↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/72

第56話 崩壊する幻影神殿

第56話 崩壊する幻影神殿


ゴゴゴゴゴ……。


幻影神殿全体が激しく揺れ続ける。


天井から巨大な水晶が次々と落下し、床には深い亀裂が走っていた。


「急げ!」


レオンが叫ぶ。


落ちてきた水晶を剣で弾き飛ばしながら仲間たちを守る。


「ルナ!」


レインは彼女のもとへ駆け寄った。


ルナの身体は胸から下が半透明になっていた。


「大丈夫か!」


ルナは苦しそうに微笑む。


「私は……神殿そのもの。」


「神殿が壊れれば……私も消える。」


その言葉に全員が息をのむ。


⸻


「助ける方法は?」


レインが尋ねると、ルナは震える手で祭壇を指差した。


祭壇の中央には、アレスが突き刺した黒い結晶が脈打つように光っている。


ドクン……ドクン……。


まるで心臓のようだった。


「あれを……浄化して。」


「でも、普通の魔法じゃ壊せない。」


魔導書が再び光る。


新たな文字が浮かび上がる。


『融合魔法と三つの紋章を共鳴させよ。』


レインは静かに頷いた。


「やってみる。」


⸻


しかし、その瞬間。


祭壇の周囲から黒い霧が立ち上る。


ゴォォォッ!!


霧は一体の巨大な魔物へ姿を変えた。


四本の腕を持つ漆黒の巨人。


身体中に紫色の結晶が埋め込まれている。


魔導書が震えた。


『闇晶巨人グラディウス』


クロードが思わず叫ぶ。


「またボスかよ!」


グラディウスは咆哮を上げ、四本の腕を振り下ろす。


ドォォォン!!


床が大きく砕け、神殿の崩壊がさらに加速する。


⸻


「俺たちで止める!」


リリアが飛び出す。


剣で腕を斬りつけるが、黒い結晶に弾かれてしまう。


「硬い!」


サラは素早く背後へ回り込み、短剣を突き立てる。


しかし傷一つ付かない。


「全然効かない!」


レオンも渾身の一撃を放つ。


それでも巨人は一歩も動かなかった。


「力が桁違いだ……。」


⸻


レインは魔導書を開く。


ページが光り、融合魔法が浮かび上がる。


「《蒼雷嵐》!」


巨大な渦がグラディウスを飲み込む。


雷鳴が轟き、水流が結晶を打ち続ける。


しかし――。


黒い結晶はすべての攻撃を吸収してしまった。


「吸収してる!?」


ルナが叫ぶ。


「魔法じゃ駄目!」


「核を直接浄化しないと!」


⸻


レインは祭壇を見る。


黒い結晶まであと数十メートル。


だが、その前にはグラディウスが立ちはだかっている。


「俺が道を開く!」


レオンが前へ出た。


「レオン!」


「レイン。」


「ここは任せろ。」


レオンは静かに笑う。


「俺は騎士だ。」


「仲間を守るのが仕事だからな。」


その背中を見たリリアが剣を構える。


「一人じゃ行かせない。」


クロードも短剣を回した。


「俺もだ。」


サラはレインの肩を叩く。


「あなたは前だけ見て。」


「結晶を壊して。」


レインは深く頷いた。


「ありがとう。」


⸻


四人が一斉にグラディウスへ突撃する。


レオンが真正面から剣を振るい、巨人の注意を引く。


リリアが右脚を狙う。


クロードは素早く背中へ飛び乗り、サラは結晶へ短剣を投げ続ける。


「今だ!」


レオンの叫び。


レインは全力で駆け出した。


祭壇まであと十メートル。


五メートル。


その瞬間。


グラディウスがレインへ向かって巨大な拳を振り上げた。


「しまっ――!」


誰も間に合わない。


そう思われた瞬間だった。


ガァァン!!


巨大な狼が横から飛び込み、拳を受け止めた。


赤い炎をまとったその姿。


「フェンリク!」


炎狼王はレインへ振り向き、静かに頷く。


『約束を果たしに来た。』


レインが持っていた炎狼王の牙は、光となって消えていた。


一度だけ呼べるという約束。


その力が、今発動したのだった。


「ありがとう!」


レインは最後の力を振り絞り、祭壇へ飛び込む。


黒い結晶へ手を伸ばした。


その瞬間、魔導書と三つの紋章がかつてないほど眩しく輝き始める――。


第57話 第四の遺産 へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。