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オアシスに三人の旅人

『ドサッ!』とう音と共にミルとルナは砂の上に突っ伏してしまった。


「あんたマジでバカでしょ?!いい加減にしなさいよミル!!」


「違うよ僕は誰かに突き飛ばされてルナにぶつかったんだよ」



「俺だ…」



「ミル!なに男が言い訳してんのよ。見苦しいったらありゃしない

 だからあんた、お付き合いしてくれる女子が出てこないのよ!」


「それとこれとは別でしょ?」



「俺だ……突き飛ばしたのは」



「この人に突き飛ばされたからって、私を突き飛ばす理由にならないでしょミル!」


「トッドじゃん?」


「トッ、トッ、トッ、トッ、ってなんであんたがここにいるのよ!」



「女王に……ドラゴンに突き飛ばされた」


「ほら!パワーアップしたトッドだから僕がルナを押しちゃったんだよ」


「ミル、言い訳すんなイラっとする。

 トッド、私とまだ戦うの?」



「お前と戦ってもつまらないからやらない」

「何言ってんの、勝てないくせに!」


「ルナ……それはNGワードだってば!

 トッド、熱い砂漠でそれ以上に熱い溶岩だされたら倒れちゃうよ」


「あんたのアイスソードでかき氷作ればいいでしょ!」

「俺はこの娘はタイプじゃないな」


「トッドまでぼそっと彼女のNGワード言わないで!」


「トッド、お前本気でかかってこい……今度はフンコロガシに変えてやる」

「娘……その前に溶岩で黒焦げにしてやる」


「ルナ様にトッド様。一体、僕たち何しに来たのかな?

 ところでトッドはどうしてきたの?」



「俺は女王に蹴とばされただけだ」



「はー……なんていうか素直過ぎてバカな子供と、素直じゃない意地っ張りの子供相手にね。

 お姉さんは大変ですよ、まったくもって。そこのドラゴンくずれ、これ持ってみな。」


ルナは呆れた顔をしてカードを一つ具現化した。

ルナがトッドに渡したのは『歌う骨』だった。


歌う骨――それを素手で持った者は隠し事を歌い始めるという、

とても恥ずかしい力を持っていた。


「ミル見てなさい、トッドのオンステージよ!」



「この気持ちを――伝えたいけれど

 恥ずかしくて、いつもためらってしまうから

 誰か伝えてほしい――ミルと冒険がしたいのさ

 オーイェーイッ!!」



「……」

「……」

「女!何やらせんだよ!!」


「トッドって意外に恥ずかしがり屋だったんだね」

「ヤダー、その男と男のキモイ友情。鳥肌……ウゲー」

「もういいよ、そういう事だよ。次はミル、お前がやれ!」


トッドはそう言ってミルに歌う骨を投げ渡した。

とっさに握ってしまったミルは歌い始めた。



「ルナのこと――僕は思っている」

「えっ?」


「君のことが少し、面倒な子だって――それより腹減ったんだ

 何か食べさせて――君のことだから。ルナーー信・じ・て・い・る・よ」

「ざけんなミル!」


「ルナが少し期待してたようだぞ」

「うっせーわ、トッド!」


ルナはミルから歌う骨をとりあげ、二人に言った。


「まずオアシスに、日陰へ入りましょ。

 食べ物はそれからよ」


ようやく三人はオアシスの中に入っていった。

オアシスといっても砂漠に囲まれた広大な森で、極彩色の花や鳥で彩られていた。



「トッド、初めての場所だから遠くに行ったらダメだよ」


ミルの忠告を聞かず、トッドは興味のある方向へ歩いて行った。

まるで誰かに囁かれ、誘われるように二人から離れていった。


「誰かが俺を呼んでいる」



『トッド、おいで……美しいものを見せてあげるから。

 この世で一番強くて美しいものなんだよ……おいで、トッド』


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