死ぬのかな…)」
「…く…」
「(声?)」
「…は…く…」
「(聞いたことがある声。
心が温かくなるような…)」
「は…く…白!」
白がゆっくり目を開けると、必死に呼び掛ける紅蓮がいた。
「…紅蓮さん」
「良かった!
今助けるからな!」
「だめ…紅蓮さんまで…取り込まれちゃう」
「言っただろ、俺は…正義の味方だ!」
紅蓮の腕が白を掴み引き寄せ、二人を激しい炎が包む。
「ぐっ…なん…だ!?
体の中が…」
空を飛ぶギベーリの腹から炎が吹き出し、紅蓮と白が飛び出す。
「出たぞ!」
「おのれ…ゴミが!」
ギベーリの尾が二人へと襲いかかる。
「まずい!
くっ…力が…」
尾が迫った時、二人はギベーリから一気に離れていく。
「まだ生きていたか」
「翠、ありがとう」
「へへへ」
地上にいた六人の元へ二人は着地する。
「皆さん…ありがとうございます」
「気にするな、当たり前の事をしただけだ」
「蒼司も良い事言うねぇ」
「茶化すな藍麻」
「おい、喜ぶのは早すぎるぞ」
橙児の言葉で全員が振り向くと、地上に降り立つギベーリの姿があった。
「確実に貴様らをころしてやろう」
「白、離れてろ。
みんな…あいつを倒すぞ!」
紅蓮を先頭に全員がギベーリへ襲いかかる。
「無駄だ!」
ギベーリの体から無数の触手が伸び、かわしながら近付く紅蓮達。
「全員で一点に集中攻撃だ!」
それぞれの攻撃が胸元へと直撃し、押され始めるギベーリ。
「この程度の攻撃で…勝てると思ったか!」
ギベーリは黒い玉を作り出し足元に放つ。
「みんな下がれ!」
周囲は爆発に巻き込まれ、巨大なクレーターが出来る。
「蒼司、黄理助かった」
砂煙が晴れると氷に覆われた土壁の後ろに全員集まっていた。
「ギリギリだったぜ!」
「一歩近ければ死んでたな」
壁は粉々に砕け散る。
「ギベーリは?」
「みんな、上だよ!」
翠が指差した方向には地上を睨むギベーリの姿があった。
「本当に化け物だな」
「どうする紅蓮?
またあの攻撃がくればまともに戦えないぞ」
「…分かってる。
でもやるしかない!」
その時、ギベーリが苦しみ出し、地上に落下する。
「なんだ!?」
「グアァァァ…なんだ…何が起きて…」
「さっきの攻撃が効いたのかな?」
「それはないな。
確かに奴を動かす事は出来たが、ダメージは与えられていなかった」
「橙児の言う通りだ。
だとしたら一体?」
「ちか…らが…抜ける…」
すると、黒い光りに包まれるギベーリ。
「まさ…か…貴様か!?
ゼーレ!」
ギベーリの体からゼーレが飛び出し頭を踏みつける。。
「父上…いや、ギベーリよ。
貴様は用済みだ!」




