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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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第58話「6~9階層」

 6階層へ下りた蓮は、そのまま足を止めることなく進んだ。


 4階層、5階層と進んできたことで、魔力を使った戦いにも慣れてきている。


 6階層の魔物は、これまでより明らかに強かった。


 それでも――


 蓮は倒していった。


 身体強化で身体能力を高める。


 魔力操作で必要な場所へ魔力を集中させる。


 そして、魔力を纏わせた槍で魔物を仕留める。


 戦う。


 倒す。


 進む。


 その繰り返しだった。


 戦闘を重ねるたびに、蓮の動きは洗練されていった。


 魔力の流れを読む。


 必要な場所へ集中させる。


 槍へ流す。


 無駄な動きが少しずつ消えていく。


 そして――


 6階層を突破した。


 7階層。


 魔物はさらに強くなった。


 だが、蓮も強くなっていた。


 以前なら苦戦していたような攻撃も、今では余裕を持ってかわす。


 身体強化の使い方も上達していく。


 魔力操作も、戦闘中にほとんど意識する必要がなくなってきた。


 槍に纏わせる魔力も安定していく。


 蓮は淡々と魔物を倒し、先へ進んだ。


 8階層。


 さらに強い魔物が現れる。


 戦いは激しくなった。


 だが――


「……まだいける」


 蓮は槍を握り直す。


 魔力を集中させる。


 身体が軽くなる。


 踏み込む。


 槍が魔物を貫く。


 また一体。


 さらに一体。


 倒した魔物の数は、もう数えきれなくなっていた。


 レベルもいつの間にか上がっていた。


 スキルも少しずつ成長している。


 それでも蓮は、いちいち確認することはなかった。


 戦う。


 進む。


 生き残る。


 それだけだった。


 そして――


 9階層。


 ここまで来ると、魔物の強さは明らかに違っていた。


 最初の頃なら、一体相手にするだけでも苦戦していただろう。


 だが今の蓮にとっては、違う。


 魔物の動きを見て。


 攻撃をかわし。


 魔力を集中させ。


 槍を振る。


 それだけで倒せる。


「……強くなったな」


 蓮自身も、その変化を感じていた。


 ダンジョンへ入ったばかりの頃とは、身体の感覚がまるで違う。


 力も。


 速さも。


 魔力も。


 すべてが少しずつ増えている。


 そして、9階層の探索も終盤に差しかかった頃。


 蓮は足を止めた。


「……」


 目の前に、階段がある。


 下へ続く階段。


 その先から、これまでとは違う気配が漂っていた。


「10階層……」


 蓮は階段を見つめる。


 ここまで来た。


 次が10階層。


 まだ見たことのない深さだ。


 蓮は槍を握り直した。


「行くか」


 そして、階段を下りていく。


 6階層。


 7階層。


 8階層。


 9階層。


 そのすべてを越えて――


 蓮はついに、10階層へ足を踏み入れようとしていた。

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