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囚われのアリシア~私にだって意地がある!~  作者: ホマージュ
第一章 旅立ち
6/51

そして、日は沈む

そういえば、

どうでもいい情報かもしれませんが、

私、コレ、通勤や休憩時間を利用してポチポチしてます。

電車にのってるとなんだか眠くなってくる今日この頃。

それはさておき。

少し時間の空いた更新になりました。

何度か確認して読みに来てくれる方々に感謝です。

あとコメントとかくれるとモチベアップルに繋がります。


村は豊かとは言えないが、

新しく建国されたクムルンランドに対して

特に不平不満はないように思えた。


アリシアは結局普通に歩いて村に入っていった。

最初に見かけたのは村の入り口付近で下等ではあるが魔物のスライムを潰して遊んでいる子供達だ。

なかなか斬新な遊びではあるが、

全国共通のよくある遊びである。

魔物とはいってもスライムには自我が無いので襲ってくるような事はなく、

村の大人達でさえ、子供の頃にやっている程浸透した遊びである。かくいうアリシアもスライムを潰して遊んでたことがある程である。


その次に村娘に遭遇。

村娘はニコッと会釈をし、

アリシアとルシリアに歩み寄ると、

「旅の方ですか?」

と笑顔で気軽に話しかけてきた。

「何よ、わた…」

までアリシアが言いかけるとガチャガチャとうるさい鎧を着たルシリアに口を塞がれる。

「そうなんですよ、南の方から来たのですが途中竜の咆哮に馬が怯えて逃げてしまって…」

そう言うとルシリアはアリシアにだけ聞こえるように耳打ちをした。

「私らがスデルーク城から来ていることと、名前、身分は知られてはいけない、余計な争いの種になるから」


その様子に村娘はにこにこしながらもアリシア達の服装を見た。

金髪の女はどうみてもどこかの貴族である事は間違いない。

着ているドレスは大人しめの薄いピンクに、着けている装飾品もそれぞれの主張は弱々しいが決して安い物ではなく作りは繊細。着ている人間をしっかりと魅せる為の最小限の輝きで抑えており、自分なぞ一生着ること触れることのできないであろうその素晴らしいドレスを見事に着こなしているのだから。


なんといっても村娘の注目がいったのは手である。

綺麗な手。爪の手入れも行き届き、

荒事や家事等も何も知らない手である。


なぜこの人はこんな辺鄙な村に来たのだろう?

村娘は疑問に思った。


それに隣にいる赤髪の女は村に入って来るなり、ガッチャガッチャと鎧同士をかち合わせて動く度にうるさくて敵わない。

その上、色々なコンセプトの鎧を着ており、正直

『私は騎士だ』なんて言われた日には自分が主であれば、即解雇である。

一言でいえば どうしてこうなった。

これに尽きる。

どうみても自分に合っていないものを無理やり繋げているだけなので動き辛いだろうし、むしろよく着ているな。と感心する。


なぜこの人はこの人と一緒にいるんだろう?

村娘はとても疑問に思った。


笑顔でいると赤髪の女は

「私達の荷物ごと引いたまま馬が逃げてしまった為、恥ずかしながら無一文なのです…」

その言葉に金髪の女が驚く

「え!?お金持ってないの?」


「災難ですね…」

赤髪の女に向けて言うが頭の中はパンク寸前だ

ただの旅人か何かの様に言ってはいるが、

当の本人の鎧はそれを完全に否定しているし、

この組み合わせはあり得ない。


「何か…ワケがおありなのですね」

それも深いワケが……


村娘は自分の想像領域を遥かに越えたこの二人組の事を考えるのを諦めた。


苦笑いしながらもルシリアは

あまりいい言い訳や説得力のある考えが思いつかない頭と

常識をあまり知らない自分とアリシアを呪った。


村娘はミズと名乗り、

この村の村長の孫だそうで

招かれるまま、村長に挨拶をしに行くことにした。


村の真ん中付近の少し大きめの家の前に着くと

「少し待っててくださいね、今お婆ちゃんを呼んできます!」と言い家の中に入っていった。


ミズが家に入って行くのを見送った後、


ルシリアはアリシアと口裏を合わせるべくアリシアを引き寄せ


小声でアリシアに囁く。


「アリシア、私達は旅人だ。

 サルスムーナからスデルーク城付近を経由して、今この村に来ている。


旅の目的はクムルンランドに知り合いがいるから会いに行くという名目だ。いいかな?」


アリシアは頷くと、自分のドレスを急にはだけさせると中から革袋を取り出した。


「ルシリア、あんたお金持ってきてないかもしれないけど。私ちゃんと金貨も宝石も持ってきてるわよ」


ルシリアは想定外の出来事にいつも以上にドヤっているアリシアを少しばかり見直した。


ルシリアとしてもお金がなくても自分の着ている鎧を換金できれば多額の金になる、と踏んでいた為、この鎧を手放さなくて済むのなら愛着も沸いてきた事だし嬉しい限りである。


