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追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


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第64話 地下に眠る古代竜

第64話 地下に眠る古代竜


ドクン――。


ドクン――。


氷霊城の地下から響く鼓動。


その音が聞こえるたび、レオンの胸に刻まれた黒い呪印が強く脈打つ。


「ぐっ……!」


レオンが胸を押さえて膝をついた。


「レオン!」


サラが駆け寄る。


「大丈夫……だ。」


そう言いながらも、顔色は明らかに悪い。


レインはアズールを睨む。


「どういうことだ。」


アズールは静かに地下を指差した。


「黒翼教団は、あの心臓を利用している。」


「古代竜の心臓には、莫大な魔力が眠っている。」


「そして闇の呪印は、その魔力と共鳴する。」


レインは魔導書を開いた。


すると第五の紋章が淡く輝き始めた。


「だったら、あれを止めればレオンも助かるのか?」


「可能性はある。」


アズールは答えた。


「だが、心臓を破壊すれば氷霊峰そのものが崩壊する。」


一同が黙り込む。


「そんな……。」


リリアが呟く。


アズールは続ける。


「だから、破壊ではなく封印する必要がある。」


「そのために必要なのが、第五の遺産だ。」



レインたちは急いで最上階へ向かった。


長い階段を上り、巨大な扉を開く。


その先には、青白い光に包まれた祭壇があった。


中央には小さな水晶が浮かんでいる。


「氷晶の魂……。」


レインが近づく。


しかし、その瞬間。


ドォォォン!!


床が大きく揺れた。


天井から雪が落ちてくる。


「何!?」


クロードが叫ぶ。


アズールが振り返る。


「始まったか。」


「何が?」


「黒翼教団だ。」



祭壇の奥に、黒い魔法陣が現れる。


そこから一人の男が姿を現した。


黒いローブ。


白い仮面。


そして、右手には黒い結晶。


「アレス……!」


レオンが驚く。


アレスは静かに笑った。


「久しぶりだな。」


レオンは剣を握る。


「兄さん……。」


「まだ私を兄と呼ぶか。」


アレスは黒い結晶を掲げる。


「ならば、最後に兄から贈り物をやろう。」


黒い魔力がレオンへ飛んでいく。


「レオン!」


レインが割って入る。


だが、魔力はレインをすり抜け、レオンの呪印へ吸い込まれた。


「ぐああああっ!」


レオンが叫ぶ。


黒い呪印が一気に全身へ広がっていく。


「レオン!」


サラが抱きしめる。


しかし、レオンの瞳から少しずつ光が消えていく。


「……逃げろ。」


「俺から離れろ……。」


「レオン?」


レオンが顔を上げる。


その瞳は、黒く染まり始めていた。



アレスは冷たく笑う。


「呪印は完成した。」


「これで古代竜の心臓を目覚めさせられる。」


「何だと!」


レインが叫ぶ。


アレスは床へ黒い結晶を投げつけた。


パリン。


瞬間、城の地下から巨大な魔力が噴き上がる。


ゴォォォォォッ!!


氷霊城の床が割れる。


その亀裂の奥から、巨大な赤黒い光が見えた。


ドクン。


ドクン。


巨大な鼓動。


そして――。


地下深くから、巨大な咆哮が響いた。


グオオオオオオオッ!!


山全体が揺れる。


「目覚める……。」


アズールが呟く。


「古代竜が……。」


レインは魔導書を強く握り締めた。


第五の遺産を手に入れた。


だが、それだけでは足りない。


仲間を救うため。


そして古代竜の復活を止めるため。


レインは決意する。


「レオンを取り戻す。」


「そして、古代竜も止める。」


アレスは黒い魔法陣へ消えていく。


「できるものなら、やってみろ。」


「次に会う時、お前たちは世界の真実を知ることになる。」


その言葉を残し、アレスの姿は消えた。


レインは浮かび上がった第五の遺産へ手を伸ばす。


氷晶の魂が、静かに輝き始めた。


第65話 古代竜の目覚め へ続く。

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