表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/68

第44話 炎獣の巣

グルルルル……。


炎をまとった狼たちが低く唸る。


赤く燃える瞳が、レインたちを獲物として見据えていた。


洞窟の中は異常な熱気に包まれている。


岩肌は赤く光り、地面の亀裂からは熱風が吹き上がっていた。


「暑いなんてもんじゃないな……。」


クロードが汗を拭う。


「長引けば不利になる。」


リリアは剣を構え直した。


「一気に突破する。」


その瞬間だった。


「来る!」


先頭のフレイムウルフが大きく跳び上がる。


鋭い牙を剥き、一直線にレインへ飛びかかった。


「《水壁》!」


海神の宝珠が青く輝く。


目の前に水の壁が現れ、炎狼を受け止めた。


ジュウゥッ!


水蒸気が一気に立ち上る。


「効いてる!」


レインは続けて魔法を放つ。


「《水槍》!」


三本の水槍が飛び、二体のフレイムウルフを吹き飛ばした。


しかし、倒れた魔物はすぐに立ち上がる。


「思ったより頑丈だ!」


クロードが短剣を構え、横から飛び込む。


「だったら急所だ!」


首元を狙った一撃。


一体が倒れる。


だが、その背後から別の炎狼が迫っていた。


「クロード!」


リリアが駆け込み、剣で炎狼を斬り払う。


「後ろが甘い!」


「助かった!」


二人は背中合わせになり、群れを迎え撃つ。



レインは周囲を見回した。


数が多すぎる。


このままでは体力が持たない。


その時だった。


洞窟の奥から大きな咆哮が響く。


ガオオオオォォッ!!


フレイムウルフたちの動きが止まる。


一斉に奥へ道を開けた。


「なんだ……?」


暗闇から現れたのは、通常種の倍以上はある巨大な狼だった。


全身を黒い炎が覆い、額には赤い角が一本生えている。


黄金色の瞳が三人を睨みつけた。


魔導書が激しく震える。


ページに文字が浮かぶ。


『炎狼王フェンリク』


「王……!」


レインが息をのむ。


フェンリクはゆっくりと前へ出る。


一歩踏み出すたびに地面が熱を帯び、岩が赤く染まっていく。


「こいつが群れのボスか。」


リリアが剣を握り直した。


クロードは苦笑する。


「最近、ボス戦ばっかりだな。」


「笑ってる場合じゃない。」


しかし、その表情には恐怖よりも覚悟があった。



フェンリクが大きく息を吸う。


「ブレスだ!」


サラから聞いていた魔物の知識を思い出す。


レインは叫んだ。


「伏せて!」


次の瞬間。


黒い炎が一直線に吐き出された。


轟音とともに洞窟を焼き尽くす。


「《水流壁》!」


レインは全力で水の壁を展開する。


激しい蒸気が辺りを包み込む。


水の壁は徐々に押し込まれていく。


「くっ……!」


腕が震える。


海神の宝珠が強く光り、水の壁を必死に維持していた。


その隙にリリアが走る。


「今だ!」


炎を避けながら一気に距離を詰める。


フェンリクが前足を振り下ろす。


ガキィン!


剣で受け止めるが、衝撃で吹き飛ばされた。


「リリア!」


クロードが駆け寄る。


「平気!」


口元から血を流しながらも立ち上がる。


「まだ戦える!」



その時だった。


洞窟の奥から、小さな金属音が聞こえた。


カラン……。


レインは一瞬だけ視線を向ける。


そこには鉄格子。


そして、その向こうで誰かが必死に鎖を叩いていた。


「レイン!」


聞き覚えのある声。


「サラ!」


彼女は無事だった。


しかし、その背後には黒翼教団の魔導士たちが立っている。


「見つかったか。」


ローブの男が静かに笑う。


「だが、ここを越えられるかな?」


男が指を鳴らす。


パチン。


その瞬間、フェンリクの全身を黒い炎が包み込んだ。


魔力が一気に膨れ上がる。


魔導書には、新たな文字が浮かんだ。


『闇の加護を確認』


レインは魔導書を強く握る。


「黒翼教団が……魔物を強化してる。」


フェンリクは咆哮を上げ、黒い炎をまとったまま三人へ突進した。


これまでで最も激しい戦いが始まろうとしていた。


第45話 黒炎の狼王 へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