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囚われのアリシア~私にだって意地がある!~  作者: ホマージュ
第二章 遊戯大国クムルンランド  後編
29/51

ルシリア冒険者になる③(カルピス村の騒乱)

ごめんなさい、まじで眠い。

多分後で文章少し変わりますが、内容はおおよそこのまんまです。

ダメだ眠い


父が蒸発し7年、

元々気の弱かった母は周りからの目を気にして心を病んでいった。

心を病んだ母は次第に娘に手を上げるようになっていき、

それは他の村人の目にもつくようになっていた。

「弱いお母さんでゴメンね」

娘に手をあげて、ハッと我に返ってから涙ながらに謝罪する。

いつしかそれが母の口癖になっていった。


自分が被害者でありながらも、

母の事を心配し負担を減らしてあげたいと

娘はある日、満月の夜に穂先をあげる月光草(つきひかりそう)を採りに行った。


満月の夜に穂先をあげる月光草は単体では効果は無いが、薬草と調合すると効果を底上げする補助剤の役割を担うのだ。


「凄い…」

いつもは行かない、森の少し奥まった所に開けた月光草の群生地があった。

行商の人に聞いた通り、

其所には他にも色々な草花が実をつけ、花を咲かせている。


「月光草だけじゃない、日輪草もある。」

日輪草というのは一般的な回復薬の原料として有名な薬草だ。

単体では効果は極めて微弱だが、月光草と日輪草を合わせて、魔法の溶液と混ぜれば

一般市販されている回復薬(ポーション)の出来上がりだ。

日輪草自体は製薬知識がなくても取り扱える手軽さで需要が高いため、単価も高い。

しかし、日輪草は太陽光を吸収している間のみ葉を緑に変える特殊な薬草である。

日の当たっていない現状では葉は赤紫色になり、逆に毒素を持つ。

今は摘めないが、日が昇ってからも大きな収入の見込みが付く、穴場だ。

「お母さんもきっと…」

これだけの群生地だ。きっと2.3年はゆとりを持って生活していける。

母を休ませてあげられる。

その一心で月光草を端から摘んでいった。

時間は直ぐに流れていった。

籠いっぱいに月光草を詰めてから手を止め後悔した

「もっと大きいの持ってくればよかったな……」

辺り一面に広がる薬草の群生地を無言で眺めながらも

「仕方ないか…明日も満月は続くはずだし。今日はコレで終わりにしよう」

帰路につき、森の中。松明の揺れる火を見つけ向かう。

「え、お母さん?」

松明を持ってキョロキョロを何かを探す人影は家で寝ている筈の母だった。

「レフィー!」

母親は娘を見つけるなり松明を地面に刺し、駆け寄り抱きしめた。

「あぁ、心配した。こんな時間まで何してたんだい。アンタもいなくなってしまったら私は…私は……」


久しぶりに抱きつかれたためか、少し照れ臭い。

自分からも手を回し、母の温もりを再確認しながら

「お母さん、大丈夫。私は絶対にお母さんの前からいなくなったりしないよ。それよりホラ、見て。」

母親に籠いっぱいの月光草を見せると

母親も目を丸くして驚いた。

「こないだ来た商人さんから群生地の事を聞いたの。月光草だけじゃなくて日輪草もあるんだよ!これでお母さんお仕事ゆっくりできるから、ね」

「バカだね、私も。子供に心配されて…でも、こんないい娘を持てて幸せ者だね。」

