農業の進展
製造業の分野では、飛躍的な進歩が見られるが、領民の大半は農民である。
これを無視する訳にはいかない。
ということで、今日もまた、農業試験場の視察である。
「もうすぐ小麦の収穫でさあ。しかし、何で小麦なんだっぺ、大麦ならもっとたくさんできるっぺ?」
「小麦にはたくさんの使い道がありますからね。大麦もこれまでどおり作りますが、お金はこちらの方がたくさん稼げますよ。何しろ余所ではあまり作っていないんで。」
「そんなモンだべやか。まあ、難しいことはよう分からんけども・・・」
「野菜もそうですが、綺麗な見た目のものが出来たら、種はとっておいてくださいね。」
「おう分かった。言われたとおりにするっぺ。まかせときな。」
「牛はどんな感じかな。」
「おう、もう少ししたら仔牛も産まれて賑やかになるっぺよ。」
「エサをたくさんあげて、良く太らせてね。」
「そりゃ、いつもの倍はやっとるよ。」
「そうじゃそうじゃ。ワシらの何倍も食べとるでな。あれはよう太ると思うべや。」
「それに、ワシらと同じようなもん、食っとるからのう。」
「麦わらもた~んとやっとるべよ。」
「今は麦わらが多いですけど、そのうち豆がたくさん作れるようになったら、そちらに切り替えていって欲しいんです。」
「今でも結構やっとるがのう。」
本当はトウモロコシやコメを与えたい。早く見つけられないかなあ・・・
「ところで坊ちゃま。養蚕や綿花栽培の他にはどのような農産物を増やすおつもりで。」
「領内では養鶏や柑橘栽培も行われているんで、その品質向上が最初に行うことかなあ。ほかにも香料の材料になる花や茶も栽培できれば大きな収入源になるよ。」
「協力してくれる農家を確保しないといけませんな。」
「そうだね。マーブルクはこれといった特産品がないし、直轄領だから融通も利くかなと思ってる。」
「あそこはスーディルにも近いので、新鮮な農産物を売るのに便利な土地です。」
「でも、輸送を含めた立地ではヘワークに劣る。」
「そうですな。それぞれの地域に応じた戦略が必要となって参ります。」
「うん。それに山を活かした果樹、栗とか桃、アーモンドやクルミといったものも栽培奨励してみようかな。」
「今は燃料となる薪の価格が高騰しているので、難しいかも知れませんが。」
「そこも区域を決める、というか目安を決める必要があるか。」
「そうですね。採算による目安は必ずどこかにあるはずですから。」
「後は畜産だね。」
「山は多いですが急斜面なので、放牧地としても採草地としても不向きですからなあ。」
「でも、食べたいんだよ、美味しい牛肉が。」
「まずは試験場での品種改良に期待しましょう。」
「乳牛もね。」
農業は素人なんです・・・




