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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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第77話 古龍

蓮は、巨大な扉へ手を伸ばした。


 重い扉を押す。


 ゆっくりと開いていく。


 その先には――


 広大な空間が広がっていた。


 天井は見えないほど高い。


 壁も床も、これまでの階層とは比べものにならないほど広い。


「……」


 蓮は一歩、足を踏み入れた。


 その瞬間だった。


 空気が震えた。


 圧倒的な魔力が、空間全体を満たしている。


「……この魔力」


 蓮は足を止めた。


 これまで戦ってきた魔物とは、明らかに違う。


 そして――


 空間の奥で、巨大な影が動いた。


 ゆっくりと身体を起こす。


 巨大な四肢。


 全身を覆う、黒く硬い鱗。


 頭部から伸びる二本の角。


 背中には巨大な翼が広がっている。


 長い尾が地面を擦る。


 その身体は、これまで見てきたどの魔物よりも巨大だった。


 全身には、長い年月を生きてきたことを感じさせる傷跡が刻まれている。


 そして――


 赤い瞳が、蓮を捉えた。


「……なんだ、あれは」


 蓮は目の前の魔物を見つめた。


 ただそこにいるだけで、圧倒的な存在感を放っている。


 巨大な魔物が、ゆっくりと口を開く。


 その奥から、強烈な魔力が漏れ出してくる。


 蓮は剣へ手をかけた。


「……鑑定」


 表示が現れる。


『名称:古龍』


『種族:ドラゴン』


『レベル:600』


『HP:350,000/350,000』


『MP:300,000/300,000』


『筋力:300,000』


『防御:350,000』


『敏捷:190,000』


『魔力:280,000』


『スキル』


『《龍鱗》Lv.10』


『《飛行》Lv.10』


『《身体強化》Lv.10』


『《魔力操作》Lv.10』


『《火魔法》Lv.10』


『《風魔法》Lv.10』


『《雷魔法》Lv.10』


『《自己再生》Lv.10』


『《竜の咆哮》Lv.10』


『《龍の威圧》Lv.10』


『《ブレス》Lv.10』


「……!」


 蓮は表示されたステータスを見て、目を見開いた。


「……俺より、高い」


 ここ最近の戦いでは、ここまで自分より高いステータスを持つ相手はいなかった。


 強い魔物と戦うことはあっても、いつも最後には自分の力が上回っていた。


 それが――


 目の前にいる古龍は違う。


 HP。


 MP。


 筋力。


 防御。


 魔力。


 どれも蓮を上回っている。


「……こんな相手がいるのか」


 蓮は古龍を見つめた。


 久しぶりに、自分より強い相手を前にした。


「……久しぶりだな」


 蓮の口元が、わずかに上がった。


 古龍が翼を広げる。


 巨大な翼が、100階層の空間を覆う。


 その身体から、さらに強い魔力が放たれた。


 蓮は剣を抜く。


 魔剣の刀身が静かに輝く。


「……来い」


 古龍が咆哮した。


 轟音が100階層全体を揺らす。


 凄まじい圧力が蓮へ襲いかかる。


 それでも――


 蓮は動かなかった。


 剣を構え、古龍を見据える。


 そして――


 古龍が、空へ舞い上がった。

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