二十六色 目覚めし王
「はっ!」
翠が風で白を助けようとするも、体に巻き付いている触手には通じなかった。
「頑丈だな。
焼き切ってやる!」
炎を触手に巻き付かせる紅蓮。
「ダメだ、全く通じない」
「もっと近くでやれば大丈夫だ!
紫劉!」
「任せて」
黄理が地面から柱を伸ばし、その上に乗った紫劉は雷の槍で触手を突く。
「硬い」
「何してる! さっさと助け出せ!」
「無駄だ。
その触手は我が父の体で生成された物。
貴様らの力では傷一つ付けられぬ」
「なら貴様を倒してあのでかいのも倒す!」
ゼーレに高速で連撃を繰り出す橙児。
「ほう、それは面白い。
やってみせてくれぬか?」
橙児の腕を払い上げると、ゼーレは黒い光りを左手へ更に纏わせ橙児の体に触れ吹き飛ばす。
「がはっ!」
「橙児!?
みんな、白を頼む!
ゼーレーーーー!」
「そんなに死にたいか。
ならば死ね!」
紅蓮の炎を飲み込み黒い光りが覆っていく。
「くっ」
「足掻くのはやめ、ぐっ」
その時、ゼーレの胸を橙児の剣が貫いた。
「油断は禁物だ」
「フッ…そうだな」
黒い光りで橙児の首を覆い、そのまま紅蓮へと投げ飛ばして二人を壁へ叩き付ける。
「ぐはっ!」
「ぐっ!」
「さあ、止めを」
ゼーレが剣を構えた瞬間、全員が禍々しいプレッシャーで動きを止めた。
「なん…だ…」
「フフフ…ようやく目覚められた!」
謎の物体だった物が四つの大きな瞳で周囲を見渡し、体を起こし犬にも似た姿になる。
「こいつが…」
「そう、次元の王である我が父ギベーリだ!」
ギベーリの咆哮が世界を震わせた。




