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囚われのアリシア~私にだって意地がある!~  作者: ホマージュ
EX章①~アリシアの決断~
8/51

ルシリアとの契約

エクストラ回というか、なんというか、

…なんて言うんだろ。

過去編?みたいな。

まぁ、アリシアとルシリアの契約についてスポットをあててます。

語彙力ないのは元々の仕様です。



これはアリシアが11歳の頃。

竜との契約に至るまでと、その直後のお話。


普段とは少し趣向を変えた書き方してます(途中まで)

是非お楽しみ頂けましたら幸いです。

大分話は遡り、

アリシアが11歳の頃だった。

サルスムーナ帝国国王の第三后の娘アリシアはお転婆であった。

世間的にはおしとやかで可憐な姫としての評判は良かった。

しかし、城に帰れば人が変わった様に走り回る。

ドレスなんて気にも止めず。

木に登ったり猪の子供を追いかけたり、

その度に給仕の女や執事達に迷惑をかけた。

歳相応の子供のように振る舞えないストレスを

身内の間だけで発散させていた。

時には怪我人が出ることもあった程である。


第三后のミルフェフィアに直接執事達から

苦言を言い渡す事すらあったが、

ミルフェフィアは王女として堅苦しい想いをさせてごめんね、と謝ると優しくあやすだけだった。

アリシアはそんな優しい母が好きだった。

大好きであった。

だからこそこうやってでも構って欲しかった。


それに、下女や執事達もミルフェフィアの事が好きだった為、

どんな大変な事をしてもアリシアを許し、

仕事を離れる者は誰一人として居なかった。


農民の出であるからと、

他の貴族達からは疎まれていたが、

ある程度交流を持つと、

その貴族達もミルフェフィアの人柄に惚れ、

次第に貴族達にも受け入れられていった。

礼儀作法は完璧に。その娘も見目美しく、

どんなときでも冷静な判断を下す立派な子であった。

非の打ち所がないのである。

強いて言えばミルフェフィアは優しすぎたということだけ。

かといって優柔不断な訳でもなく、

適切な判断力と人を見る目があった。




アリシアはいつも母が身に付けているひし形のペンダントが気になっていた。

聞けばお父様、帝国の王デオルトから貰った物らしく、

大事なものとだけ、詳しくは教えて貰えなかったがアリシアも母を父との事で

困らせたくなくてそのまま胸にしまいこんだ。


そんなある日

城の領地外に出てみようと悪戯心が働いた。

城壁の中では執事達が毎度のように大慌てで自分を探す声が聞こえる。

城壁の中にはもういないのを知るのは自分だけであると思うと

途端に自由になった気がして、にやにやと笑いが込み上げてくる。

遅くに城に戻っては母に城の外に勝手に出たことがバレてしまうと思い、早々に行動を始めることにした。


屑砂砂漠、

ここはスデルーク城の西側、40m程の崖を降りたところに砂漠の端がある。

砂漠の中央には遺跡があると母から読んで貰った絵本には書いてあった。

途中の道でも危険な魔物がうじゃうじゃいるらしい。

でも気にはなる。

城壁から少し離れ崖上から砂嵐の吹き荒れる砂漠を見下ろす。

こんなまっさらな所に本当に魔物なんているのだろうか。

少なくともここから見える範囲では砂しか見えない。

中央にあるという遺跡も何も。

ただ砂だけである。

ここを降りる力はないし、道具もない。

考えなしに飛び降りたりするつもりも全く湧かない。

砂漠方面の探検は今回は諦めてやはり森で動物でも捕まえてこようか。

砂漠を背にして歩きながらそんなことを考えていると、アリシアは歩き始めたときと景色が全く変わらない事に気付き驚いた。

歩いているのに城もその奥に見える森さえも全く距離が縮まらないのだ。

まるで歩けば歩く分だけ距離が延びている、そんな錯覚を覚える程に。


アリシアは走った。

しかし、距離は変わらない。

寧ろ城が小さく、遠くなっていく。

そこでアリシアは自分の身体が引き寄せられている事にやっと気づく。


次第に引き寄せる力は大きくなっていく。

得体の知れない不思議な力に怯え、母に助けを請う。

だが、アリシアが砂漠方面の崖に居ること等誰も知らない。

誰も、助けてはくれない。

アリシアはあまりの恐怖に、目の前が真っ暗になった。



