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宿題をやろう 女子組

夏休みまで後3日。宿題は終わってますか?終わってないと焦りますね。

そんな女子組のラストスパート

「えっ、まだ…終わってないの?ちょっと…今日は何日だと思ってるの?」

「ちいは…もう終わってるの?」

「もちろん。教科によっては学校の講習の後で提出したのもあるよ。だから…今日は何日?」

私はなんだかんだ言いながら私の質問をはぐらかす彼女に問いかける。

「えっと…29日です。だって…部活が…」

静香は部活の練習を言い訳にする。

1年生ながらレギュラーが取れそうだと聞いていたから仕方ないのは分かる。

「分かったよ。今日から31日までの夕方なら私が一人だからお泊まり道具を持っておいでね」

「ありがとう!!ちい助かる」

私達はそう言って電話を切った。



夏休みが終わるまで、後3日。私はカレンダーを見てから溜め息をついた。

時間は午後2時を過ぎた位。急いで、客用布団をベランダに干す。

「最初の頃のお泊まりで、それなりに進ませたはずなのに…静香ってば」

私は冷蔵庫を開けてみる。

昨日からおば達が泊まりに行っているので、冷蔵庫の中は空っぽ。

「今夜はちらしずしにするか。雅子ちゃんはどうしてるんだろう?」

私はアドレス帳から雅子ちゃんの家に電話をかけた。

「もしもし?佐倉です。静香ったらね…」

私達は暫く会話をして電話を切った。



雅子は宿題は終わっているけれども、英語の教科書が同じで、私の方がテキストが進んでいるから

ノートを写したいと言ってきた。

明日の朝に雅子が来る事が確定した。けれども、静香には教えない。

その方が本人の為だ。

私はちらしずしの為に、ご飯を炊く様に支度をした。



「さあ、静香。諦めて宿題を出して」

「怒らない?ちい?」

静香は恐る恐る残っている宿題を出す。

「えっと、お絵描きが壊滅的なのは分かっているよね。そこは自分で頑張って。後は私が進めておくから、絵が描き終わってから

宿題を写し始めてね」

そうして、私達は静香の宿題を片付け始める。

「ちい…ごめんね」

一旦休憩ということで、私達は麦茶とお菓子を片手に休んでいる。

「平気だよ。読書感想文は私のをそのまま写せばいいでしょう。学校が違うんだもの」

「そうか。そうだね。今は何をやってくれてるの?」

「今は数学のプリントを解いてるよ。なんとか後5枚になったよ」

「ありがとうね。でも…秋からレギュラーになったよ」

「頑張ったね。後は怪我に注意してプレーしないと。じゃあ、私は宿題片づけるね。静香は無理のないペースでね」

写すだけでは理解ができないから、ゆっくり理解しながら写すように話してある。

かなり量の多い課題だから、休み明けに小テストがあるのかな?と考えてみた。



「明日は雅子ちゃんが来るからね」

「どうして?」

「私の英語のノートを写したいんだって。教科書が同じなんだって」

「ふぅん、英語の宿題が残ってるってことなんだろうね」

「多分ね。じゃあ、明日頑張るじゃなくて今頑張らないと」

「そうそう、その調子で頑張ろうね」

私達は夕食後も宿題を片付けた。



翌日、雅子ちゃんもお泊まり道具を持って朝からやってきた。

「静香!!ファイト!!今日死ぬ気でやれば、明日町内のプールに行こうよ」

「なんで?」

「ちいのアドバイス通りに健康管理した結果を見せたいの。ウフフ…頑張ったんだから」

なるほどね。それなら見せたいよね。

「私だって、水着になるのが怖くない体系になったのよ。ありがとね。ちい」

二人はニコニコして私を見るが、私はどんどん沈んでいく。

「どうせ…まだ結果出てないもの…お子様体系なままだし」

「あらら…」

「ちいは胸だけ成長すれば完璧なのにね。でもプール行きたくない?」

「行きたい」

「それじゃあ、頑張ろうね」

私達は集中して課題を減らしていくのだった。



「おっ、終わったぁ」

夜中に差し掛かる頃、ようやく静香の宿題が終わった。

「それじゃあ、明日はプールに行こうか?明日創達に連絡してみる?」

「そうだね。それはそれでいいかも。とにかく今は…寝ようよ」

私達は川の字に敷いた布団に横になった。



「ところで、彼氏はできた?」

「まさか。部活しかやっていないのに」

「出会いはこれから。だってまだ1年生なんだもの」

私がそう答えると二人は納得している。

