↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
78/85

第78話 古龍との激戦

古龍が空へ舞い上がった。


 巨大な翼が大きく羽ばたく。


 次の瞬間――


 100階層全体を揺らすほどの強風が吹き荒れた。


 蓮は身体強化を使い、地面を蹴った。


 直後、先ほどまで立っていた場所を、巨大な爪が通り過ぎる。


 地面が大きく抉れた。


 古龍はそのまま上空へ舞い上がる。


 巨体からは想像できないほどの動きだった。


 だが――


 蓮には、その動きが捉えられていた。


「……速度は、俺の方が上か」


 蓮は古龍の動きを見ながら、距離を取る。


 古龍が空中で身体の向きを変えた。


 そのまま、蓮へ向かって急降下してくる。


 蓮も地面を蹴った。


 古龍の爪と魔剣が正面からぶつかる。


 ――轟音。


「……っ!」


 凄まじい衝撃が腕を突き抜ける。


 蓮の身体が後方へ弾き飛ばされた。


 地面を何度も滑り、ようやく止まる。


 蓮はすぐに立ち上がった。


「……重いな」


 腕に残る痺れを確認する。


 速度では自分が上。


 だが、力は違う。


 正面から力をぶつければ、古龍の方が圧倒的に強い。


「……なるほど」


 蓮は魔剣を握り直した。


 古龍が再び翼を広げる。


 その口元に、強烈な魔力が集まった。


「……!」


 蓮はすぐに横へ走る。


 次の瞬間――


 巨大な火が吐き出された。


 火の奔流が地面を焼きながら迫ってくる。


 蓮はその速度を活かして火の範囲から逃れる。


 それでも、熱風だけで身体が煽られる。


「……《ブレス》か」


 鑑定で確認していたスキル。


 その威力は、想像していた以上だった。


 蓮は振り返る。


 火が通った場所は、地面そのものが赤く焼けていた。


「まともに受けたら危ないな」


 古龍が再び動く。


 蓮へ向かって突進してくる。


 蓮は魔剣を構えた。


 古龍の爪が振り下ろされる。


 蓮は紙一重で横へ避けた。


 爪が地面を砕く。


 そのまま蓮は古龍の懐へ入り込んだ。


 魔剣へ魔力を流す。


 刀身に火が纏う。


「……ここだ!」


 蓮は魔剣を振り上げた。


 ――ガキィン!


 刃が古龍の鱗を捉えた。


 硬い。


 だが――


 鱗が数枚、弾け飛んだ。


「……斬れる」


 古龍が身体を捻る。


 蓮はすぐに後ろへ跳んだ。


 巨大な尾が、目の前を通り過ぎる。


 蓮は着地すると同時に魔力の性質を変えた。


 刀身を包んでいた火が消える。


 今度は水の魔力が刃を覆う。


 古龍へ向かって踏み込む。


 横薙ぎの一閃。


 水の魔力を纏った刃が、鱗を滑るように斬り裂く。


 古龍が爪を振り下ろす。


 蓮は身体を捻って避けた。


 そのまま距離を詰める。


 水の魔力を風へ変える。


 刀身を包んでいた水が消え、鋭い風が刃の周囲へ集まった。


「……これなら!」


 蓮は風を纏った魔剣を振り抜く。


 ――ズバッ!


 古龍の鱗が深く切り裂かれた。


 黒い鱗が地面へ落ちる。


「……この使い方なら、いける」


 蓮は魔剣を構え直す。


 属性を一つずつ切り替えながら、その時の状況に合わせて攻撃する。


 火で攻める。


 水で動きを変える。


 風で斬撃の威力を高める。


 魔剣の力を使うことで、蓮の戦い方はさらに広がっていった。


 しかし――


 古龍は倒れない。


 傷ついた鱗が、少しずつ修復されていく。


「……《自己再生》か」


 鑑定で確認していた通り、古龍の傷が徐々に塞がっていく。


「……厄介だな」


 蓮は距離を取った。


 攻撃を当てることはできる。


 速度でも負けていない。


 だが――


 古龍の防御は硬く、攻撃力も高い。


 さらに魔力まで、蓮を上回っている。


「……力と防御、それに魔力は向こうが上か」


 蓮は古龍を見つめた。


 これまでなら、速度で翻弄して一気に倒すこともできた。


 だが、目の前の古龍にはそれが通じない。


 攻撃を当てても、決定打にならない。


 長引けば、《自己再生》で傷を回復されてしまう。


「……なら、もっと強くするだけだ」


 蓮は魔剣を握り直した。


 古龍が再び襲いかかってくる。


 蓮はその攻撃を避ける。


 爪。


 尾。


 翼。


 次々と攻撃が襲ってくる。


 蓮は速度を活かして紙一重で避けながら、魔剣を振る。


 火。


 水。


 風。


 その時の状況に合わせて属性を切り替える。


 それでも――


 古龍は倒れない。


 傷を負っても、少しずつ塞がっていく。


「……簡単にはいかないな」


 蓮は一度、大きく距離を取った。


 古龍が蓮を見つめる。


 その身体から、再び大量の魔力が溢れ出した。


「……!」


 今までとは違う。


 魔法を使うときとは、明らかに違う魔力の集まり方だった。


 古龍がゆっくりと息を吸い込む。


 空気が震える。


 周囲の魔力が、一気に古龍へ集まっていく。


「……《竜の咆哮》か」


 鑑定で見たスキル。


 だが、実際に使われるのは初めてだった。


 蓮は魔剣を構える。


 古龍が大きく口を開く。


 次の瞬間――


「――グォォォォォォォッ!!」


 凄まじい咆哮が、100階層全体を震わせた。


 音そのものが、巨大な衝撃となって蓮へ襲いかかる。


「……っ!」


 蓮は魔剣を構え、身体強化へ魔力を集中させる。


 だが――


 衝撃は、それだけではなかった。


 地面が砕ける。


 空気が震える。


 身体の奥まで響くような圧力が襲いかかる。


「……これが……《竜の咆哮》……!」


 蓮の身体が、後方へ吹き飛ばされた。


 そして――


 古龍は再び、蓮へ向かって動き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。