↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑用係、実は最強の古代魔法使いでした  作者: ラーラーリールー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/68

第19話 天空神殿への旅路

王都襲撃から五日後。


壊れた街並みは少しずつ修復され、普段の活気を取り戻し始めていた。


しかし、研究院だけは慌ただしいままだった。


黒翼教団。


七つの遺跡。


魔王復活の可能性。


どれも王国にとって見過ごせない問題だった。



研究院の会議室。


レイン、リリア、ノア、そして院長エルドが円卓を囲んでいた。


机の上には王国東部の地図が広げられている。


「第二の遺跡、《天空神殿》。」


エルドが地図の一点を指差した。


そこは王国最東端にある「ラグナ山脈」の奥深く。


一年中雪に覆われ、人がほとんど立ち入らない場所だった。


「古代文明の神殿が眠っていると伝えられています。」


ノアが説明を続ける。


「ただし、実際に到達した記録はありません。」


「どうしてですか?」


レインが尋ねる。


「神殿へ続く道が見つからないからです。」


ノアは苦笑した。


「山脈には強力な魔物も多く、途中で引き返した冒険者ばかりでした。」


リリアは地図を眺めながら口を開く。


「つまり、道を探すところから始めるのか。」


「その通りです。」


「黒翼教団より先に到着する必要があります。」


部屋に静かな緊張が流れた。



会議が終わると、レインは研究院の中庭を歩いていた。


出発は明日の朝。


必要な装備はすでに揃えてある。


あとは気持ちを整理するだけだった。


「ここにいたか。」


振り返ると、ノアだった。


「少し話をしてもいいですか。」


「もちろん。」


二人は庭のベンチに腰を下ろす。


「正直に言います。」


ノアは少し考えてから話し始めた。


「最初、私はあなたを疑っていました。」


レインは苦笑する。


「そうでしょうね。」


「突然、未知の魔力を持つ少年が現れたんですから。」


ノアも少し笑った。


「ですが、王都での戦いを見て考えが変わりました。」


「あなたは力を振りかざす人ではない。」


「守るために使う人です。」


その言葉にレインは少し照れくさくなる。


「そんな立派なものじゃありません。」


「目の前の人を助けたいだけです。」


ノアは立ち上がる。


「それが一番大切なんですよ。」


そう言って、一枚の封筒を差し出した。


「これは?」


「紹介状です。」


「山脈の入口にあるエルミナには研究院の協力者がいます。」


「困ったことがあれば、その人を頼ってください。」


レインは丁寧に受け取った。


「ありがとうございます。」



翌朝。


王都東門。


荷馬車や旅人が行き交う中、レインとリリアは旅支度を終えていた。


エルドとノアも見送りに来ている。


「無理はしないように。」


エルドが穏やかに言う。


「遺跡は逃げません。」


「焦る必要はありませんよ。」


「はい。」


レインは頭を下げた。


ノアも静かに微笑む。


「ですが、黒翼教団より早く着いてください。」


「そこは期待しています。」


「努力します。」


その時だった。


「おーい!」


聞き覚えのある声が響く。


振り向くと、一人の青年が大きく手を振りながら走ってきた。


赤茶色の短髪。


軽装の革鎧。


腰には二本の短剣。


年齢は二十歳くらいだ。


「間に合った!」


息を切らしながら笑う青年に、ノアが驚く。


「君は……。」


「ギルドから来ました!」


青年は胸を張った。


「Bランク冒険者、クロードです!」


レインとリリアは顔を見合わせる。


「えっと……。」


クロードは笑顔のまま続けた。


「院長から話を聞きました。」


「天空神殿の調査、俺も同行します!」


リリアが小声でレインに囁く。


「ずいぶん元気なやつだな。」


「そうだね。」


レインも思わず笑ってしまう。


クロードは人懐っこく手を差し出した。


「これからよろしく!」


レインもその手を握る。


「よろしく。」


こうして三人目の仲間が加わった。


人見知りだったレインの旅は、少しずつ賑やかになっていく。


そして三人は王都を後にした。


誰も知らない天空神殿を目指して。


その旅路の先には、新たな試練と、新たな出会いが待ち受けていた。


第20話 山岳都市エルミナ へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。