十一色 黒い風
「君の名前は?」
「え?あ、僕は翠。
もしかして君も風を操れるの?」
「うん!」
ベチルが軽く腕を上げると黒い風が吹き山に大きな溝が出来る。
「凄い…そうだ!ベチルも一緒に戦ってよ!」
「戦う?」
「悪い奴らが襲ってくるんだ」
「そうなんだ。
助けたいけど僕は人探しをしないと…」
「そっか…無理言ってごめんね!」
「ううん!
そうだ翠遊ぼう!」
ベチルは翠の手を引き空に上がっていく。
「で、でも修行しないと!」
「修行?うーん…手伝うよ!」
「いいの?」
「うん!僕が風の塊を投げるから弾くんだよ!」
「分かった!
いつでもいいよ!」
ベチルは翠から少し離れると掌に黒い風を集め始めた。
「いくよ!」
振りかぶりベチルが黒い風の塊を投げると風を帯状に回転させぶつける翠。
「(ベチルの風の勢いで僕の風が消えちゃう…)」
弾けるように翠の風が消え衝撃で吹き飛ばされる。
「翠、風の回転が甘いよ!
もっと素早くさせないと」
「分かったよ」
「こんな所にいたかベチル」
ベチルの背後に黒い光りが輝きゼーレが姿を現す。
「ゼーレ様!まだ見つけられてないんだ…」
「ゼーレ!?ベチル…君は六魔将なの?」
「そうだよ!」
「ほう、この世界の戦士か。
ちょうどいい、贄はどこだ?」
「贄?白の事なら教えないよ!」
「そうか。
ベチル、そいつは敵だ始末しろ」
「そうだったんだ!分かった!
じゃあ翠…死んでね」
ベチルは一瞬で翠の頭上に移動し黒い風の巨大な塊を投げつける。
「(かわせない!)」
黒い風の巨大な塊は翠を飲み込み落下し地面を吹き飛ばす。
「もう終わっちゃった」
すると砂埃が一瞬にして晴れ翠が立っていた。
「君のお陰でまだ戦えるよ」
「楽しめそうだ!」
ベチルは翠へと急降下していく。




