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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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第38話 スキルの正体

蓮は自分の目の前に表示された情報を、もう一度確認した。


『名前:黒瀬 蓮』


『年齢:16歳』


『種族:人間』


『スキル』


『《無限成長》』


『《生存適応》』


『《鑑定 Lv.1》』


「……この二つ」


 蓮は《無限成長》へ意識を向けた。


 もっと詳しい情報が知りたい。


 そう思った瞬間――


『詳細情報を取得できません』


『鑑定レベルが不足しています』


「……レベルが足りない?」


 蓮は少し考えた。


「じゃあ……生存適応は?」


 同じように意識を向ける。


『詳細情報を取得できません』


『鑑定レベルが不足しています』


「こっちもか……」


 蓮は少し残念そうに息を吐いた。


 せっかく手に入れた《鑑定》なのに、肝心なところは分からない。


「……まあ、仕方ないか」


 それでも、スキルの名前だけは分かっている。


 蓮はまず《無限成長》について考えた。


「無限成長……」


 言葉の意味をそのまま考える。


 無限に。


 成長する。


「……限界なく強くなれるってことなのかな」


 蓮はこれまでの自分を思い返す。


 ダンジョンに入ったばかりの頃は、何もできなかった。


 けれど、毎日生き残るうちに身体は強くなった。


 魔物と戦えるようになった。


 そして今では、グランウルフまで倒せるようになった。


「……そう考えると、ありそうだな」


 もちろん、まだ確信はない。


 けれど――


 《無限成長》という名前から考えれば、それが一番しっくりくる。


 次に《生存適応》を見る。


「こっちは……」


 蓮はグランウルフとの戦いを思い出す。


 傷を負った。


 追い詰められた。


 そのとき、身体の奥から熱が広がった。


 視界が鮮明になり、魔物の動きが以前よりはっきり見えた。


「……危険な状況になると、身体が変わる」


 今までにも似たようなことはあった。


 毒に強くなった。


 過酷な環境でも動けるようになった。


 魔力の流れを感じられるようになった。


「これが……生存適応なのか?」


 蓮は自分の手を見る。


 それなら、今まで起きていた身体の変化にも説明がつく。


「生き残るために……適応する」


 名前の意味そのままだ。


 ただ、これもまだ予想にすぎない。


「……もっと鑑定のレベルが上がれば分かるのか」


 蓮は《鑑定 Lv.1》へ意識を向ける。


「だったら……」


 このスキルも鍛えてみる価値はある。


 魔物を鑑定する。


 素材を鑑定する。


 自分のスキルも、何度も確認する。


 そうしていけば、いつか詳細が分かるかもしれない。


「……試してみよう」


 蓮は立ち上がった。


 新しく手に入れた力。


 まだ分からないことだらけだ。


 それでも――


 少しずつ、自分のことが分かり始めている。


 蓮はそう思いながら、再び槍を手に取った。

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