表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/68

第45話 黒炎の狼王

ガオオオオォォッ!!


黒い炎をまとった狼王フェンリクが、大地を砕きながら突進してくる。


その速度は先ほどまでとは比べものにならなかった。


「速い!」


レインはとっさに横へ飛ぶ。


フェンリクはそのまま岩壁へ激突した。


ドォォン!!


衝撃だけで岩が崩れ落ちる。


「まともに食らったら終わりだ。」


クロードが冷や汗を流す。


リリアは剣を握り直した。


「動きは速いけど、一直線だ。」


「狙える。」



フェンリクが再び咆哮を上げる。


黒い炎が渦を巻き、周囲のフレイムウルフたちにも力を与えていく。


「群れまで強くなってる!」


レインは魔導書を開いた。


「《水流弾》!」


青い水弾が次々と放たれる。


しかし、黒い炎に触れた瞬間、水が蒸発してしまう。


「効かない……!」


「闇の炎が水魔法を弱めてる。」


魔導書には新たな文字が浮かんだ。


『通常魔法では浄化不可』


レインは歯を食いしばる。


「また浄化……。」


黒翼教団の闇は、普通の攻撃では消せない。



一方、リリアはフェンリクと激しく斬り結んでいた。


鋭い剣撃。


素早い回避。


しかし相手の力は圧倒的だった。


ガキィン!!


前足の一撃で剣ごと弾き飛ばされる。


「ぐっ!」


岩へ叩きつけられる。


「リリア!」


クロードが援護に飛び込む。


短剣をフェンリクの脚へ突き立てる。


しかし黒い炎が逆流し、クロードの腕を焼いた。


「熱っ!」


すぐに距離を取る。


「普通の炎じゃない!」



鉄格子の向こうでは、サラが必死に叫んでいた。


「耳を狙って!」


レインが振り向く。


「耳?」


「フェンリクは耳で熱を感じ取る!」


「そこが弱点!」


その声を聞いた黒翼教団の魔導士が舌打ちした。


「余計なことを。」


魔導士はサラへ魔法を放とうとする。


その瞬間。


「させるか!」


クロードが短剣を投げた。


短剣は魔導士の杖を弾き飛ばす。


「チッ……。」


男は後ろへ下がった。



レインはフェンリクを見据える。


耳。


あそこが唯一の隙。


「リリア!」


「任せて!」


二人はすぐに作戦を理解した。


リリアが正面から突っ込む。


フェンリクは大きく口を開き、黒炎を吐く。


「《水壁》!」


レインが炎を防ぐ。


視界が蒸気で真っ白になった。


「今!」


クロードが岩を蹴って高く跳ぶ。


フェンリクの頭上。


「届けぇぇ!」


短剣が右耳を切り裂く。


ガァァァッ!!


フェンリクが苦しそうに暴れ始めた。


「効いてる!」


その隙を逃さず、リリアが全力で跳躍する。


「はあああぁぁっ!!」


剣が左耳を正確に斬り裂いた。


両耳を失ったフェンリクは平衡感覚を失い、大きく体勢を崩す。


「レイン!」


「今だ!」


レインは魔導書と海神の宝珠へ魔力を集中させた。


青い魔法陣が足元いっぱいに広がる。


「《蒼海の浄化》!」


巨大な水柱がフェンリクを包み込む。


黒い炎が激しく抵抗する。


だが青い光は少しずつ闇を飲み込み、黒炎を浄化していく。


「ガァァァァ……。」


苦しそうな咆哮。


そして――。


パリン。


黒い炎が砕け散った。


フェンリクの身体を包んでいた闇が消えていく。


炎は鮮やかな赤色へ戻り、その瞳も黄金色へと変わった。


巨大な狼は静かにレインたちを見つめる。


敵意はもうなかった。


ゆっくりと頭を下げる。


「助けて……くれたのか。」


低く穏やかな声だった。


「喋った!?」


クロードが驚く。


フェンリクは静かに頷く。


「黒翼教団に心を支配されていた。」


「長い間……抗い続けていた。」


レインは小さく笑った。


「間に合ってよかった。」


しかし、その瞬間だった。


洞窟の奥から拍手が聞こえる。


パチ、パチ、パチ――。


黒翼教団の男が笑みを浮かべていた。


「見事だ、継承者。」


「だが、それも計画のうち。」


男はゆっくりと後ろの巨大な扉へ手をかざす。


ゴゴゴゴ……。


封印の扉が音を立てて開き始める。


扉の奥から溶岩の光が漏れ出し、空気がさらに熱くなる。


「まさか……。」


サラの表情が青ざめる。


男は不気味に笑った。


「ありがとう。」


「お前たちのおかげで、最後の封印が解けた。」


溶岩の奥から、ゆっくりと巨大な影が立ち上がる。


燃え盛る炎。


真紅の瞳。


四使徒の一人――炎の使徒イグニスが、ついに目を覚ました。


第46話 炎の使徒イグニス へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