表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/68

第29話 新たな旅立ち

天空神殿の崩壊から三日後。


レインたちは山岳都市エルミナへ戻ってきていた。


神殿での戦いは町にも伝わり、「雪崩が起きた」「山が光った」など様々な噂になっていたが、真実を知る者はほとんどいない。


宿の食堂で、クロードがパンをかじりながら言った。


「こうやって普通に飯を食えるのが、一番幸せだな。」


「同感。」


リリアも温かいスープを飲みながら頷く。


レインは苦笑した。


「神殿じゃ、そんな余裕なかったもんね。」


三人は久しぶりに肩の力を抜いて笑い合った。



昼過ぎ。


ミレイの研究室を訪れると、彼女は無事な三人を見て安心したように息をついた。


「本当に帰ってきたんですね。」


「正直、半分くらい諦めていました。」


「ひどいな。」


クロードが笑うと、ミレイも少し照れたように笑った。


レインは《天空の腕輪》を見せる。


「遺産は手に入りました。」


ミレイは驚きながらも静かに頷いた。


「伝説が本当だったなんて……。」


その後、レインは天空神殿で起きた出来事をすべて話した。


セレスのこと。


ヴァルグのこと。


そして黒翼教団と共闘したことも。


話を聞き終えたミレイの表情は真剣だった。


「四使徒……。」


「もし本当にあと三人いるなら、状況は思った以上に深刻ですね。」


レインも頷く。


「だから急がないと。」



翌日。


三人は王都へ戻ることにした。


街の入口ではミレイが見送りに来ていた。


「また調査で分かったことがあれば、研究院へ連絡します。」


「お願いします。」


レインは頭を下げる。


「皆さんも気を付けて。」


「ありがとうございます。」


別れを告げ、三人は再び街道を歩き始めた。


雪景色は少しずつ遠ざかり、緑が増えていく。


「そういえば。」


クロードが思い出したように口を開く。


「次の遺跡って決まってるのか?」


レインは首を横に振る。


「まだ分からない。」


「王都に戻ってから調べることになってる。」


「少し休めそうだな。」


クロードは大きく伸びをした。


リリアは笑いながら言う。


「お前は休むことしか考えてないな。」


「大事だろ?」


そんな他愛ない会話が続く。


少し前まで一人で旅をしていたレインは、その時間が心地よかった。



夕方。


街道沿いの草原で休憩していると、《始原の魔導書》が突然光り始めた。


「また?」


レインが取り出すと、ページが勝手に開く。


今まで白紙だったページに、新しい地図が浮かび上がった。


そこには王国のさらに東。


海に囲まれた島が描かれている。


「島……?」


リリアが覗き込む。


クロードも地図を見る。


「王国にこんな場所あったか?」


その時、地図の端に文字が浮かび上がる。


『第三の遺跡 海底神殿』


レインは息をのんだ。


「海底……。」


今度の目的地は山ではない。


海の底に眠る遺跡だった。


「また大変そうだな。」


クロードは苦笑する。


「泳ぐのは得意か?」


リリアがレインに聞く。


「普通くらい。」


「俺はあんまり得意じゃない。」


クロードが肩を落とすと、リリアが笑った。


「今から練習するか?」


「勘弁してくれ。」


三人の笑い声が夕暮れの街道に響く。


だが、その少し離れた丘の上。


黒いローブをまとった一人の人物が、静かに三人を見つめていた。


その人物は小さな水晶を取り出す。


「ゼノス様。」


低い声で報告する。


「継承者が第三の遺跡へ向かいます。」


水晶の向こうから聞こえたのはゼノスの声だった。


「監視を続けろ。」


「ただし、今回は手を出すな。」


「彼らより先に準備を進める。」


通信が切れる。


ローブの人物は静かに姿を消した。


レインたちは、その視線に気付くことなく歩き続ける。


新たな遺跡。


新たな冒険。


そして、まだ見ぬ仲間との出会いへ向かって。


第30話 王都への帰還 へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