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10年ぶりに帰った俺、世界最強のUnknownになっていた  作者: 神崎昴
第二部 10年ぶりの日常、そして再び

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162/510

第162話 家族みたいなもの ①

すいません。

ちょっと聞きたいのですが、今まで通り①web小説的な書き方で改行多め

改行を減らして地の文をつなぎ、会話と心理描写を自然にまとめる②

内容が同じなんで連投します。

どちらの方が読みやすかったですか?


 アイスを食べ終えて。


 少し経った。


 さっきまで。


 蓮の感情について話していた四人は。


 今は。


 少しだけ。


 いつもの空気に戻っていた。


「…………」


 玲奈が。


 空になったカップを見ながら。


 ふと思い出したように。


 顔を上げる。


「じゃあさ」


「……?」


 蓮が見る。


「蓮にとって」


 一度。


 美月を見る。


「美月って特別なの?」


「玲奈?」


 美月が。


 すぐに反応した。


「何、その聞き方」


「いや」


 玲奈は。


 少し笑う。


「ちょっと気になって」


「何が?」


「だって」


 玲奈は。


 蓮を見る。


「Sランクダンジョンの時もそうだったでしょ」


「……?」


「美月が取り残されてるって知って」


「…………」


「すぐに助けに来た」


「……うん」


 玲奈の表情が。


 少しだけ真面目になる。


「あの時の蓮」


「…………」


「美月を助けることしか考えてなかったじゃん」


「…………」


 蓮は。


 何も言わなかった。


「もちろん」


 玲奈が続ける。


「私とひなたも助けてもらったけど」


「はい」


 ひなたも。


 小さく頷く。


「でも」


 玲奈は。


 美月を見る。


「最初に蓮を動かしたのって、美月だったんでしょ?」


「…………」


 美月も。


 蓮を見る。


 ニュースで。


 美月たちが。


 Sランクへ変異したダンジョンに取り残されていると知った。


 その直後。


 蓮は。


 冒険者登録をするために。


 ギルドへ向かった。


 迷ったわけでも。


 考えたわけでもない。


 美月を。


 助けるために。


「だからさ」


 玲奈が聞く。


「蓮にとって、美月って」


「…………」


「やっぱり特別なのかなって」


「……特別」


 蓮が。


 小さく繰り返す。


「うん」


「…………」


「美月だけ、ちょっと違うでしょ?」


「玲奈」


 美月が。


 少し困ったように笑う。


「変な意味に持っていかないでよ」


「まだ何も言ってないじゃん」


「顔が言ってる」


「そんな顔してないし」


 ひなたが。


 隣で笑う。


「少ししてますね」


「ひなたまで!?」


「…………」


 蓮は。


 三人のやり取りを見ていた。


 けれど。


 玲奈にもう一度聞かれる。


「違う?」


「…………」


 蓮は。


 今度は。


 ちゃんと考えた。


      ◆


 美月。


 幼い頃から。


 ずっと一緒だった。


 学校へ行く時も。


 帰る時も。


 遊ぶ時も。


 秘密基地にいる時も。


 気づけば。


 いつも近くにいた。


 特別だから。


 一緒にいたわけではない。


 幼い蓮にとっては。


 美月がいること自体が。


 当たり前だった。


「……昔から」


「うん」


「……ずっと一緒だった」


 美月の表情が。


 少しだけ変わる。


「どれくらい?」


 玲奈が聞く。


「…………」


「……小さい時から」


「うん」


「気づいたら」


 蓮は。


 美月を見る。


「……いつもいた」


「…………」


「学校でも?」


「……うん」


「遊ぶ時も?」


「……うん」


 それだけではない。


 家族を失って。


 蓮の周りから。


 当たり前だったものが。


 一つ消えたあとも。


 美月は。


 変わらず。


 そこにいた。


「…………」


 蓮は。


 少しだけ視線を落とす。


「……ずっと」


「うん?」


「……美月はいた」


 部屋が。


 静かになった。


 玲奈は。


 それ以上。


 昔のことには踏み込まなかった。


 しばらくして。


 静かに聞く。


「じゃあ」


「……うん」


「蓮にとって、美月ってどういう人?」


「…………」


 蓮は。


 長く考えた。


 幼馴染。


 友達。


 仲間。


 どれも。


 間違ってはいない。


 でも。


 どれもしっくりこない。


「……昔は」


「うん」


「美月がいるの」


 言葉を探す。


「……当たり前だった」


「…………」


「朝会って」


「……うん」


「一緒に帰って」


「…………」


「次の日も、いる」


「…………」


 そんなことを。


 疑ったことすらなかった。


 美月は。


 そこにいる。


 それが。


 蓮にとっての。


 日常だった。


「だから」


 蓮が。


 小さく言う。


「……家族に近い」


「え?」


 美月が。


 蓮を見る。


「家族?」


「…………」


 蓮は。


 少し考えて。


「……家族みたいなもの」


「…………」


 玲奈も。


 ひなたも。


 静かに蓮を見る。


「美月が?」


「……うん」


「どうして?」


