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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第三部 世界第二位来日編

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第177話 地上世界の最高峰

 蓮は、目の前にいるクロフォードを静かに見た。


 世界ランキング二位。


 本人も、自分が冒険者の中ではかなり強い方だと認識している。


 なら。


 実際には、どれくらいなのか。


「…………」


 蓮は、《鑑定》EXを使った。


 次の瞬間。


 クロフォードの情報が、蓮の視界に浮かぶ。


 ――エイドリアン・クロフォード。


 Lv154。


 HP 28,600。


 MP 31,000。


 筋力 19,800。


 防御 17,400。


 敏捷 28,900。


 魔力 27,500。


 《剣術》Lv9。


 《身体強化》Lv9。


 《魔力操作》Lv9。


 《高速移動》Lv9。


 《魔力剣》Lv9。


 《危機察知》Lv8。


 《魔力感知》Lv8。


 《風魔法》Lv8。


 そして。


 《天嵐剣》Lv10。


「…………」


 蓮の視線が、僅かに止まった。


 今まで、地上で見てきた冒険者とは違う。


 レベルも。ステータスも。スキルも。


 明らかに高い。


 特に、敏捷。


 そして、複数のLv9。


 さらに。


 Lv10。


「…………」


 蓮は、もう一度表示を見る。


 地上で見た人の中では。


 明らかに違う。


「黒瀬?」


「……はい」


 クロフォードの声で、蓮が視線を戻す。


「どうした?」


「…………」


 蓮は、少し考える。


 鑑定したことを、わざわざ言う必要はない。


「いえ」


「……なんでもないです」


「そうか」


 クロフォードは、それ以上聞かなかった。


 蓮は、表情をほとんど変えないまま、もう一度クロフォードを見る。


 強そうだ。


 地上へ戻ってから。


 初めて。


 そう思える人間だった。


「…………」


 それでも。


 蓮の中には、十年間戦ってきた魔物たちの記憶がある。


 だから。


 クロフォードの数値を見ても。


 勝てるかもしれない。


 負けるかもしれない。


 そういう感覚にはならなかった。


 ただ。


 地上の人間として。


 かなり強い。


 それだけは分かった。


「…………」


 美月が、蓮を見る。


「蓮?」


「……ん?」


「さっきからクロフォードさん見てるけど、どうしたの?」


「…………」


 蓮は少し考える。


「いや」


 そこで、一度止まる。


「……強そうだなって」


「…………」


 今度は。


 美月。


 玲奈。


 ひなた。


 三人が止まった。


「え?」


 玲奈が、最初に声を出す。


「今、強そうって言った?」


「……うん」


「蓮が?」


「……?」


 蓮は首を傾げる。


「だめ?」


「だめじゃないけど」


 玲奈は、クロフォードを見る。


「なんか、蓮が人を見て強そうって言うの、初めて聞いた気がする」


「…………」


 蓮は少し考える。


 確かに。


 地上へ戻ってから。


 誰かを見て。


 そう思ったことはなかった。


「……そうかも」


 クロフォードは、そのやり取りを静かに聞いていた。


「それは」


 少しだけ笑う。


「光栄だな」


「…………」


 蓮は、クロフォードを見る。


 世界ランキング二位。


 エイドリアン・クロフォード。


 Lv154。


 複数のLv9。


 そして、Lv10。


 地上へ戻ってから。


 初めて。


 蓮が。


 明確に強そうだと思った人間だった。

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