十三色 新たな仲間
紅蓮は前に進みゼーレと向かい合う。
「なぜ白を狙う!」
「贄だからだ」
「贄?」
「我が父、次元王ギベーリが力を使うのに必要なのだ」
「次元王?」
「我等は次元の狭間に住む存在。
父の力で様々な世界に行き強き者を倒し喰らう。
しかし次元の狭間を移動するには力を大量に使ってしまい動けなくなる。
だからこそ贄で回復させ再び移動するのだ」
「お前達はそうやって生き長らえるのか?」
「何か勘違いをしているようだな。
喰らうと言ったのは戦い更なる強さを手に入れると言う意味だ」
「強くなるためだけに色んな世界を襲うのか!?」
「何を驚く?貴様も戦士なら高みを目指すのが道理と理解できるはず。
様々な世界には強き者が溢れている!
その者を倒し更なる力を手に入れるのだ!」
「そんな…そんな理由で!」
右手に炎を纏い殴り掛かる紅蓮。
「なかなかだが貴様の本気はこんなものか?」
紅蓮の拳を人差し指一本で受け止めるゼーレ。
「くっ!なめるな!」
今度は足に炎を纏い蹴りを放つもゼーレには簡単に防がれる。
「つまらんな」
「紅蓮!」
ゼーレが剣を振り上げ紅蓮を斬ろうとした時、剣に一筋の光りが当たり剣を弾く。
「(我が剣が弾かれた…)」
紅蓮が離れるとゼーレは周囲を見渡しだす。
「今の光りは…」
「そこか!」
ゼーレが剣を振ると森の方へと斬撃が飛び何かに直撃した。
「なかなかやるようだな。
さすが敵の大将って所か」
斬撃で舞い上がった砂埃の中から一人の男が姿を現す。
「何者だ?」
「お前を倒す者だよ」
男は銃を構え光りの弾を連射しゼーレを狙う。
「遠距離なら勝てるとでも思ったか!」
弾を切り払い一気に男に近づく。
「甘いな」
ゼーレの剣があと少しの所で銃口から伸びた光りの刃で受け止める男。
「(この男…強い)」
「我が体に宿りし燈の力よ!その輝きで邪を溶かせ!」
男が剣を払い退け上空へ銃を撃つと光りの柱がゼーレへと降り注ぐ。
「ぐうっ!これは…陽の熱か!」
「出ようとしても光りの分厚い壁がお前を逃がさない」
「くっ…フフ…フハハハハ!」
「頭でもおかしくなったか?」
「久し振りの感覚だ!
いいぞ!この想像以上の力で追い詰められ、この身が悲鳴を上げている感覚!
ああ…抑えられぬ…抑えられぬ!
貴様を…喰らいたい」
ゼーレの目が輝き光りの柱を消し飛ばす。
「くっ!(なんて威圧感だ)」
「いや…」
ゼーレから放たれていた威圧感は突然弱くなり消えてしまう。
「もう少しだ…もう少し強くなれ。
今のままでは簡単に潰してしまう。
貴様、名はなんという?」
「俺は七華橙児」
「覚えておこう。
我が名はゼーレ!
1000の世界を滅ぼした次元の戦士!」
ベチルを担ぎ闇の中へとゼーレは消えていく。