「…………」


 蓮は。


 もう一度。


 美月を見る。


「……ずっといたから」


「…………」


「いるのが」


 少し間を置いて。


「……当たり前だったから」


 美月は。


 何も言えなかった。


 玲奈も。


 もう。


 からかうような表情はしていない。


「そっか」


 静かに。


 そう答えた。


「……うん」


      ◆


 少し。


 間が空いた。


 玲奈が。


 今度は静かな声で聞く。


「じゃあ」


「……?」


「もし美月がいなくなったら?」


「…………」


 その瞬間。


 蓮の表情が。


 止まった。


 さっきまでとは。


 明らかに違う。


 答えが。


 すぐには出てこない。


「玲奈」


 美月が。


 玲奈を見る。


「ごめん」


 玲奈も。


 言ってから。


 少し踏み込みすぎたと思ったらしい。


「別に変な意味じゃなくて――」


「……嫌」


 三人が。


 蓮を見る。


「え?」


「……嫌」


「美月がいなくなるのが?」


「……うん」


 ひなたが。


 静かに聞いた。


「怖いんですか?」


「…………」


 蓮が。


 ひなたを見る。


「……怖い?」


「はい」


「…………」


 蓮は。


 自分の中にあるものを。


 確かめる。


 楽しい。


 悲しい。


 寂しい。


 怖い。


 さっきまで。


 そんな感情について。


 話していた。


「…………」


 やがて。


 蓮が頷く。


「……たぶん」


 そして。


 視線を落とす。


「……もう」


「…………」


「……家族を失いたくない」


 三人が。


 黙った。


 蓮は。


 ゆっくり続ける。


「……あんな思い」


 声が。


 僅かに止まる。


「……もう、したくない」


「…………」


 美月の表情が。


 変わった。


 家族を失った時。


 蓮が。


 何を感じていたのか。


 今まで。


 詳しく話したことはなかった。


 けれど。


 忘れたわけではない。


 昨日まで。


 そこにいた人が。


 いなくなる。


 もう。


 会えない。


 声も。


 聞けない。


 戻ってこない。


 それを。


 蓮は。


 一度。


 知っている。


「だから」


 蓮が。


 小さく言う。


「……美月まで」


 そこで。


 言葉が止まる。


「……いなくなるのは」


「…………」


「……嫌」


 美月は。


 何も言わず。


 蓮を見ていた。


      ◆


「美月は」


 蓮が続ける。


「……家族みたいなものだから」


「…………」


「家族は」


 もう一度。


 ゆっくり。


「……二度と失いたくない」


 美月の目が。


 僅かに揺れる。


「それに」


「……?」


「……俺も」


「…………」


「美月の前から」


 蓮は。


 少しだけ言葉を止める。


「……いなくなった」


「…………」


 十年前。


 蓮自身も。


 美月の前から消えた。


 蓮の意思ではない。


 それでも。


 美月からすれば。


 ある日突然。


 ずっと一緒にいた蓮が。


 いなくなった。


「だから」


 蓮が。


 静かに言う。


「……人って」


「…………」


「いなくなる」


 それは。


 考え方ではない。


 蓮が。


 実際に知っていることだった。


 家族が。


 いなくなった。


 そして。


 自分も。


 いなくなった。


 だから。


 目の前にいる人が。


 明日も。


 同じ場所にいる。


 そのことを。


 蓮はまだ。


 当たり前だとは思えない。


      ◆


「私が」


 美月が。


 静かに聞いた。


「一番、いなくなってほしくない?」


「……うん」


 蓮は。


 迷わず頷いた。


「美月は」


「うん」


「……昔からいるから」


「…………」


「家族みたいで」


「…………」


「だから」


 蓮の眉が。


 僅かに寄る。


「……いなくなるの」


「…………」


「……一番、嫌」


 玲奈とひなたは。


 何も言わなかった。


「…………」


 蓮が。


 ふと。


 玲奈を見る。


「……でも」


「え?」


「玲奈も」


 今度は。


 ひなたを見る。


「ひなたも」


「私も?」


「……うん」


「いなくなるのは」


 蓮は。


 少し考えて。


「……嫌」


 玲奈の表情が。


 柔らかくなる。


「そっか」


「……うん」


「でも美月は別?」


「……うん」


 今度も。


 迷わなかった。


「昔から」


「…………」


「……ずっといるから」


「なるほどね」


 玲奈が。


 小さく笑った。


 ひなたも。


 柔らかく頷く。


 美月は。


 何も言わず。


 蓮を見ていた。


      ◆


 その時。


 美月が。


 何かを思い出したように。


 蓮を見る。


「そういえば」


「……?」


「蓮」


「……なに?」


「私が出かける時」


 美月は。


 少し考えながら言う。


「どこに行くの、とか」


「…………」


「何時に帰るの、とか」


「…………」


「よく聞くよね」


「……聞いてる?」


「うん」


「…………」


 蓮は。


 少し考えた。


「……そうかも」


「もしかして」


 美月が。


 静かに聞く。


「ちゃんと帰ってくるか、気になってた?」


