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転生おばあちゃんの幼馴染みは勇者ちゃん  作者: こう


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34/39

34 実は?


 トコトコ歩き出した私に、苦笑したダニエラちゃんを警戒するルイスが着いてくる。


「あ~……もしかして、他の人がこういう態度だったら同じコトするの? ほら、今期のボクら、敵が多いでしょ? 手が出ない代わりに口が出るよ」

「流石に年上は止めないわ。もう自己責任だもの」

「あー……ならボクだけかぁ」


 ダニエラちゃんは黒髪を揺らし、困ったように首を傾げた。


「お姉さん、おっとりしているから心配だなぁ。こういう触れ合いって、相手が勘違いしちゃうよ?」

「勘違い……子供扱いされているって? 子供ねえ、って思いながらしているから、勘違いじゃないわよ?」

「そっちじゃないけど、完全に子供扱いなんだ」

「だから大人にはしないのよ?」

「あー、おっとりしてるけど、それだけじゃないんだねお姉さん」


 しっかり窘める意味でやっているので、私にこれをされているならまだまだ子供よ。

 でもそれ以外の勘違いって何かしら……あ。


「もしかして、私が触れることで、気があるって思われるのかしら」

「あ、よかった通じた」

「トリスの子達はずっと一緒だから気付かなかったわ。それなら、新しく会う子達には気を付けましょう」

「こいつにももうやっちゃダメだよ、アニシア」


 苦虫を噛み潰したような顔で、ルイスがダニエラちゃんを警戒する。


「あらまあ、何故? 女の子ならよくないかしら」

「あー……まあいっか。気付いている人は気付いているし」


 食堂に辿り着いて、カウンターに食材を置く。厨房の奥で食器を整理しているお母さんが見えたわ。お父さんは休憩中ね。

 なんて思っていたら、ダニエラちゃんが私に抱きついてきた。


「ちょ、おま――!」

「勘違いする人が多いけど、ボク、お・と・こ・ダヨ」

「あら」


 触れ合うダニエラちゃんの体は、確かに硬かった。女性的な柔らかさはなく、細いのにしっかり筋肉質。

 だけど。


「まあ」

「――――!?」


 私はきゅっと、抱きついてきたダニエラちゃんをさらに抱き寄せた。


「え、なに?」

「あにあっあにし、アニシア!?」


 戸惑って藻掻くダニエラちゃん……君? と、盛大に狼狽えて私達の周りをうろちょろするルイス。

 細い身体を抱きしめた私は、それどころじゃなかった。


「痩せすぎよ、ダニエラちゃんくん!」

「へえ?」


 目を丸くして間抜けな声を出すダニエラちゃんを、私はぎゅっぎゅうと抱きしめた。ついでに頭をよしよし撫でる。


「細すぎてびっくりしたわ! 成長期だから? それにしても細すぎるわ! ちゃんとご飯食べている? あまり食堂を利用しないけれどもしかして食べられない物がある? 対応するから何でも言ってちょうだい!」

「魔道士様と比べたら食べているけど……」

「ダメよ人と比べちゃ。ちゃんと適量食べられているかは自分にしかわからないのよ? お腹が空いているのに慣れちゃダメ。成長期は栄養を取らないと大きくなれないわ」


 ルイスも細身だけれど、ルイスより細い気がする。気になったので、うろちょろしていたルイスの手を握ってみた。ルイスは彫像のように動かなくなっちゃった。


「んん……? 同じくらい……? ルイス、あなたも食べるのをサボったわね? 魔道士の方々って皆そうなのかしら」

「このお姉さんマイペースすぎるなぁ……」


 二人の腕をにぎにぎしながら首を傾げる。苦笑したダニエラちゃんは、私から一歩下がった。


「あらまあ、ごめんなさい、突然。気になっちゃって」

「女性に抱きついたボクの方が怒られると思うのに、そっちが謝っちゃうんだもんなぁ」


 ダニエラちゃんは何故か、困った、というように笑う。

 でもなんだか、ちょっと擽ったそう。

 あ、そうだわ。


「男の子なら、ちゃんは失礼だったかしら。ダニエラ君の方がいいの?」

「……まだ気付いて居ない人もいるし、ちゃんで良いよ。自警団でまだわかっていない人結構いたし。エメリナお姉さんははじめから気付いていたけど」

「まあ、そうなの。なら、ダニエラちゃんのままで呼ばせて貰うわ」


 ちょっと楽しそうにしているし、本人がどちらでも良いなら今まで通りにしましょう。

 それにしてもエメリナ、気付いていたのね。普段は鈍感さんなのに珍しい。


「で、なんでこんな格好しているのかとか聞かないんだ?」

「似合っているなら、好きな格好をして良いと思うわ」


 前世の記憶、多様性の文字がすささーっと脳裏を通り過ぎていく。若い頃の感覚で言うと仰天だけれど、年を重ねた今となれば生きているならいいじゃない、なんて感想が出てきそうだわ。あ、今の私、まだ十八だったわ。危ない危ない。


 ダニエラちゃんはやっぱり擽ったそうな顔をして、小さく息を吐いた。


「お姉さん、やっぱりおっとりしてるよ」


 どういう意味かしら?



エメリナを鈍感扱いするアニシアだが、彼女も自分のコトは気付いていない

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