そんなこんな考えている内に、ミズが一人の老婆を連れて家から出てきた。


「はじめまして。

儂がこの村の村長のシラズと申します」

ゆっくりと礼をするシラズにアリシアとルシリアは返礼する。


「はじめまして!私の名前はアリシア。

こちらはルシリアと申します。

わざわざ外までご足労ありがとうございます、私達は今クムルンランドに滞在している知人へ会いに行く途中だったのですが、スデルーク城近くの街道を進んでいたら竜に怯えた馬が私達を置いて逃げ出してしまったのです。」

はきはきと饒舌に話して聞かせるアリシアにルシリアは驚きながらも頷き、任せる。


「それは災難でしたね、

しかしこの村には馬は無いのです、少し距離としては遠回りになってしまうのですが、一番近くの街ニズウェルという所には三つほど牧場がございます。

ただ馬車と合わせますととてもお値を張るのと、クムルンランド領では他国の金貨が通用致しませぬ。

金そのものとしての価値は御座いますが、通貨の通りの金額は必ずといっていいほど望めませぬ」

ふむ、と顎に手を当て考えるような動作をとったあとにアリシアは続ける。

「実はクムルンランドの噂は聞いていたのですが、今回向かうのが初になりましてクムルンランドでの相場を知らないのです」

「私達クムルンの領土では通貨はこのような紙幣、ムルを使います。」

そう言うとシラズは一枚の紙を取り出した。

「この紙幣は1000ムル、他国の大銅貨とほぼ同等の価値を持ちます。

しかし、他国では勿論通用致しませんので国内で多目にムルと換金してしまうと国外へ出る時には使いきっていないと損をする事になります。それに…」



そこからはあまり実にならない話が続き、

あまり頭に話が入ってこなくなっていた。


「お疲れ様です、もしよかったら村を案内しますよ」

ミズが笑顔でこちらに窺ってくる。


つい先程、シラズの長い長ーい説明を受けたばかりだ。

あまりこの村に旅商人と国の配給以外に外から人が来ること自体滅多にないらしく、

シラズは久しぶりの話相手だとばかりに張り切って話に花を咲かせ続けた。

その時間およそ2時間半。

余所行きの顔で挑んだアリシアも終盤は顔がひきつっていた。

途中で何度も、話を切り上げようと話題を終わりに持っていくのだが、

不思議と気付けば新しい話題に変わっている…

もしかしてこのまま夜になってしまうのではないかと危惧していた所、

話が始まったときに自分の仕事に戻ったミズが仕事を終えて帰ってきて、

全く変わらない立ち位置で話をしていたのを見つけて驚いた彼女が助け舟を出してくれた。


心底疲れていたが、世間知らずな自分達にはシラズの話はタメになるものも紛れていた。


要約すれば、

クムルン領内では金や銀のような希少金属ではなく、独自の紙幣を使い外から入る金貨等は換金という名目でクムルンに溜め込む事ができるのだ。

勿論外の通貨から紙幣に換金するのにも手数料等がかかるので、外から入ってくる通貨を外に出さない為の政策等は抜かりないらしい。

尚、クムルンから正式に配布されている紙幣には魔法の刻印が為されており偽造も不可能に近いとのこと。

クムルンの領土になったばかりの頃はこの村も今までの通貨を取り上げられ、紙幣を渡された時は騙されているのではないかと困惑したらしい。

それとクムルン領になる村には配給を受け取る事が出来る代わりに労働者を首都に送る事になっている。

村で普通に働くよりもやはり稼ぎはいいらしく、

ランドへの出稼ぎのお陰で村に残った者も嗜好品を買うことが出来るようになった。

その為、若い子らにもランド中央へ出稼ぎに行くことを希望する者は多い。

道理で村に来てから年頃の男を見なかったわけである。

ランド中央で稼ぎ、そのままランド内に移住する事を視野に入れている者も少なくない。



そして話は大分戻る。


ミズに村を案内しようかと

訪ねられたアリシアは疲れた顔で微笑んだ。

「えぇ、お願いできるかしら」


ルシリアは既に半分以上沈んでいる太陽を眺めていた。

今回は少し長めです。

いつも読んで頂き有り難う御座います。

因みにこの物語はサイドストーリーなのですが、

メインの方の閲覧の低さと此方の高さにびっくりしております。。。

まぁ、あっちはまだ全然書いてないからかな(笑)

よかったら、異世界転生モノ(仮)も宜しくお願いします。

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