↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/84

第42話「初めての魔力」

3階へ進んでから、蓮は慎重に探索を続けていた。


 2階とは違う景色。


 見たことのない植物。


 そして、まだ知らない魔物。


 蓮は槍を手に、周囲を警戒しながら進んでいく。


 そのとき――


 前方の茂みが揺れた。


「……何かいる」


 蓮は足を止める。


 槍を構え、茂みの奥を見つめた。


 次の瞬間。


 茂みから一匹の魔物が飛び出してきた。


「……!」


 蓮は反射的に横へ跳ぶ。


 鋭い爪が、さっきまで蓮がいた場所を通り過ぎた。


「速い……!」


 蓮は距離を取る。


 魔物は低い姿勢のまま、蓮を睨みつけている。


「……鑑定」


『名称:ブラッドウルフ』


『種別:魔物』


『危険度:中』


「ブラッドウルフ……」


 グランウルフとは違う。


 だが、その動きはかなり速い。


 蓮は槍を握り直した。


「……来い」


     ◇


 ブラッドウルフが地面を蹴った。


 速い。


 蓮は槍を振る。


 しかし、ブラッドウルフは身を低くしてかわした。


「……!」


 そのまま懐へ入り込まれる。


 蓮は槍を引き戻し、爪を受け流した。


 だが――


 ブラッドウルフは止まらない。


 身体をひねり、再び蓮へ飛びかかってくる。


「くっ……!」


 蓮は後ろへ下がる。


 しかし、間に合わない。


 爪が目の前まで迫る。


 その瞬間――


『生存条件を満たしました』


『《生存適応》が発動します』


「……!」


 頭の中に、あの声が響いた。


 次の瞬間。


 蓮の身体が勝手に動いた。


 身体をひねる。


 ほんのわずかに頭を下げる。


 爪が髪をかすめて通り過ぎた。


「……今の……」


 考えるより先に身体が動いていた。


 蓮自身が驚いている間にも、ブラッドウルフは着地する。


「また……《生存適応》?」


 何が起きたのかは分からない。


 それでも――


 今の一瞬がなければ、攻撃を受けていた。


「……助かった」


 蓮はすぐに意識を切り替えた。


 今は考えるより、目の前の敵を倒す。


     ◇


 ブラッドウルフが再び迫る。


 蓮は槍を構える。


 そして、身体の中にある不思議な力へ意識を向けた。


「……これも試す」


 胸の奥へ意識を向ける。


 そこから腕へ。


 魔力を集める。


「……!」


 腕に微かな熱が集まった。


 蓮はそのまま槍を突き出す。


 先ほどより、ほんの少しだけ腕が速い。


 槍の穂先がブラッドウルフの肩を捉えた。


「当たった!」


 しかし、致命傷ではない。


 ブラッドウルフは距離を取り、再び蓮へ向かってくる。


 その瞬間――


「……っ」


 倦怠感が広がった。


「もう……?」


 蓮は一瞬だけ動きを止める。


 ブラッドウルフが迫る。


「しまった!」


 蓮は慌てて横へ飛び退いた。


 何とか攻撃をかわす。


 そして距離を取る。


 息を整えながら、蓮は自分を鑑定した。


「鑑定」


『HP:100/100』


『MP:72/100』


「……減ってる」


 魔力を動かした。


 その直後にMPが減っている。


「やっぱり……魔力を使うとMPを消費する」


 そして、身体に残る倦怠感。


「……無理に使い続けるのは危ないな」


 蓮は魔力を使うのをやめた。


 今はまだ、戦いながら自由に操れるほど慣れていない。


     ◇


 ブラッドウルフが再び動いた。


 蓮は槍を握り直す。


 今度は魔力を使わない。


 相手の動きを見る。


 踏み込む瞬間。


 身体を低くする。


 爪をかわす。


 ブラッドウルフが振り返る。


「そこだ!」


 蓮の槍が、その胴を正確に捉えた。


 ブラッドウルフの動きが止まる。


 蓮は槍を引き抜き、すぐに距離を取った。


 数歩よろめいたあと――


 ブラッドウルフは地面へ倒れた。


「……倒した」


 蓮はゆっくりと息を吐く。


 槍を下ろした。


 そして倒れた魔物を見る。


「……強かった」


 2階で戦った魔物とは違う。


 速さも、攻撃の鋭さも上だった。


 それでも倒すことができた。


 そして――


「《生存適応》……」


 蓮は、先ほどの瞬間を思い出す。


 危険な攻撃が迫ったとき。


 身体が、自分の意思より先に動いた。


「……あれが、スキルの力なのか?」


 蓮にはまだ分からない。


 《鑑定》を使っても、詳細までは分からないだろう。


 それでも一つだけ、分かったことがある。


 《生存適応》は、危険な状況で何かしらの働きをする。


「……もっと調べないとな」


 蓮は倒れたブラッドウルフへ近づいた。


 そして、その身体を調べ始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
途中から同じ内容がもう一度載ってます ブラッドウルフと同じ内容で2回戦ってますね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。