『…ら、…い………に起…る……だ』



ノイズだらけでよく聞き取れなかったが声を掛けられ目を覚ます。

気がつけば仰向けで、執事が大声で下女達を呼びながら自分を抱えていた。

アリシアは気がつくとまず始めに自分の股間部に手を当て濡れていないことを確認するとホッと息をついた。

執事はオンオンと泣きながらアリシアの無事を喜んでいた。

夕日は沈みかけていたがもう少し母が帰ってくるまで時間はあるハズだ。

下女の中でも歳が一番近くて仲のいい、ヒルハが走って寄ってくる、ヒルハの目尻にも涙が見える。本気で心配してくれていたようだ。

どうやら母が城から村の視察に今朝向かった後すぐ私はこっそりと抜け出し、そのまま今まで行方知れずだったらしい。



ヒルハは泣きながらアリシアの方に向かって走っていった。

視線はアリシアをみていたハズなのに砂漠の奥を見ていた。

おかしい

視線を変えれない、身体が動かない。

目に見えぬ力で砂漠の奥に引き込まれそうな気がした。

嫌だ、助けて。

そんな声さえも出すことが…口が、動かせない。

アリシアの無事を喜ぶ涙とは違う、恐怖にまた涙が浮かぶ。



執事は、途中で立ち止まりピタリと動かなくなるヒルハを見てから何かに気付いたように砂漠を睨みつけ、

年配の下女にヒルハも引きずってでも砂漠から距離を離すように厳命し、アリシアは執事に抱えられながらも城に戻された。


その時のことを

ヒルハは全く覚えていなかったようだが、

アリシアはあの恐怖を忘れられなかった。

それ以来砂漠には全く近づこうとはしなかった。


あれから1年後、

ヒルハは結婚し子供を作り、

暫く城での仕事を休むこととなった。

そしてまた2年後、ヒルハが下女として城に戻るとアリシアと再会するとヒルハはまた喜びながら涙を流した。


この頃アリシアは16になり、

ほぼ毎日のように縁談が持ち込まれていた。

一国の姫であるが為に、政治的な意味合いとしても大きな影響を及ぼすアリシアの婚姻は難航を極めた。

齢16にして既に大陸中に絶世の美女として名が知れ渡っており、

他国の王子だけではなく、帝国内の聖職者や他国の大商人、色々な国の貴族も求婚に臨んだ。


帝国主催の舞踏会なんかはアリシアへの求婚の為に来ている貴族が殆どであった。


そんな日が続く中、

ミルフェフィアが病に倒れた。

外務もミルフェフィアに代わり執り行わなければならぬようになり、

激動の毎日にアリシアは疲れ果てていた。


そんなある日、

今日は体調がいいのだ、と母が寝室から出てきた。

アリシアは必死で止めるが、大丈夫の一点張りでミルフェフィアが押しきった。

大事な話があるのだ、と。


話としては

妻が病床に伏したというのに見舞いにもこない帝国国王に対して不満を持っていたアリシアに帝都から出れない理由。

帝都から離れたこの地に城を建てたのは他国の監視が出来、地理的に難攻不落の要塞にしやすかった事。

そして最後に嫌なことを乗り越えられる御守りとして母が常に身に付けていたペンダントを手渡された。

そして、正式に城の所有権をアリシアに譲渡する契約書にサインをした。


母はもう長くない。

母が患った病は原因も何も解らないと無能の医者達が口々に言う。

せめて安心させてあげなければ、ちゃんと婿を見付けて。

しかし、母は自分の好きな相手と結婚しなさいと。

爵位や、周りの目を気にしてはいけない。

本当に結婚したい相手を見つけなさい。と言う。


そうこうしているうちに、

帝都からアリシアへ召集がかかり、

国王から婚姻相手を紹介された。


紹介とは言ってもほぼ強制である。

断れば王族で無くなることはアリシアでもわかる。

城の所有権を譲渡された今、

アリシアが王族で無くなれば城も強制返還させられ、ただでさえ絶対安静である母の安全を確保出来なくなるという事だ。


アリシアに紹介された男は、

元は他国の商人であった。

アリシアを娶るべく、娘を妻を捨てサルスムーナ帝国に定住する事を選んだ。

用意は周到に、議院に取り入り賄賂とハニートラップを駆使し、来たばかりの国で貴族位までも確保していた。

そして何を担保にされたのか、国王までも転がされている現状。


アリシアは水面下で既にレールが敷かれ終わっている事に激怒した。

婚姻は20日後、スデルーク城にて行われるそうだ。


母から貰ったペンダントを強く握り締め、