久しぶりに頭も撫でられ、とても気分がいい。

もう一度母に抱き着いて、大好きな母の温もりに甘えた。

自分達を照らす光は満月のみ、周りは森で暗いけれど幸せだった。

3年ぶりくらいに抱きしめられ、頭を撫でられた。

村の友人達には恥ずかしくってこんな状況みせれない。


「…お母さん?」

急に黙り込んでしまう母に違和感を覚える。

母親はまだ抱き着いていようとする娘を無理やり引き剥がし、娘を村の方へ突き飛ばした。

「いたっ……」


「…走れっ!!」


急に怒鳴りだす母親にビックリして娘は無意識に走り出す。

先程まで熱い抱擁を交わしていたはずなのに、何が起きたのか。

少し離れてから母親を振り返る。



「なに…あれ……」


風に流され月が雲から顔を出した瞬間。

全てが月明かりの照明に照らし出され少女の最愛の母を飲み込む蔓の化物をライトアップした。

身体の半分以上、胸から下は既に呑み込まれ、右肩まで浸食は進んでいるが、左腕が辛うじて出ている


「お母さんっ…お母さん!」

思わず駆け寄り蔓の塊から出ている腕を引っ張る。

「逃げて!」

「いやだよ!お母さんが、お母さんが!」

言葉にできずにパニックになる娘に

「お母さんね、もう…ダメなの。」

「何言ってるの!?早く、逃げなきゃっ」

「もう、胸から下の感覚が…無いの」

よく見れば足元には真っ赤な血だまりができている。

「今までちゃんとした母親でいなかった罰が下ったのね…」

「やだ、いやだよ…お母さん。」

「レフィー、私は幸せよ?貴方が生まれてきてくれたんだもの。だからね、最後はいい母親でいさせて」

「お母…さん」

「逃げて…走って帰りなさい!早く!!」


レフィーは村へ走った、涙を流しながら。


母親の最期のお願いを胸に。





「ふーん」

自分の前髪をいじりながら上の空。

自分から聞いておいてまるで興味がありませんといった態度にレフィーはイラついた。

なんなのだ!

苛立ちに身を任せ二人を家から追い出す。

やっぱりこんなヤツラに何かを期待した自分にも苛立つ。



追い出されてそのまま帰路に就く二人。

「アリシア、お前信じているのか?」

「母親に会いたいって気持ちは私が一番…よくわかっているんだから」

「だったらあの態度はないだろ…」


早速レフィーのいう森の奥地へ向かう。


しかし群生地どころか、月光草の1つも生えていない。

帰路に着き、途中で村長から言われた分のダンスグラスを焼き払った。


とりあえずレフィーの家に赴き結果を告げる。

「なんもなかったわ、じゃ。」

伝える事だけ伝え、吉備津を返し村長宅に依頼達成の報告に向かう

「そう…」

ドアを閉めたあとレフィーは(うずくま)って、深呼吸をした。

「準備をしなくちゃ」




「ダンスグラス、焼いてきたわよ。」

村長宅にはいるや否や、そういうとアリシアは村長に詰め寄る。

「レフィーって子、なんであんななの?」

「あぁ……あれは例の嘘を吐く娘でして…」

「にしても扱いひどくない?同じ村の人間でしょ?」

「正直我々も困っているのですよ。あの子の言い分を聞きギルドに村外れの群生地を依頼することになったのですがね?

そんな人間一人を丸呑みするような魔物がいたらおっかなくてオチオチ寝ていられないじゃないですか。なのでね我々もあの子の言う場所に村の若い者何人か連れて見に行ったのですよ。

