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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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エルハバード、調理場に籠もる

 今日は調理場にいる。

 今までは貴族とは名ばかりの極貧生活の中で食事も庶民、いや、それ以下の内容であったが、最近は改善しつつある。


「ジョセフ、今日は新しい調味料やメニューを考案したんで聞いて欲しいんだけど。」

「何と!面白そうですね。ヤン、お前も来なさい。」

「はい。私たちも坊ちゃんの悪だくみに参加できるのですか?」

「うん。二人とも覚悟はいいかい?」

「坊ちゃんのやることでしたら、どこまでもお付き合いします。」


 二人は料理長のジョセフと副料理長のヤン。

 といっても屋敷の料理人はこの二人しかいない。

 どちらも口数は少なく物静かであるが、あんな材料で何とか食事を作ってみせるだけあって腕は確かだ。


「早速なんだけど、最近うちも少しだけ贅沢できるようになってきたんで、卵とか牛乳が使えるようになってきた。野菜だってお店からクズを貰って来なくてもよくなった。肉だって・・・」

 何か知らんけど涙が出てきた。本当に貴族か?


「まあ、そういうことで差し当たって、調味料やソースといったものを新しく開発して食卓を更に彩りたい。まず最初に作りたいのはマヨネーズ、タルタルソース、、生クリームとホイップクリーム、チーズクリーム、ウスターソースだ。材料と作り方はここに書いてみた。」

「なるほど。これを作ってみれば良いのですね。」


「これは聞いたこともないソースですね。」

「うん。今まではやりたくても無理だったけど、材料を揃えられそうなので、味は保証するよ。」

 本当はトマトケチャップも作りたいが、どこの大陸にあるんだろう、トマト。


「このマヨネーズとタルタルソースは材料さえあればすぐ作れますね。」

「この生クリームも簡単ですよ。」

「このウスターソースのウスターは村の名前ですか?」

「いや、たまたま同じ名前であって関係ない。」


「この胡椒、唐辛子が括弧書きになってますが。」

「うん。胡椒は高くて手に入らないし、唐辛子というものはまだ輸入されていないんで、取りあえず括弧書きの材料抜きで作ってみようと思って・・・」

「どれも簡単にできるものなのですね。どんな味か楽しみです。」

「どれも驚くよ。これができたらすぐ第二弾を発表するからね。」


 悪だくみの輪が拡がる。


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