執事と共に帝都から馬車で帰る。

執事は休憩の度にハンカチを涙と鼻水で濡らしていた。


母には報告出来ない。

すれば母は自分の病など気にせず、帝都まで無理をしてでも直訴しに行きかねない。


アリシアは自室にヒルハを呼び夜通し出来ることを考えた。

母の安全を考えると全て棄却する事になった。


そしてアリシアとヒルハは砂漠側の崖に向かっていた。

大陸には既にあの商人のパイプが出来上がっているに違いない。

ならば人のいない方面に逃げれないか、

と冗談半分期待半分で崖に来ている。


ヒルハは砂漠の奥を見ながら崖下と見比べる。

ヒルハも昔動かなくなったことをハッと思い出したアリシアはヒルハの手を引き寄せたがきょとんとした顔で返される。

ヒルハは今回なんともないようだ。

何が原因もだったのだろうかと、考えていると

懐かしいかんじだ。

今度は砂漠の奥にじりじりと引き寄せられている事に早々に気がつく。


この得体の知れない力が打開する物になりうるかもしれない。

藁にもすがる想いだった。

このままでは確実に未来は変わらない。

そう思ったアリシアは目を閉じ、身を任せることにしてみた。


急に瞼の下からでもわかるほどの太陽光に、

チリチリと肌を焼かれる感覚。


目を開くと砂漠のど真ん中に立っている自分と、

目の前には円盤状になった大きな岩が人の字を描くようにして3つ重なっているのが見える。

テント状になっている岩の中、

不自然にひし形の窪みが見える。

直感で解った、あぁそうか。これを嵌めればいいのかと。

母から受け継いだペンダントを岩に嵌め込むと岩が倒れてきた

アリシアは岩の下敷きになり潰れた。

そして身体も意識も砂の下に沈んでいった。




なんだかめちゃくちゃ身体が揺すられている。

心なしか頬まで痛い。

目を開けるとヒルハがアリシアを抱えてオンオン泣いていた。

なんだこのデジャヴ。

そしてまた最初に自分の股間部に手を当て濡れていないことを確認する。

それにしてもヒルハがグズってうるさいので、また出直す事にした。




そして一人でまたここに来た。

もういい加減意識を失うことが解ったので最初から寝転がって挑むことにした。



再び意識を引き寄せられる。



今度は寒かった、地下だろうか。

薄着にして失敗だったな、と後悔した。


そして強い視線を感じるので振り返ると竜がいた。

誇張ではない、竜だ。赤い竜である。

二の腕をこすりながら竜を眺める、

竜もこちらをじっと見つめている。

アリシアは綺麗な目をしているもんだな、と昔話の表現も宝石の様、とはなかなかいい表現だなと感心した。



そんな事を考えていると竜が口を開いた。

どこかで聞き覚えのある声だった。



何か強い願いがあるのだな、人間の娘よ。


アリシア

おどろいたわ…喋るのね。

願い、聞いてくれるのかしら?


我と成せるのは契約だ。

汝の願いを聞き届ける代わりに

我の望みを叶えよ。


アリシア

私は…

あんなぶよぶよと結婚するだなんていやだ。

自分で選びたい、

白馬に乗った王子様的なのを所望する!


わかった、

ならば自分で決める自由を与えよう


アリシア

ありがとう。でも…

どうやって与えてくれるの?


我の力で帝国を潰せばよいのだろう


アリシア

!?

いや、ちょっとまった!

それは流石にヤバイ。

あたしのせいだと知られたら絶対私怒られる。

というか怨みを持った奴に殺される気がする。


ふむ…

それは確かに道理だな。

小さいのに頭がよく回りよる。

契約を終えれば我には関係ないがな。


アリシア

むしろアンタの求めるものっての先教えてよ。


…友だ。

我は長命だ。

だから我が休眠期から起きれば、

友だったものは既に朽ち果て、世界は変わっている。

だから我が起きてもおはようと言ってくれる友が欲しい。

この世界には他にも竜がおるのだ、

そやつらと会いたい。

会って友になりたい。


アリシア

…?

私は?


契約者であろうが


アリシア

そんなん、私に出来る気がしない。

私が友達で別にいいだろう。


お主がこの我と友達だと?

クフフフ、笑わせよる。

第一御主等人間は至極短命ではないか。


アリシア

だったら私を不老にしてよ。

なんか魔法みたいなのでできないの?

