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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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55/101

第55話「成長」

魔力操作を身につけてから、蓮の戦い方は変わった。


 以前は身体全体へ魔力を流していた。


 今は違う。


 攻撃するときは腕へ。


 踏み込むときは脚へ。


 必要な場所へ、必要なだけ魔力を流す。


「……こっちの方が楽だな」


 魔力の消費も明らかに少ない。


 蓮はそのまま4階層を進んでいった。


 魔物と遭遇する。


 戦う。


 倒す。


 また別の魔物と遭遇する。


 戦いを重ねるたびに、蓮は少しずつ魔力操作に慣れていった。


 最初は一瞬しか維持できなかった部分強化も、今ではある程度続けられる。


 身体強化と組み合わせれば、以前よりも速く動ける。


「これなら……」


 次の魔物が飛びかかってくる。


 蓮は身体を低くする。


 脚へ魔力を集中。


 一気に踏み込んだ。


 魔物の横を抜ける。


 振り向きざまに槍を突き出す。


 魔物が倒れた。


「……だいぶ使えるようになってきた」


 それからも蓮は進み続けた。


 何体もの魔物を倒した。


 戦うたびに動きが洗練されていく。


 そして、しばらく進んだところで蓮は足を止めた。


「そういえば……」


 最近、自分の状態を確認していない。


「鑑定」


 目の前に表示が現れる。


『名前:黒瀬蓮』


『種族:人族』


『レベル:7』


『HP:162/162』


『MP:160/160』


『スキル』


『鑑定 Lv.3』


『生存適応』


『無限成長』


『身体強化 Lv.2』


『魔力操作 Lv.1』


『アイテムボックス Lv.1』


「……もうレベル7か」


 気づかないうちに、かなり上がっていた。


 4階層に入ってから、かなりの数の魔物を倒している。


「HPもMPも増えてるな」


 自分の身体を見つめる。


 以前よりも明らかに力がついている。


 そして、スキルにも変化があった。


「身体強化がLv.2……魔力操作はLv.1か」


 まだ覚えたばかりの魔力操作は、当然まだ使いこなせていない。


 だが、戦いながら少しずつ感覚を掴んでいる。


「もっと使えば、上がっていくのかな」


 蓮は表示を消した。


 そして、手に持った槍を見る。


「これもできるようになりたいな」


 魔力を槍へ流す。


 以前と同じように試してみる。


 今度は――


 ほんの一瞬。


 槍の先に魔力がまとわりついた。


「……!」


 すぐに消える。


 だが、前とは違う。


「できた……」


 ほんのわずかな時間だった。


 それでも確かに、魔力を槍へ流すことができた。


「もう少し練習すれば、使えるかもしれない」


 蓮は槍を握り直した。


 4階層はまだ終わっていない。


 さらに奥へ進めば、もっと強い魔物がいるはずだ。


「行こう」


 蓮は歩き出した。


 新しく手に入れた力を使いながら、さらに深い場所へ進んでいく。


 4階層の探索は、まだ続いていた。

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