1年の夏休みはもう終わりだけども、高校生生活は…まだこれから続く。

「雅子?何か機嫌がいいよね。もしかして…」

「うん、彼氏ができたんだ。皆に彼氏ができるまで待ってるね」

雅子がはにかみながら答えた。



「どこで知り合ったの?」

「うんとね。入学式で隣だったの」

「それって、私と創君みたいだね。それも出会いだよね」

「そうだったんだ。ありふれた出会いだったからちょっと恥ずかしかったんだ」

「でも…案外そういうものだと思うよ。恋の切っ掛けって」

「ドラマみたいな出会いも展開もないってことか…」

静香はそういうと溜め息をついた。

「ドラマの通りの恋愛もあるかもしれないけど、現実的じゃないよ。自分の身の丈にあった恋がいい」

「ちいは?誰かに絞ったの?それとも誰か好きな人ができたの?」

雅子ちゃんは私の言ったことから何かを勘付いたみたいだ。

恋する乙女は鋭くて困る。



「うん。アレからまだ…半年しか経っていないんだけども…早いかな?それともその程度の恋だったのかな?」

二人は眼を丸くして私を見ていた。

「それだけ時間がたったのだから、いいんじゃない?」

「むしろ…遅いんじゃない?ちいはどうしたい?」

「私は…片思いのままでいい。あいつには知られたくない。私の想いを」

「そっか…。やっぱり、あいつが関わっているんだ。あの騒動には」

「あの二人が付き合っている事が胡散臭いと言えば胡散臭い」

「二人とも、それは言い過ぎだよ。きっかけがなんであろうとも、二人が恋人なのは事実だから。しかも事実じゃない事を言われたのも事実だから」

「ちょっと…何を言われたの?」

「実行委員の中で、男の人をとっかえひっかえしたんだって…さ。私は友人として好意はあったけど、恋愛は考えられなかったのに」

私は悔しくて唇を噛んだ。

「そっか。誤解は解けたの?」

「どうかな?でもね…まだ…いろんな人とは笑えないんだ」

「それは仕方ないでしょ?」

「それでもいいんだけども…。陰でね、氷の女とか言われてるらしい。冷たい女なんだって」

「クラスの中にも表情が乏しい子がいるんでしょ。私の学校にもいるよ。そんな子」

「私の学校にもいるけど、そんな呼び名はないなぁ…悪質と言えば悪質だね」

「なんかね、モグラたたき見たくて面倒くさくなっちゃった」



「直也先輩は?知ってるの?」

「うん、一応把握はしてるよ。笑えないのは時間がたって、人見知りが落ち着けば笑えるから気にするなって」

「扱い方法は間違ってないね」

「ちいも人見知りが落ち着くと普通の子なのにね」

「もうね。そこは諦めたけど、噂の出所が…あいつらしいんだ。確証はないんだけども」

「今までの事があるから、そう思いたくなるのは、分かるけれども…」

「私が掴んでるのが、言っていたらしいなんだもの」

「それだけでも、動けるよね」

「でも、違ったら何倍になって戻ってくるんだか。怖くてできないよ」

「ほっておいたほうが堅実か」

「私はそう思ってる。私とあいつの人間関係には全くの接点がないんだ。それだけが救いだよ」

「何かあったら…相談しなよ。私達がいるんだから」

「ありがとね。二人とも」

私達はその後も雅子ちゃんの彼氏の話を聞いたり、冷やかしたりして過ごした。



「…宿題が終わってないけど、プールに行くって」

「大丈夫なの?義人は…」

「知らない。気分転換したいみたい。とりあえず10時にプール前でお昼にマックだって」

「まぁ、いいか。私達は朝ご飯を食べますか」

私達はキッチンで朝食の支度をしている。

静香はパンをトースト、雅子ちゃんはトマトを切って、私が目玉焼きを焼く。

お昼食べたら、創君と義人君が自分達の宿題を持ってくるらしい。

義人君は、明日はうちから学校に行くつもりなんだろうな。

昔から義人君兄妹が泊まる部屋はちゃんとあるから。今は妹ちゃんがよく使うけれども。

後で、部屋の空気の入れ替えをしておこうかな。



「さあ、一年生の夏休みを満喫しよう。皆で過ごして明日から頑張ろうね」

私はテーブルに座っている二人に話しかけた。

明日からは2学期。まだまだ私達の学生生活はこれからだもの。

「そうだね」

「私、家に帰って水着取ってくる」

「はいはい。静香は現地集合でもいいからね」



もうすぐ今年の夏が終わる…そんな1日。

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