竜のくせに


・・・・・

っはっははは。

痛快である、気に入った。

その豪胆さ、ふてぶてしさというべきか、

面白い、中々竜に言える物ではないわ。

我は未だ契約も結んでおらぬ、

それ故、御主を潰す事もまた燃やす事も容易にできる。

格の違いが大きい契約は、それ相応の危険が伴う。

…よいだろう。

御主の願いを叶えよう。

御主と友になり、そして守ろう。


アリシア

ちょっと待ってよ。

友達になりたいのはあなたでしょ?

でも、いいわ。

私を守って!

そしたらいつか一緒に旅してあなたと同じ竜を見つけて友達にしてあげるわ。


よかろう。

我らはこれより友である。

御主の願いは完全には叶えられぬ、

御主の身体の老いを止めることは出来ぬが、遅くする事ならば出来る。


アリシア

じゃあ、私が一番見目美しい時にやってちょうだい。

若返る方法とかも冒険の時に見つけなきゃになるわね

とりあえず、宜しく…

えーと、名前ないの?


昔は紅竜アレルギドと呼ばれておったわ。


アリシア

んー、あたしと同じアで始まるのね。

キャラ被りそうだから

ルシリアって名乗るといいわ。

私はアリシア、あなたはルシリア。

姉妹みたいね。

んー…

それだと私が姉ね、私の方がアリシアという名前歴が長いから。


ルシリア

よかろう。

我はこれより、ルシリア。

姉妹か。


アリシア

そう。

気に入って貰って良かったわ。

宜しくね、ルシリア




そういって竜と小さな人間との奇妙な契約が結ばれた。

気がつけば、目を閉じる前の崖の上、変わらず寝転んでいる。

股間部は……平気だ。


「なかなかに面白いやつだな、お前。

契約にそんな風に寝転んで挑んだ奴などおらんかったわ」


崖の下から鼻と目だけ崖上にもそっと出しながら竜が笑う

夢ではない。これはチャンスだ。

全てをひっくり返す…


「ねぇ、あなた。いえ、ルシリア。城の人達全員を停める事できる?」


「凍りつかせるということであれば容易だ。

何故なら、我こそが炎熱を司る紅竜アレルギ…」

「違うでしょ、ルシリアよ」

「ム。そうであったな。ルシリアである。汝の妹の…」

そこまで言うと崖の下にいた竜型のルシリアは消えアリシアの目の前には赤い長髪の女が素っ裸で現れた。

「はしたないわね…」

「仕方なかろう、なかなかに難しいのだ。」

アリシアは品定めするかのように、頭から足までしっかりと眺めると胸の辺りで視線を止める

「ねぇ!あんた!これ!もっと小さく出来ない!?出来るよね!?」

アリシアはルシリアの乳房を下からもちあげながら怒鳴る

「出来るが…妹の我に何をそんなに怒るのだ…」

きょとんとしながらも胸を小さくするルシリア。

「…いいわ。このくらいで。じゃあ、私服持ってきたげるからそしたら行くわよ。」

そう言ったアリシアの顔はまだ揺れている様だった。

ヒルハには伝えよう、これから成す事を。


屋敷の人間を広間に呼びつけ、

あの商人に接触されぬ様に凍りつかせる。

そうすれば皆、反逆者ではなく被害者でいられる

悪いのは私だ、私を恨んでくれ。


ヒルハには幼い子供がいる、結婚したての夫もいる。

村に帰る事を勧め、

ヒルハ以外の使用人達を広間に集め、

待っていろと厳命すると、執事を筆頭に

皆いつものように従ってくれた。


城を出てルシリアに服を持って行き、

ルシリアと共に城へ向かう。

途中ルシリアは

「なんだか胸の辺りがきついのぅ」とこぼすと、

アリシアにどつかれた。


「広間に皆呼び集めている。」

それだけルシリアに言い放つとツカツカと城に向けて競歩で向かう。


城の入り口に着き、扉を押し開けると皆が整列しアリシアを待っていた。

その中にヒルハもおり、皆の中から歩み出て

「私も、貴女様と共に。息子や夫に会えないのは寂しいですが、それも少しの間。貴女のよき理解者でありたいの」

その言葉にアリシアはボロボロと大粒の涙をこぼしながら、

「ごめんなさい、ありがとう。大好きよ。」

ドレスの裾を強く、強く握り締め、唇を噛み締めた。

他の使用人達はアリシアと共に現れた謎の赤髪の女が何者なのか、

何故アリシアは泣いているのか、疑問でいっぱいだった。

ルシリアはアリシアの合図を確認するとヒルハを凍り浸けにした。

