↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第三部 世界第二位来日編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
188/497

第187話 模擬戦、決定

蓮が模擬戦を受けると決めたあと、美月は支部長へ電話をかけた。


 ほどなくして、電話がつながる。


「もしもし。神崎です」


『はい。どうしました?』


「蓮と話しました」


『模擬戦の件ですね』


「はい」


 美月が蓮を見る。


「蓮」


「……うん」


 スマートフォンを受け取る。


「黒瀬です」


『黒瀬君』


「……模擬戦」


 一度、言葉を止める。


「受けようと思います」


『分かりました』


 支部長は、特に驚いた様子もなく答えた。


『君自身が決めたということでいいですか?』


「……はい」


『なら、こちらで準備しましょう』


「お願いします」


『クロフォードさんにも伝えておきます』


「……はい」


 そこで蓮は、少し考える。


「支部長」


『何ですか?』


「人」


『人?』


「たくさん来ますか?」


 支部長はすぐに意味を理解した。


『心配しなくて大丈夫です。以前話した通り、一般公開はしません』


「……よかった」


『場所も、外部から見られないところをこちらで確保します』


「訓練する場所ですか?」


『その予定です。ギルド側で用意できる施設があります』


「…………」


 蓮は少し考える。


「壊しても、大丈夫ですか?」


「…………」


 隣で玲奈が蓮を見る。


『できれば壊さないでください』


「……はい」


 支部長の返事が早かった。玲奈が吹き出す。


「そりゃそうでしょ」


「……でも、戦うから」


「だからって最初から壊す前提にしないの」


「…………」


「蓮?」


「……気をつける」


 美月とひなたも小さく笑った。


『黒瀬君』


「はい」


『施設についてはこちらで考えます。それと、クロフォードさんにも、あくまで模擬戦であることを改めて確認します』


「……分かりました」


『観戦者も必要最低限にします』


「誰が来るんですか?」


『現時点では、私と安全管理を担当する職員。それから神崎君たち三人ですね』


「……美月たちも?」


『本人たちが希望すれば』


 蓮が三人を見る。


「行く?」


「行く」


 美月がすぐ答えた。


「当然」


 玲奈も頷く。


「私も行くよ」


 ひなたも答えた。


「……じゃあ、三人も」


『分かりました』


 蓮は少し安心した。


 一人でクロフォードと向かい合うことに不安があるわけではない。けれど、美月たちがいる方が落ち着く。


『日程については、クロフォードさん側と調整してから連絡します』


「はい」


『それまでに、こちらでもルールを決めておきます』


「ルール?」


『模擬戦ですからね。勝敗条件や使用する装備、どの時点で止めるか。そういった部分は事前に決めておいた方がいいでしょう』


「……なるほど」


 蓮には、あまり考えたことがない内容だった。


 原初ダンジョンでの戦いには、ルールなどなかった。相手を倒すか、自分が倒されるか。それだけだった。


「…………」


 そこまで考えて、蓮は少しだけ黙る。


『黒瀬君?』


「……大丈夫です」


『そうですか』


「はい」


『では、詳細が決まったら神崎君へ連絡します』


「お願いします」


 通話を終える。蓮は美月へスマートフォンを返した。


「決まったね」


「……うん」


 玲奈が身を乗り出す。


「本当にやるんだ」


「うん」


「世界二位と」


「……うん」


「なんか蓮より私の方が緊張してきたんだけど」


「なんで?」


「普通は緊張するの!」


「…………」


 蓮は少し首を傾げる。ひなたが苦笑した。


「蓮くんは、緊張してないの?」


「……まだ」


「まだ?」


「実際に向かい合ってからかも」


「そっか」


 美月は、そんな蓮を見ながら少し考えていた。


「蓮」


「ん?」


「一つだけ」


「……何?」


「模擬戦だから、無茶はしないでね」


「……うん」


「蓮もクロフォードさんも、怪我しないように」


「分かってる」


「ならいいけど」


 美月が小さく頷く。蓮も、それ以上は何も言わなかった。


 けれど、一つ考えなければならないことがある。


 模擬戦。相手は、地上で初めて明確に強いと思った人間。


 だからといって、自分がそのまま戦っていいわけではない。


「…………」


 どこまで、力を抑えるか。


 蓮は、自分の手を静かに見つめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。