みんな、領地の発展を実感する
帝国歴246年8月
ついに大型船が就役した。
これから新たな乗組員とともに実習航海を行った後に、南大陸航路にデビューする。
また、評議会が先月、第1回議会を開いた。
まだ顔合わせ程度で議論も様子見といった感じだったが、彼らの領民ニーズ把握能力に期待している。
さらに戸籍の整理と住民課税台帳の作成が始まった。
市役所大忙しである。
ロスリー大祭も無事開催され、いつも以上の賑わいを見せた。
やはり市民に元気があるとこういう所に違いが出てくる。
花火開発と軍楽隊、孤児による歌の発表会は間に合わなかったが、いつか祭りを飾る演目にしたい。
農業試験場も小麦の収穫を終え、優良なものを選抜した。これを早速秋に植える。
また、収穫物の検査という名の試食も行っている。
養蚕も最初の繭を得ることが出来た。
桑の植樹も行われているし、こちらも協力農家を増やして山間部の主力産業としたい。
そして病院は先頃開業し、学校も制服が出来上がった。
孤児院も来月完成する。
道路や水道、測量も順調に進んでいる。
「こうしてみると変わったなあと思います。」
「ええ、領民に活気がありますし、建物が見る見る新しいものに建て替わっています。」
「まあ、戦争でもあったのか、というくらい瓦礫が発生してるけど。」
「堤防に使うのでしょう?」
「さすがに、ほかに持って行くところが無い。」
「ロスリー市内の工場も建設が始まりました。」
「食品と製紙、それに兵器専業の工場ができると、また賑わうね。つい最近まで鄙びた田舎町だったのに、今や帝国一の工業都市になろうとしている。」
「確かに、産業の規模と多彩さにおいて、ここに並ぶ都市はないでしょうな。」
「人口は少ないけど。」
「それでこの規模なのです。その効率の高さと洗練された町そのものを誇るべきですぞ。」
「確かにそうだね。」
「それに、ロスリーだけでなく、領内全体が発展を始めておりますので、そこから産み出される富は莫大なものとなるでしょう。」
「もうお金の心配は誰もしてないね。」
「むしろ、人材と資材、燃料不足が心配ですな。ちなみに今月の収入は210万ディリです。」
「貯まりはじめた?」
「ええ、初期投資もだいぶ落ち着いておりますからな。」
「今はね。」
「まだ、いろいろやるのでしょう?」
「うん、まだこれでは足りない。でも、もう少し涼しくなってからでいい?」
そう、これが訴えたかった!




