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Parallel  キラキラヒカル with直也

ちいの卒業後、結婚を前提の同棲をしています。

今回だけはほろ苦エンドではありません。

「ほらっ、もう一度…なぁ…いいだろ?」

「なお君は、嫌は認めないじゃない」

「良く分かってるな。だったらいいだろう?」

「もう…俺様なんだから。明日はどうするの?」

「どこに行くも何も。夜中には出かけるけどな。減らず口は蓋してや…る…んふぅ」

唇を合わせ、舌が侵入してくる。

深くなるキスと火照る体を彼が与えてくれる刺激に身を委ねて、私達は体を重ねていく。



私の卒業式のあの日。保護者席に座っていたなお君。

前の日に、なお君が私ととも君を迎えに行くから終わっても待っていろと電話があった。

だから式の後に迎えに来るかと思っていた。

式が終わって体育館を出るとそこには私が密かに恋をしていたあの人がいた。

「ちい…卒業おめでとう。ちょっと…来いよ」

私はなお君に腕を取られて3階の校舎の階段を下りていく。

着いたのは、早咲きの桜の木の下。

ちょうど桜は満開でひらりひらりと散っている。



「綺麗だな。待たせたな。もう…離さないから…」

なお君は、そう言うと私を引き寄せて、腕の中に閉じ込めた。

「見られちゃったら…不純異性交遊になっちゃうよ」

「大丈夫。お前は俺の事が…好きだろう?」

私を心配で見守るように私を見てれくていた彼に、自然と恋心を抱いていた。

けれども、彼の横には千世さんがいる。

彼を奪われて、傷ついた経験がある私は同じことを彼らにしたくはなかった。

だから…私はこの思いをきっちりと封印したつもりだった。



なお君が卒業してから1年がたつ。なお君が示してくれた道は、とも君達が引き継いでくれている。

本来だったら、私達が引き継ぐべきなのだが、そうはいかない事情があった。

とも君が引き継いだ生徒会は表向きの顔。対して私がなお君から引き継いだのは裏の顔。

開校して9年たつ私達の学校は、良くも悪くも問題を抱えていた。

とも君は良い方向に導く問題の対処し、私達は口にはできないような問題を闇に葬っていった。

よくもまぁ、あんなにたくさんの問題を抱え込んでいたものだ。

それは先生にしても、生徒にしてもだ。

最後に抱えていた問題も、学校に対しては制裁を下したし、当事者も処分した。

私個人が抱えていた問題も…訴訟問題になってしまったが、先週ようやく解決した。

きっかけは些細なことでも、その事があらゆる人の人生を変えてしまうという恐怖を実感した事件だった。



膿みは全て排出した。後は再生を待つだけだ。



「だって…なお君には彼女が…」

私は言葉を濁した。二人が別れるなんて想像がつかないからだ。

「いいんだよ。俺達は終わったんだ。それもかなり前にな。お前に伝えたらお前は自分を責めただろ?だから言わなかった」

「私のせいじゃないの?私がなお君を選んでもいいの?」

「俺達が別れたのはお前のせいじゃない。私が選ぶんじゃなくて、俺が選んだんだ。なぁ…俺と一緒に歩いていこう。これからもずっと」

なお君はそう言うと、私に指輪をはめてくれる。

小さいけれども私の誕生石がついたリング。

これって…どういう…ことなの?

「付き合ってくれって言いながら…悪い。俺はお前と結婚したい。お前が二十歳になったら籍を入れよう。返事は?」

「はい。私でよければ」

「お前じゃなきゃいけないんだ。それとな…お前の引っ越し先は変更な」

なお君は、パニックを起こしている私にもう一つ爆弾を落とした。



「へぇ?」

「俺の親父が地方勤務が決まって、おふくろがついて行くんだと。俺と一緒に暮らそうぜ」

「私が理事長に頼んだ部屋は…」

「部屋数を増やして貰って俺が契約し直した。今日からそこに引っ越すぞ」

私はポカンとしてなお君を眺めた。言われている事が分からない。

「安心しろ。ビリーは連れていけるからな」

「ありがとう。なお君。大好き」

ビリーが一緒で安心した私はなお君に抱きついた。

「これからは甘やかすからな…覚悟しろよ」



私達が住む部屋は、ペット可のファミリー向けの物件だった。

テラスハウスというタイプで、天気のいい日はビリーを外で遊ばせる事もできる。

普通の猫なら、外に逃げてしまうのだろうけど、ビリーは臆病だから私達がいないと外に出られない。

私となお君は一緒に暮らしている。後1年学校が残っているとも君は…学校の寮に入った。

「連休にはお前らの家に泊まりに行くからな…覚えておけよ!!」

という捨て台詞を残して…、なお君…何か企んだんですか?