「…………」


 蓮が止まる。


「……分からない」


「うん」


「でも」


 言葉を探す。


「朝」


「うん」


「……いる」


「…………」


「帰ったら」


「……うん」


「……いる」


「…………」


「それだと」


 蓮は。


 自分の中にあるものを。


 考える。


「……大丈夫って思う」


 美月の表情が。


 少しだけ柔らかくなる。


「それ」


「……?」


「安心っていうんだと思う」


「……安心」


「うん」


「…………」


 蓮が。


 小さく繰り返す。


「……安心」


 玲奈も。


 ようやく。


 さっきの話とつながったように。


 頷いた。


「美月がいなくなるのは怖くて」


「……うん」


「美月が帰ってくると安心する」


「…………」


 蓮は。


 少し考えた。


「……両方」


「そっか」


      ◆


「蓮」


 美月が。


 静かに呼ぶ。


「……なに?」


「私」


「……うん」


「出かける時は、ちゃんと言うね」


「…………」


「どこに行くか」


「……うん」


「何時くらいに帰るか」


「…………」


「遅くなるなら、連絡する」


「…………」


「それで」


 美月が。


 少し笑う。


「帰ってきたら、ちゃんとただいまって言う」


「…………」


 蓮が。


 美月を見る。


「……毎回?」


「毎回」


「……忘れない?」


「忘れない」


「…………」


 蓮は。


 僅かに。


 肩の力を抜いた。


「玲奈とひなたも」


 蓮が。


 二人を見る。


「ん?」


「はい?」


「…………」


 言葉に迷う。


「……何も言わずに」


 そして。


「……いなくならないで」


「…………」


 玲奈が。


 一瞬だけ。


 目を見開いた。


 ひなたも。


 蓮を見つめる。


 それから。


 玲奈が。


 柔らかく笑った。


「分かった」


「私もです」


 ひなたも頷く。


「……うん」


「でも」


 ひなたが続ける。


「蓮さんもですよ」


「……俺?」


「はい」


「蓮さんだって」


 ひなたは。


 静かに言う。


「何も言わずに、いなくならないでください」


「…………」


 蓮が。


 止まった。


 十年前。


 自分は。


 美月の前から。


 突然。


 いなくなった。


 自分の意思では。


 なかった。


 それでも。


 残された美月にとっては。


 突然だった。


「……俺も」


「はい」


「……言う?」


「言ってください」


 玲奈も。


 少し笑う。


「出かけるなら、出かけるって」


「……うん」


「帰ってきたら、美月にはただいま」


「…………」


 蓮が。


 美月を見る。


 美月も。


 静かに頷いた。


「私も、おかえりって言う」


「…………」


 蓮は。


 三人を見る。


 美月。


 玲奈。


 ひなた。


「……分かった」


「約束ね」


 美月が言う。


「……うん」


      ◆


 家族を。


 一度。


 失った。


 あんな思いは。


 もう。


 したくない。


 そして。


 自分自身も。


 十年間。


 大切な人の前から。


 いなくなった。


 だから。


 蓮にとって。


 誰かが。


 今日そこにいることは。


 明日もいるという。


 保証にはならない。


 美月は。


 その中でも。


 特別だった。


 幼い頃から。


 ずっと一緒にいた。


 蓮にとって。


 いることが。


 当たり前だった。


 だから。


 家族に近い。


 そして。


 家族みたいな存在を。


 蓮は。


 もう二度と。


 失いたくなかった。


 玲奈も。


 ひなたも。


 今では。


 いなくなってほしくないと思う。


 けれど。


 美月とは。


 やはり。


 少し違う。


「…………」


 蓮は。


 三人を見る。


 今。


 三人とも。


 ここにいる。


 何も言わずに。


 いなくならない。


 そして。


 自分も。


 いなくならない。


 そんな。


 小さな約束。


 それだけで。


 胸の奥にあったものが。


 ほんの少し。


 軽くなった。


「……安心」


 蓮が。


 小さく呟く。


「ん?」


 美月が見る。


「……なんでもない」


 蓮は。


 首を振った。


 誰かがそばにいることを。


 蓮はまだ。


 当たり前だとは思えない。


 それでも。


 帰れば。


 美月がいる。


 出かける時は。


 ちゃんと伝える。


 戻ってきたら。


 ただいまと言う。


 そして。


 自分も。


 もう。


 何も言わずに。


 いなくならない。


 そんな日々を。


 蓮は。


 少しずつ。


 信じ始めようとしていた。

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― 新着の感想 ―
一行ごとに改行し、行間空けるのは、読みにくいかな。 ガラケー時代の画面が小さいパターンの書き方ですね。 今の時代には、マッチしないかと。 ただ、漫然と書くより、色々とチャレンジされるのは、共感できま…
すみません、この回すごく読みづらいです
私はスマホで読んでますが、②のほうが入り込みやすいです!
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