新兵器導入と騎士団の拡充
新型兵器が続々完成する。
まず、新型3号大砲と3号甲砲弾。これは口径100mmのライフル砲であり、砲弾の直進性能と射程向上を図った。
また移動用台車と砦設置用の台座も開発した。
砲弾は信管付きの紡錘形をしたものであり、現代のものと見た目だけは引けを取らない。
ライフリングは弾の摩擦が増えるため、初速は落ちるはずだが直進性が増すため、命中精度は上がるはずだ。
古くからあった技術だが、この大陸には銃砲が存在しないので、うちの技術者以外にとっては理解不能なものだろう。
ライフル機構もそうだが、信管や雷管を製造できる技術こそが、凄さの秘訣である。
次にお披露目するのは新型の3号ライフル銃。
こちらもライフリングを備えたオーパーツであり、5発装填可能なマガジンと手動レバー式の排莢・装填システムを備えるかなり卑怯な兵器である。
これにより、弓とは比べものにならないほどの速射が可能である。
もちろん、三段撃ちなど必要無い。
今後の課題は軽量化である。屈強な騎士なら充分に扱えるが、重いと銃剣を装備する意味合いが薄れる。
さらに、ダイナマイトと小型地雷、投擲式煙幕もお目見えした。
ちなみに、ダイナマイトがあるので手榴弾は開発していない。
これに、大砲を装備した軍艦を作ろうとしている訳だが、従来型兵器の改良も行っている。
一つは連装式バリスタで、多数の矢が並んだマガジンから一斉発射するもので、弦は細いワイヤーを機械式で引くかなり大がかりなものを作った。
そして最後は防弾チョッキ。
砲兵や銃兵、またゲリラ戦用に作った軽量のもので、兵力に劣る当騎士団の新たな防具である。
今は小さな樫の木のブロックをタイル状に縫い付けた物だが、将来はセラミック辺りを使いたい。
「いやあ、坊ちゃんがまさかここまで、騎士団のためにいろいろ手を尽くしてくれるとは思っておりませんでしたぞ。」
「騎士団が弱いと色んな所からちょっかいを出される。豊かになるためには、それを守る努力もしないといけないし、騎士団こそ、その要だからね。」
「さすが、よく分かっておられる。団員も一気に800名になったし、これを鍛え上げたら周辺に敵なしですなあ。まあ、敵はおりませんが。」
「油断は禁物です。ゴホーク殿にお任せしておけば、安心ですが。」
「ガッハッハ!そこは任してくだされ!毎日血反吐を吐かせてやりますわい。」
「そ、そうだね、ほどほどにお願いします。」
「しかし、あの地雷という兵器、とことん嫌らしいですな」
まあ、現代では禁止されるくらい非人道的だからね。
しかし、戦力に劣る側がそれを覆すためには多少、卑怯な手段でも仕方ないと考えている。
「あの銃はどんな弓兵よりも早い攻撃が可能ですな。もう、弓は必要ないですかな。」
「弓兵を将来、どうするかはまだ決めていませんが、雨天や城壁での守備、それに材料の調達や価格の安さなど、まだまだ弓に頼る場面はあると考えています。それと、銃も今はあのような給弾方式ですが、弾をベルト状に並べるともっと多くの弾を連続で発射できますし、機械的に給弾できるようにすれば、1秒間に何発も撃てるようになります。」
「う~ん。ワシが必要で無くなる日も近いかも知れませんなあ。」
「いや、何事も最後は人です。ゴホーク殿のいない騎士団なんて考えられませんよ。」
「そう言ってもらえると、かたじけない・・・」
軍にはムードメーカーが必要なんですから。




