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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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第40話 「MPの正体」

「MP」


 蓮は、しばらくその数字を見つめていた。


『HP:100/100』


『MP:82/100』


「……これが何なのか、確かめないとな」


 名前だけでは意味が分からない。


 けれど、思い当たることはあった。


 《鑑定》を何度も使ったときに感じた、あの倦怠感。


 最初は、ただ疲れただけだと思っていた。


 しかし、MPというものが見えるようになった今なら――


「……関係してるのか?」


 蓮は試してみることにした。


     ◇


 蓮は目の前に置いてある石へ意識を向ける。


「……鑑定」


『名称:石』


『種別:素材』


『状態:良好』


 表示された情報を確認すると、蓮は一度表示を閉じた。


 そして、自分自身へ意識を向ける。


「……鑑定」


『名前:黒瀬 蓮』


『年齢:16歳』


『種族:人間』


『HP:100/100』


『MP:80/100』


『スキル』


『《無限成長》』


『《生存適応》』


『《鑑定 Lv.2》』


「……あれ?」


 蓮はMPの数字を見つめた。


 さっきまで82だった。


 石を鑑定した。


 そして、自分自身も鑑定した。


 その二回分が減ったのだとしたら――


「……一回使うたびに、減ってる?」


 まだ確信はない。


 偶然かもしれない。


 蓮は少し考えた。


「もう一度、試してみるか」


     ◇


 今度は、他のものを鑑定する必要はない。


 自分自身だけを鑑定する。


「鑑定」


『MP:79/100』


 蓮は表示された数字を確認する。


「一減った」


 もう一度。


「鑑定」


『MP:78/100』


「……また一減った」


 さらにもう一度。


「鑑定」


『MP:77/100』


 蓮はしばらく黙って数字を見つめた。


 一回目で一減った。


 二回目でも一減った。


 三回目でも一減った。


「……間違いない」


 蓮はようやく確信した。


「《鑑定》を一回使うたびに、MPを一消費する」


 最初に感じた倦怠感も、これで説明がつく。


 使い続ければMPが減る。


 そしてMPが減れば、倦怠感が強くなる。


「だから……あのとき、あんなにだるくなったのか」


 蓮は納得した。


     ◇


 ただ、まだ一つ分からないことがある。


「減るなら……戻るのか?」


 蓮は鑑定を使うのをやめ、その場で休むことにした。


 しばらく何もせず、身体を休める。


 やがて、もう一度自分自身を鑑定した。


『MP:78/100』


「……増えてる」


 さらに時間を置く。


『MP:79/100』


「やっぱり……」


 MPは減るだけではない。


 時間が経てば、少しずつ回復している。


 それに合わせるように、身体にあった倦怠感も弱くなっていた。


「使えば減る……休めば戻る」


 蓮は自分の中にある力へ意識を向ける。


 以前から感じていた、不思議な力の流れ。


「これが……MPなのか?」


 まだ確信はない。


 けれど、今まで感覚でしか捉えられなかった力と、目の前の数字が繋がった気がした。


「MPっていうのは……自分の中にある魔力の量なのかもしれない」


 蓮はそう考えた。


     ◇


 そして、蓮はもう一度ステータスを見る。


『HP:100/100』


『MP:79/100』


 数字を見ながら、ふと疑問が浮かんだ。


「……79」


 そして、その隣にある最大値を見る。


「100……」


 MPには最大値がある。


「この100って、どうやって決まってるんだ?」


 生まれつきなのか。


 鍛えれば増えるのか。


 それとも――


 蓮の視線が、スキル欄へ移る。


《無限成長》。


「……」


 このスキルの本当の効果は、まだ分からない。


 けれど、もし名前の通りなら。


「このMPの100も……増えるのか?」


 答えはまだ分からない。


 今は、ただの疑問だ。


 けれど、いつか確かめられるかもしれない。


「……これも、いつか調べよう」


 蓮はそう呟いて、ステータスを閉じた。


 新しく知ったMP。


 まだ分からない《無限成長》。


 そして、自分の中に流れる不思議な力。


 一つずつ分かっていけばいい。


 分からないなら、自分で試して確かめる。


 それが、この一年間を生き抜く中で蓮が身につけたやり方だった。

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