Parallel 君とホタルと天の川とver倫子
やっぱりヒロインちゃんもお空を見ないとね。
時間は高1の七夕当日です。
「今日はカラリとしているなぁ」
期末テスト中の午後10時。今日が七夕だという事を思い出して私はベランダにいた。
明日は嫌いな物理がある。公式は頭に入ったけれども…できるかどうかは別物だ。
人間どんなに頑張っても出来ないものだってあると思うんだ。
とりあえず、やるだけやったんだから、星を見たら早めに寝ようと思う。
「ここだけは変わらないのかな?」
私は思い切り代わってしまった自分の境遇を振り返ってみた。
おば達の事は、割りきることにした。そうすればわずらわしい事は一切ない。
「ベガ…アルタイル…デネブ…アハハ…まだひで君に縋ってる。私ってば」
夏の星を探す時ベガから探すのは、ひで君から教わった時がそうだったから。
ひで君の手を手放してもう3年になろうというのに、こういう時には未だに縋ってる自分がいる。
春のクラブの同期会でひで君とあってからは電話ではやり取りをしている。
その中で、ゆう君に彼女が出来た事は聞いていた。
私と別れてもうすぐ5カ月になる。お互いに違う人を探していてもおかしくはない。
「私の中のゆう君は徐々に少なくなっているんだ。そうやって忘れられたら…きっと本当の意味で忘れられるのかもしれないね」
ゆう君と別れてからの私は数少ない友人たちによって支えられていた。
彼女たちの支えがなければきっと…私はここまで立ち直れなかった。
「皆…本当にありがとう」
あの日感情のコントロールが出来なくなった私を支えてくれた静香。
時には厳しくお尻を叩いてくれた雅子。
おちゃらけてはいるけれども、手を差し伸べてくれた義人君。
噂になることを恐れないで、支えてくれた創君。
外出することすらしない私を見かねて、休みの度に外に出そうとしてくれるなお君ととも君。
「お父さん、お母さん、私はどうやら一人じゃないみたいです。二人が空から見守ってくれてるせいなのかな?」
私はふと思いついた事を口にしてみた。亡くなった父さんと母さんはとても仲が良かった。
だから二人はベガとアルタイルではなくって、春に見える夫婦星…スピカとアークトゥルスの辺りで私の事をみているのかもしれない。
「私にも…好きな人が出来るのかな?その日はいつ来るんだろうね」
私はそう呟いてから空に輝く星に願いをかける。
今度の恋は…私を甘やかす恋ではなく、私を守ってもらうだけでない恋がしたい。
私が今度は守ってあげたい。その位強い恋をしたい。
「もう少し私が強くならないとね。頑張ってなれるか分からないけど、やるべきことをやりますか」
私はベランダから部屋に戻ってベッドに腰掛けた。
「でも…今日は寝ようっと」
私は横になると早速目を閉じた。明日は少し早く起きて勉強したいから。
毎日を後悔しないで暮らしたい。
その為には…少しだけ強くならないと…そんな事を考えながら私は眠りに着くのだった