部屋は3LDKで、一部屋はとも君用に開けてある。残りは私達の寝室と勉強部屋に分けた。

勉強部屋には仮眠が取れるようにソファーベットを置いてある。

先月までは課題の消化と互いのテストがあったから、一緒にいても顔を合わすことが少なかった。

その反動か、夏休みに入った途端、ほとんど自宅から出ないで二人ですごしている。

眠って、ご飯食べて、買い物行って、ビリーと遊んで、二人で眠って…そんな毎日。



平凡で、幸せだけども、たまには出かけたいなぁと思っていた昨日の夕方。

なお君のサークルの夕涼み会の帰りにかかってきた電話。

「明日は夜に出かけるから…決定な」

相変わらずな、彼の宣言に苦笑するしかない私。

学生時代、季節ごとに屋上で天体観測をしていた私達。

今の家になってからは、庭にレジャーシートを敷いて天体観測をした。

こないだは夏の星座を観察したばかりだ。

この時期だと…流星群…か。家で見てもいいと思うんだけども。

私達の家は住宅地の中の一角だから、夜はあまり明かりはなんだけども。

一体、どこに行くんだろう?

なお君は車を運転するから、私達は荷物を持って乗るだけだけども…。



「ビリー。おいで。今のうちに寝てしまおうね」

私はビリーを誘って寝室に行く。

なお君が帰ってきたら、起こされるんだから。



「あっつい!!今…何時?」

あの後、なお君に何度か抱かれて、そのまま眠ってしまった。

私は気だるい体を動かしながら、ベッドサイドの目ざまし時計を見る。

時計の針は午後2時を指している。

この時間は確かに暑い。

ビリーがいるから家の中はゆるい冷房を入れてドアを開けてあるから涼しいはずなのに。

ベッドから出た私は暑い原因が分かる。私にぴったりとくっついて彼とビリーが寝ていたのだ。



彼の気持ちよさそうに寝ている寝顔を眺める。

胸元に私が散らした赤い華がほんのりと咲き散っている。

それを見て、頬が火照ってしまったので、私は急いでバスルームに急いだ。

シャワーを浴びて、部屋着のワンピースを身にまとって、昼食とも夕食ともつかない食事を用意する。

塩サケとレタスと卵があったので、手早くチャーハンを作る。

冷凍庫に残してある、ワンタンをスープの中に入れて煮込む。



それにしても、私達…何時まで起きてたんだろう?

