教師と医師
今日は教員採用内定者との面談、そして学校の案内を行った。
学校はまだ建築工事中ではあるが、おおよその概要は説明できる。
学校長も決まった。
ニーウェイ騎士爵家の当主が息子に家を譲ってまで就任してくれた。
そして、彼には高級学校の校長も兼務してもらう。
教員は取りあえず15名で、騎士爵家出身者や退役した元騎士団員のほか、商家の出身者や職人もいる。
彼らは午前中は領民学校、午後は高級学校の教員を兼務する。
教科書も先日届いた。内容についても各教員に把握させている。
生徒募集も終わり、領民学校は6~8才の97名。高級学校は10才を5名だ。
これは、文字や算術の修得に最終学年を募集しても間に合わないことと、高級学校は領民学校卒業程度の学力を必要とするので、厳選したためである。
実際の子供の数はこんなものではない。下手すれば市内だけで千人近くいそうな勢いである。
とにかく、9月開校の準備はほぼ整った。
帝都で募集した医師もロスリーに到着した。
面接に参加してくれたクリスティアンさんと、彼の紹介で来てくれたローマン・ハイゼさんだ、
クリスティアンさんは幼い頃から医師の元で奉公と修行を重ねた苦労人。
そしてローマンさんは貴族学校の平民枠を卒業し、帝国大学を出たという秀才である。
まあ、こんな俊英でも辺境に活路を見出さざるを得ない、というのが現実なのだろう。
「ご領主様、遅くなり申し訳ありませんでした。」
「どうしても手が離せない患者がおりまして・・・」
「いやあ、来てくれただけでありがたいです。病院はこちらになります。」
「これは・・・立派な・・・」
「帝都でもこれほどの病院は、なかなかありませんよ。」
「これなら、彼らを呼んでも大丈夫そうじゃないか?」
「まだ来てくれそうな方がいるんですか?」
「ええ、知り合いに4人ほど。でも、実際に見てみないとならなかったもので。」
「それは仕方ありません。まず、承知置きいただきたいのは、今後、この規模の病院をもう1カ所、そして小さな診療所を12カ所建設する予定であることです。もう1点は、皆さんに医師として患者の治療に当たっていただくだけではなく、病気の研究を行っていただきたいということです。つまり、医師の数はまだまだ足りませんし、場合によっては、医師や若い研究者の育成もお願いしないといけないと考えております。ですから、お知り合いがおられるなら、躊躇無くお誘いいただきたいのです。」
「研究となると、かなり高度な設備が必要となりますが。」
「ええ、必ず準備します。お金も大丈夫です。それと、研究用の新たな機材も開発しておりますので、それらの習熟もお願いしたいです。途轍もなく忙しくなって恐縮ですけど、成功はお約束します。」
「あの、これは夢か何かでしょうか?」
それは私も知りたい・・・




