怒濤の強行軍
せっかくの帝都であるが、休む暇など全くない。
まず、商業ギルドを訪問し、求人状況を確認する。
針子の希望者が3名いたので、面接希望日時を調整してもらった。
続いて隣接する職人ギルドを訪れる。
ここでは何と複数の職人組合が合同で事務所を構えて、ハローワークみたいなことをやってる。
ちなみに、ロスリーには商工会はあるがギルドやその支部は無い。
ついこないだ砕石・鉱業の組合ができた程度だ。
これは純粋に産業基盤の脆弱さが理由だ。
ここで、楽器職人を紹介してもらっており、2人の問い合わせがあったようだが、うち1名は木工専門だった。
バイオリンかギターなのだろう。
ということでこちらは1名。
次に訪れたのは医師ギルド。
医者のインターン募集であるが、意外なことに1名いた。
早速面接予定を組む。これは、一番期待してなかっただけにうれしい。
そして、今回の帝都訪問は私の仕事だけではない。
会長の不動産選びにも同行した。
どこに、どの規模の店を構えるか、ということはこちらも把握しておいた方が良い。
「いやあ、大収穫でしたなあ。」
「さすがに疲れましたが、とても有意義でした。」
「明日はアインツホーフェン子爵家ですか?」
「まあ、取りあえずアポ取りだけですけど。」
「では、夕食といきますか。」
ということで、そこそこ高級なレストランに行ったが・・・・
あれ?帝都でもこのレベルなの?
とちょっと首をかしげる料理だった。
ジョセフ、いけんじゃね?
次の日には医師の面談を行った。
「しかし、こんな辺境の募集に応じていただきまして、ありがとうございます。」
「いえ、こちらこそ。しかも伯爵家次期当主様直々とは・・・恐縮です。」
「しかし、よろしいんでしょうか。本当に辺境の田舎町なのですが。」
「いえ、私は平民出身で、その、帝都で医院を開くお金もツテもありませんし、何より同業者のしがらみが酷いんです。それでも上流階級出身ならまだいいんですけど、私のような者は嫌がらせも結構、ございまして。」
あ~ そっち系ね。
「なるほど、分かりました。こちらとしては是非お願いしたいと思います。そちらの準備ができ次第、こちらはいつでも大丈夫です。」
「あの、採用は私一人なんでしょうか?」
「と、いいますと?」
「知り合いに同じような境遇の者がおります。もし、まだ採用枠があるようでしたら、誘ってみたいのですが。」
「是非!是非お願いします!」
あれ?意外にイケる?




