仲良し作戦
最近の屋敷は何かがみなぎっている。
とにかくみんなの動きが以前と違う。
いや、給料が上がった効果だとは思うが・・・
そんな中、気圧されている子が約1名。
「元気ないね。なにかあった?」
裏口で座り込む少女に話しかける。
「失敗、するのです。お・・・しかりを受けました。」
怒られたんだね。
「失敗くらい誰でもするよ。マリアさんかい?あんまりキツく言わないように言っとくよ。」
「い、いえ・・・悪い、私のせいです、ので。心配かけて申し、えっと・・・」
「いい、いいよ、良く分かるから。」
真面目な子なんだなあと思う。
「じゃあ、これでも食べて元気だして。」
ポケットからキャンディを一つ。
「こ、あ、いえ、その、これは貰う・・・ことは申し・・・ないです。」
訳が出て来ないのね。
「いいのいいの、元気が無いときは甘い物が一番。それとこれあげる。」
「お金?」
彼女は見習いなので、まだ給金は出していない。
「これは10ディリ大銅貨っていうの。これがあればあめ玉がたくさん買える。お小遣いみたいなもんだよ。こんなのいくらでもあるから遠慮しなくていいよ。」
「おかね・・・はじめて」
大銅貨といっても500円玉くらいの大きさだが、それを持つ彼女の手の小ささが際立つ。
彼女の目から涙が・・・
気まずい・・・
「働いているんだから、このくらいいいんだよ。」
「おいしいもの食べさせていただいて、あったかいおふとん、きれいなおようふく、いっぱい、たくさん、ありがとう・・・」
「まあ、今まで大変だった分、これからは・・・ねえ・・・」
何かもう、言葉が出ない。
「エラにも食べさせてあげたい。」
「ああ、良くしてくれた人ね。どんな人だったの?」
「やさしい、オルガさんみたい、いつも食べさせてくれて、頭・・・なでてくれて。」
「そうか・・・また会えるよ。」
頭を軽く撫でてあげると俯いてジッとしている。
オルガさんに頭なでるよう言っとこ。
「さて、そろそろ夕食だから中に入ろう。」
早く屋敷に慣れてくれるといいな。




