↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/84

第54話「魔力操作」

4階層の探索を始めてから、しばらく経った。


 蓮は何体もの魔物と戦っていた。


 ダークハウンド。


 それよりも大きな魔物。


 鋭い牙を持つ魔物。


 それぞれ強さも動きも違う。


 だが、蓮は少しずつ戦い方を変えていた。


「ここだ……!」


 魔物の攻撃をかわす。


 《身体強化》で脚力を高め、一気に距離を詰める。


 槍を突き出す。


 魔物が倒れる。


「……」


 蓮は槍を下ろした。


 以前より、《身体強化》を自然に使えるようになっている。


 最初は魔力を身体に流すだけで精一杯だった。


 今では、必要な瞬間だけ魔力を強く流せる。


 それでも――


「まだ無駄が多い」


 蓮は身体強化を解除した。


 魔力の消費を確認する。


 以前よりは減っている。


 だが、もっと効率よく使える気がする。


「魔力を全部身体に流す必要はないんじゃないか?」


 蓮は自分の腕を見る。


 攻撃するときに必要なのは腕。


 走るなら脚。


 なら――


「必要な場所だけに流せばいい」


 蓮は試してみる。


 右腕へ魔力を集める。


「……」


 魔力が腕へ集まる。


 だが、うまく安定しない。


 少し気を抜くと、魔力が身体全体へ散ってしまう。


「難しいな……」


 何度も試す。


 腕。


 脚。


 また腕。


 うまくいかない。


 それでも蓮は続けた。


 魔力を感じる。


 動かす。


 集中させる。


 繰り返す。


 そのときだった。


 身体の奥から、何かが変わった。


『生存適応が発動しました』


 蓮の動きが止まる。


「……!」


『現在の戦闘・環境への適応を開始します』


『魔力操作への適応を促進します』


 その瞬間。


 今まで曖昧だった魔力の流れが、はっきりと感じ取れるようになった。


「……!」


 身体の中を流れる魔力。


 その位置も、動きも分かる。


 蓮は意識を集中する。


 右腕へ。


 魔力が流れる。


 今度は散らない。


 必要な場所へ、魔力が集まっていく。


『魔力操作への適応が完了しました』


『スキル《魔力操作》を獲得しました』


「……できた」


 蓮は自分の右腕を見つめた。


 もう一度試す。


 右腕。


 左腕。


 脚。


 意識した場所へ、魔力を動かすことができる。


「これが……魔力操作」


 今まで感覚だけで扱っていた魔力。


 それを、自分の意思で動かせる。


 蓮は拳を握った。


「これなら、もっと効率よく戦える」


 《生存適応》。


 今回も、自分が生き残るために必要なものへ適応させてくれた。


 普通なら、もっと長い時間が必要だったのかもしれない。


 だが蓮は、危険な環境の中で必要に迫られるたびに、その力を身につけていく。


「……便利な力だな」


 蓮は小さく呟いた。


 そして、手に持った槍を見る。


「魔力を……槍にも流せるかな」


 槍を握る。


 魔力を腕へ。


 そこから槍へ。


「……」


 ほんの少しだけ魔力が移った。


 だが、すぐに消える。


「まだ無理か」


 蓮は槍を見つめる。


 魔力操作を覚えた。


 なら、次はこれを使いこなせばいい。


 蓮は再び歩き始めた。


 4階層の奥には、まだ強い魔物がいる。


 そして――


 蓮は知らない。


 これから先、さらに深い場所へ進むほど、《生存適応》が必要になる戦いが増えていくことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。