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国家のお茶会の裏側

別室。

会場から少し離れた場所。

音は届かない。

別室の外には二人の見張り。


静かだ。


「……収まったか」

声。

低い。


「はい」


別の声が答える。


「予定通りに」


短いやり取り。


それだけ。

机の上には、何もない。

書類も。

記録も。


残さない。

それが前提。


「痕跡は」


「問題ありません」


間。


「……早かったな」


「広がりきる前でしたので」


納得のような。

確認のような。


「例の件は」


言葉が落ちる。


「安定しています」


“例の件”。

具体的には言わない。

それで通じる。


「対象は」


一瞬の沈黙。


「今はまだ問題ありません」

繰り返す。


だが。

完全ではない。


「……揺らぎは」


「観測されましたが」

「許容範囲内です」


それでいい。


「ならいい」


少しの間を空けてから。


「彼女の件は…?」


「進んでおります。」

「後は撒いた種が根と花を出すまでです。」


「…あぁ。」

発芽するのが楽しみだ。



ならば今はそれ以上は、追わない。


「国の外には」


「出ておりません」


それも重要だった。


「……そうか」


空気が、少しだけ緩む。


「引き続き監視を、頼むぞ」


「はい」

「では、次は芽が出た時に……」


「あぁ。」


椅子が引かれる音。

会話は終わる。


何も決まっていないようで。

すべてが決まっていく。


扉が開く。


外は、光。

笑い声。

華やかな空間。


何も知らない顔。



――そのすぐ裏で。

すべては、動いている。



後にその種が玲達に残酷な道を示すなどとは1人以外は誰も思いもしなかった……

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