表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/68

第37話 深海神殿

海底へ続く石階段は、どこまでも続いていた。


頭上を見上げると、青い海が結界越しに揺れている。


巨大な魚の群れが泳ぎ、時折、光を反射して幻想的な景色を作り出していた。


「不思議な場所だな。」


クロードが思わず足を止める。


「海の中を歩いてるなんて信じられない。」


リリアも周囲を見回した。


「結界がなかったら、とっくに溺れてるな。」


レインは右腕の《天空の腕輪》を見る。


腕輪は淡い青色に輝き続けていた。


「この腕輪が結界と共鳴してるみたいだ。」


「だから普通に呼吸できるのか。」


三人は再び歩き始めた。



しばらくすると、階段の先に巨大な建物が姿を現す。


海底神殿。


白い石で造られた神殿は、海藻や珊瑚に覆われながらも、その美しさを失っていなかった。


大きな柱には魚や波を模した彫刻が刻まれ、入口には古代文字が並んでいる。


「天空神殿とは雰囲気が違うな。」


クロードが呟く。


レインが扉へ近づくと、《始原の魔導書》が反応した。


ギギギ……。


重い音とともに、巨大な扉がゆっくり開く。


冷たい空気が流れ出した。



神殿の中は静まり返っていた。


床には浅く水が張られ、歩くたびに小さな波紋が広がる。


天井には青く光る鉱石が埋め込まれ、昼間のように明るい。


「誰かいる気配は?」


リリアが小声で尋ねる。


レインは目を閉じる。


天空の腕輪に意識を集中させる。


「……奥から魔力を感じる。」


「一つだけじゃない。」


「何個ある?」


クロードが聞く。


「少なくとも三つ。」


その言葉に三人の表情が引き締まる。



神殿を進んでいくと、大きな広間へ出た。


そこには三体の石像が並んでいた。


剣を持つ戦士。


槍を構えた騎士。


そして杖を持つ魔導士。


どれも人間より一回り大きい。


「像か。」


クロードが近づこうとした瞬間だった。


カッ——。


三体の石像の目が赤く光る。


「まずい!」


リリアが叫ぶ。


石像がゆっくり動き始めた。


ゴゴゴ……。


石の擦れる音が神殿に響く。


「侵入者。」


魔導士の石像が口を開く。


「排除。」


「喋った!?」


クロードが慌てて後ろへ飛ぶ。


戦士の石像は巨大な剣を振り上げ、一気に距離を詰めてきた。


「速い!」


レインは魔導書を開く。


「《風壁》!」


剣が風の壁へ激突する。


衝撃で床がひび割れた。


「普通の石像じゃない!」


リリアは剣を抜き、戦士へ向かって駆ける。


金属同士がぶつかるような音が響く。


しかし相手は石。


斬っても傷が浅い。


「硬い!」


その時、槍の石像が横から突きを放つ。


クロードがリリアを突き飛ばした。


「危ない!」


槍は床へ突き刺さり、大穴を開ける。


「威力まで化け物かよ!」



レインは冷静に石像を観察していた。


「動きが決まってる……。」


三体は連携している。


戦士が前衛。


槍使いが中距離。


魔導士が後方支援。


まるで訓練された冒険者パーティーだ。


「だったら!」


レインは叫ぶ。


「後衛から倒そう!」


リリアはすぐに理解した。


「クロード!」


「任せろ!」


二人は左右へ散る。


レインは正面から魔法を放ち、戦士の注意を引きつける。


その隙にクロードが柱を駆け上がる。


「上なら見えてないだろ!」


柱から飛び降り、魔導士の石像へ短剣を突き立てる。


ガキン!


「硬っ!」


だが、首元の青い宝石だけがわずかにひび割れた。


レインはその光景を見逃さなかった。


「そこだ!」


「首の宝石が核だ!」


リリアは一気に踏み込む。


渾身の一撃。


剣が青い宝石を正確に斬り裂いた。


パリン——。


魔導士の石像は光を失い、その場で崩れ落ちる。


すると残る二体の動きが一瞬止まった。


「やっぱり!」


レインは確信する。


三体は魔力で繋がっている。


一体ずつ確実に倒せば、連携は崩れる。


しかし、その時。


神殿のさらに奥から、今まで以上に強い魔力が溢れ出した。


ズン……。


空気が震える。


三人は同時に振り向いた。


広間の奥にある巨大な扉が、ゆっくりと開き始めていた。


その暗闇の中から、重く低い足音が響く。


ドン……。


ドン……。


「来る。」


レインは静かに魔導書を握り締めた。


海底神殿の本当の守護者が、ついに姿を現そうとしていた。


第38話 深海の守護者 へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