執事を除く使用人達は皆一様に恐怖におののいた

中には悲鳴をあげる者も。


ルシリアは整列していた使用人がバラバラに逃げようとしたところを皆の足を凍らせた。

皆口々にアリシアに助けを請うが、

アリシアが返した言葉は一つ


「皆、ごめんね。」


執事は先程と変わらぬ様子のまま凍りついた。

他の使用人達の顔は皆、恐怖の色を宿したまま凍りついていた。


階段を上がり、アリシアの部屋の二つ手前の部屋。

アリシアは扉に額を擦り付けながら涙を堪え感情を圧し殺した。

扉を開けてしまったら決意も揺らぎ薄れてしまうとわかっていたから。

しかしミルフェフィアは起きていたようで、部屋の中から声をかける。

「起きてこられなくてごめんね。身体に気を付けるのよ、私はいつも応援してるから。アリシア、頑張れ」

出せないはずの声を無理をして出してるのが丸わかりの辛そうな声。優しい声、大好きな声。

アリシアは額を扉に擦り付けながら泣いた。

何度も何度も謝りながら。


アリシアが泣きじゃくり扉から額が離れるのを確認するとルシリアは人差し指で扉を触れる

触れた所から全てが凍りつく。




ミルフェフィアは部屋の中、

自分の息が白くなり部屋の温度が急激に下がっているのだと解った瞬間、

暫く愛する娘と会えなくなるのだ、と想うと涙を堪えられなくなった。

幼い頃から全然泣く姿なんて見せたことのない娘が扉の向こうで泣いている。

どうして、この足は動かないのだろうか。

どうして、この身体は動かないのか!

泣かないで、泣かないで。

もうさっきの声を出すだけで精一杯だった。

この両腕で抱きしめたい、

娘がこんな近くで泣いているというのに何も出来ない自分がやるせない。

ただあと一言、アリシアに聞こえるかわからないけどこれだけは伝えなければ。

伝えたい。

「愛してるわ…アリシア」



ルシリアが扉から指を離す。

アリシアは泣きながら、もう母には聞こえない事はわかっていながらも応えずにはいられなかった。

「私も…愛しております!お母様…」

こんな道しか選べなかった力ない自分を恨んだ。




それから4日後、

アリシアはルシリアと話をした。

これまでの事とこれからの事。


まずは城にいた者達は被害者であるということを知らしめるためにも大陸中にパイプを持つあの商人に竜が城に居座り、自分は囚われの姫であり、反逆ではなくやむを得ず婚姻が結べないと、そう思って貰わなければならない。

アリシアは最上階に部屋を移すと、

12日後の商人の襲来に備えた。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


あれからおよそ10年が経つ、

未だにスデルーク城の使用人達は凍ったままだ。


暫く会えなくなるけれど、

私の好きになった相手を、ちゃんと連れて帰ってくるから。

そしてちゃんと紹介して安心させてあげなきゃ。



「よーし、今日こそ旅立ちの日に相応しい!

太陽も私の門出を祝っているのよ。」

太陽が真上辺りに位置し、雲もあまりない状況でアリシアはふふんと仰け反り自慢げにする。


待っててお母様!

グダグダしてて思ったよりも遅くなってしまったけど、

私、婚活の旅にでます!

なんとか続き書ききれました!

褒めて!もっと褒めて!褒めちぎって!

思った以上に長い文章になりました。

今回書いて思ったのですが、

やはり私は作業が遅いのかこの文字数で5時間以上かかりました。

休憩で軽く6時間位仮眠も取りましたが、驚きです。

さてさて、

今回は敢えて途中まで吹き出しを使わずに話を進めました。

勿論登場人物のおしゃべりがあった方が楽なのですが、それでは小説とは呼べないと、誰かが言ってた!

(途中から吹き出しを使ってるのは仕様です。)


…え?これは続きじゃないって?

そうだよ、過去編だよ!

でもそろそろ契約内容を開示しないと、

このあとのクムルンとかで大変な気がしたので、

先に書かせてもらいました。

頑張って盛り上げたいけど、なんかイベント寂しいな。と脳内再生してつくづく思います。

ちょっと変えようかな?

でもまずはGEOで借りた映画を観ることにします。

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