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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第一部 10年ぶりの帰還

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第35話 下へ続く道

 翌日。


 蓮は新しくなった槍を手に、まだ探索していない場所へ向かっていた。


 目的は決まっている。


 この階層にあるはずの、下へ続く階段を見つけること。


「……こっちだな」


 岩壁に刻んだ地図を思い出しながら、蓮は進んでいく。


 これまで何度も歩いた場所とは違う。


 まだ足を踏み入れたことのない場所だ。


 蓮は慎重に周囲を確認しながら進んだ。


 魔物の気配。


 道の先。


 そして、見落としている場所がないか。


 一つずつ確認していく。


     ◇


 しばらく進むと、道が二つに分かれていた。


「……どっちだ?」


 右側は細い道。


 左側は少し広い。


 どちらにも階段は見えない。


 蓮は少し考えた。


「……まずは右から」


 右の道へ進む。


 しばらく進んでも、行き止まりだった。


「違うか」


 蓮は来た道を戻る。


 今度は左へ進んだ。


     ◇


 しばらく歩いた。


 やがて、前方が少しずつ開けてくる。


「……広いな」


 蓮は慎重に足を進める。


 そこは今まで探索してきた場所よりも、かなり広い空間だった。


 周囲を見回す。


 魔物はいない。


 そして――


「……あれは」


 奥に、石で造られた階段が見えた。


「……階段」


 蓮は思わず立ち止まった。


 ついに見つけた。


 3階へ続く階段。


「……あった」


 蓮はゆっくり階段へ近づいていく。


 その先には、まだ一度も足を踏み入れたことのない3階がある。


 もっと強い魔物がいるかもしれない。


 今までとは違う危険が待っているかもしれない。


 それでも――


 蓮は槍を握り直した。


     ◇


 階段の前で、蓮は一度振り返った。


 ここまで歩いてきた場所。


 何度も魔物と戦った。


 何度も傷ついた。


 逃げたこともある。


 そして――


 グランウルフにも勝った。


 その経験が、今の自分を作っている。


「……行こう」


 蓮は一段目に足を乗せた。


 一段。


 また一段。


 ゆっくりと下へ進んでいく。


 やがて――


 蓮の姿は階段の先へ消えていった。


 3階。


 そこには、これまでとは違う景色が広がっていた。

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