部屋は角部屋で、私達以外の部屋の人は皆各自の実家に戻っているらしい。

先週のゴミの日にそんな話をした記憶がある。

「体がだるいなぁ…体力が落ちたのかな?」

私はそんな事を呟きながら、ダイニングテーブルに食事を並べて、麦茶を用意して椅子に座る。

のんびりと新聞をめくりながら、愛しい人が起きるのを待つのだった。



「なんだよ。もっと早く起こしてくれよ」

4時過ぎに彼はバスローブもまとわずに起きてきた。

「せめて、下着位は履いて下さい」

「シャワー浴びるから用意してくれ」

「分かったわ」

バスルームに行く彼を見て、私はクローゼットからルームウエアを用意した。



「サンキューな。とりあえず、飯食べるか?」

「できてるよ。はい、どうぞ」

「俺ら…何時に寝たんだ?」

「うーん6時過ぎかな?多分。洗濯干してから寝たんだもの」

「悪い…つい…」

「怒ってないから…おはよう」

私はそう言ってからなお君に触れるだけのキスをした。



「今夜は、俺らの実家の側の丘の上で見ようぜ。流星群」

「車…よね?」

「あぁ。ビリーも行くぞ。ビリーおいで」

彼がビリーを呼ぶと、ベッドでまどろんでいたビリーが鳴きながら彼の膝の上にのっかる。

「ビリーもお出かけしような?お星様みような」

ビリーはご機嫌で尻尾を振るのだった。



出かけるまでは、珍しく別行動をしていた。

私は夏休み後に提出するためのレポートを作成して、彼はソファーに寝転んで今話題の小説を読んでいた。

ビリーはビリングのキャットタワーで遊んだり、彼に遊んでもらったりしていた。

「夕食は、ピザでも頼むか?残ったら帰ってから食べような」

「ビールはないよ。どうするの?」

「暫くは酒はいいや。俺…あんまり強くないから」

「そうだね。無理は良くないもの。大丈夫?」

「あぁ、昨日はそんなに飲んでない」

そう言うと彼は私の頭を撫でる。

「飲んでたら、お前を抱けないさ」

「そう言うことは言わなくていいから」

私は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

「そんなに可愛いと…もう一度食べても…いいか?」

「帰ってからじゃないと…ダメ」

「おっ、帰ったらいいんだな。やったぁ」

しまった…墓穴を掘ってしまった。いいか。なお君は大好きなんだから。



「ほらっ、どうだ。凄いだろう?」

彼の実家からほど近い高台の空き地。

ここの周囲は新興住宅に造成中で、いたるところに空き地がある。

私達はビリーを車に残して、外に出た。

外の空気はひんやりとしていて、ノースリーブのワンピースを着ていた私はヒヤリとする。

「少し見たら…帰ろうな。きっと家でも見れるから…な」

彼に肩を引き寄せられて、後ろから抱きしめられる形になる。

「顔が見れないけれども、今日は我慢しような。星が…綺麗だな」

「うん。綺麗だね…」

「ちい…ほらっ、星が流れてる。お願い事するか?」

「うーん、来年の結婚式が楽しみかな」

私達は来年の私が二十歳になった後の連休に結婚式を挙げることにしている。

私の家も彼の家も親族が少ないので、レストランでお披露目会を兼ねたものにしようかと話を始めたところだ。

「そうだな。もうすぐで1年になるんだな。卒業したのがこないだだと思ったのに」

「私も…そう思ってた。でもこれは現実なの。だってなお君の胸元には…」

「そうだな。お前が昨日の夜につけたキスマークがあるもんな。お前のうなじにもあるんだぜ。暫く髪を上げるなよ」



なお君…なんてところに…浴衣着たかったのに…。」

「浴衣着てお祭りに行けないじゃない…」

私はちょっと悲しくなった。

「あの神社のお祭りか?だったら…ごめんな」

なお君と約束して楽しみにしていたのに…神社のお祭り。

「だったら…来月の八幡の神社のお祭りでも…いいよ」

「それじゃあ、家の中で見せてくれよ。お前の浴衣。お前着られるだろ?」

「分かった。気が向いたらね。でもって…脱がすのが楽しみなんでしょ?」

私は少し睨みがちに直君を見た。

「良く…お分かりで。男のロマンなんだから…さ」

「そんなもの、分かりたくありません!!」

私は頬を膨らませた。



「どんな顔をしても、ちい…お前を愛してる」

なお君は私をきつく抱きしめる。

「私も…愛してる」

「どんどん、想いが溢れるんだ。他の男に見られたくなくて、外に出したくないんだ」

「何…その独占欲」

「俺が千世と別れた理由…分かったか?」

要は…あの二人が別れたのは、なお君の束縛がきつかったのね。

今になると、凄く納得した。

私は、束縛されるのは…Mなのかなぁ?心地よい。

だって、思われてるってことだもの。嬉しいんだよね。

それを言ったら…大変なことになりそうだから絶対に言わない。



「結婚式の準備をしようね?ダーリン」

私はなお君の肩に手を置いて背伸びをしてなお君にキスをする。

最初は甘いキスだったはずなのに、自然と熱い思いを乗せたキスを受けるのだった。

これからは、彼と一緒に、いろんな空を見ていくだろう。

流れる星達に私は願いをかける。

すっと、彼についていきます。いつもまでも彼と笑っていられますように。

「私、幸せだよ。大好き」

離れた唇を耳元に寄せて私は彼に囁いた。


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