そしたら何も変哲もない、ただのダンスグラスだったのです。きっと魔物に母親が襲われたっていうのは嘘で、何処かで殺して魔物の所為にしたんじゃないかと…」

「なんで?動機はあるの?」

「普段から躾に体罰を選ぶ母親でしたので、ソレに耐えかねたのかと…親も親なら、子も子ですよ。とにかく関わらない方がよいですよ」

「ふーん。」

「全く、お陰で村から出す依頼費は嵩むは…とんだ疫病神だよ。」


最期の村長の愚痴を聞き切らずに村長宅からでていく。






その夜

レフィーは夢を見た

母親がダンスグラスに呑み込まれ、喰われていく様を。

手をどんなに引っ張ってもビクともしない

何故か掴んでいた筈の手は遠く、遠く離れていく。

手を伸ばしても届かない。

やっと、やっと…お母さんの役に立てると思ったのに。

うなされ

「お母さん!」

叫び息を切らし、目を覚ます。

荒れた部屋と妙に部屋を照らす月明かりがコチラこそが現実なのだと訴えてくる。


あの時もそう。外を眺め月を見上げる。今日も満月だ

あの時、確か…

そう、あのときも今みたいな満月だった。

途中で松明の灯りが消えてしまったと思ったら、足に絡みつくダンスグラス。

アレは普通のじゃなかった。

蔓は太く常に意思を持ち動いているように見えた。


そうか…満月だ。

満月の夜、灯りが消えた後あの怪物が出てきた。

昼に行ってもいない、夜行ってもいない。

きっと灯り無しで今行けばまた・・・あの化物を見つけられるかもしれない。

そしたらあの冒険者を呼んで倒してもらえば…

いや、見つけた後助けを呼びにいてもまたいなくなるかもしれない。

「それに…」

金髪の女の意地悪な笑みを思い出す。



私がやるしかない。


そう決意した。

母を喰い殺したあの化物を、

私をここまで追い込んだあの化物を

この手で焼き殺してやる



灯りを持たず村を出て、近くの森へ向かう。

鼓動が高鳴り足取りも目的地に近づくにつれ歩きからいつの間にか駆け足で向かうようになっていった。


…今。

今茂みが動いた気がする。

目的地まではあと数十mあるが、足が止まる。

第六感が警鐘をならす。

ここに何かいる、そしてそれはきっと危険なやつなのだ。

目を凝らし音のした茂みを見つめる。



いた。



周りの木と同じように擬態しようとしているが、蔓の太さが明らかに違う。

もういっそ先に火を点けてしまおう。

化物とはいっても火が怖いから松明のない時しか出てこないし化物は化物でも所詮木は木なのだ。

先手必勝。

火種を擦って火を起こそうとすると

聞き覚えのある声が聞こえる

『レフィ…ごめんねぇ……弱いお母さんで…ご…めんねぇ……』

間違いない、母の声だ。

声のする方、真上を見る。

木に巻き込まれながらもしわしわになってはいるが母だ。

まるで養分として血液を吸い取られたような、痩せこけた半木乃伊(はんミイラ)状態である。


その声で動けなくなり、へたりこむレフィー。

「お母さん…」

この間母を喰らったこの蔓の化物はレフィーの足に蔓を伸ばし既に捕捉している。

今度は私を取り込もうとしているようだ。

だが、それも悪くないかもしれない。

母の声を聞いてから戦意喪失し身体が動かない。


きっとこのままこの蔓の化物に母と同じく吸収されるんだ。


段々と身体を締め付ける蔓がキツくなる。もう逃げられない。

脚は宙に浮き力が入らない。


腕が軋む、痛い。



いやだ。

死にたくない。


「死にたくない…」

死に直面し始めて恐怖に涙が零れる。


「なんだ、死にたくないんだ?」

憎たらしい声が聞こえたと思えば蔓によって拘束されたいた身体は地面に落とされ解放される。

「お前は…」


「待たせたわね!」

金髪の憎たらしいアリシアという冒険者が現れた。

いや、助けに来てくれたのだ。





「ヒーローってのは遅れて登場するもんなのよ」

思わぬ加勢と生命の危機に直面した恐怖で涙が溢れる。

「お母さんを…お母さんを助けて…」

ムリなのは頭では解っているが無意識に言葉にしてしまっていた。

喋ったんだ、もしかしたらまだ生きているのかもしれない。と淡い期待が浮かんでしまったのだ。

泣きながらアリシアにすがるレフィー。

「え?お母さん?え、キモ。なんか木からしわしわの人間生えてる!?」


『い…たい、たすけ……て』


「え?アレ生きてんの?」

木から人間の木乃伊が生えているような状態で、木乃伊は言葉にならない声を逐次あげつつ、

偶にちゃんとした言葉を発する。


とりあえずその辺の木の枝に発火材で火をつける。

火を恐れてなのか、後ずさりしていく蔓の化物に

「逃がさないから」

木の化物を中心に、走りながら油を撒きながら少し大きめの火の円を描く。所謂放火である。


「どう?これで逃げれないわよ」


「…え?」

レフィーは何か重大なことに気づいたように顔が青く冷める

「何?新手かなんか?」

周りを警戒していたつもりだったが、盲点だった。

ここは森だ。ヤツらの庭で、ホームなのだ。

仲間を呼ばれていてもおかしくはない。


「…えっと、これどうやってでるの」


「は?」


言われてみればそうである。

木の化物を中心にアリシアとレフィーも火の円の中に閉じ込められた状態だ。


「くそ、消えろ!このっこのっ!!」

アリシアはレイピアで燃える火を切り裂く。


が、火は何事もなく燃えている。


「ねぇ。コレどうすんの…」

レフィーは自分の絶望的な未来を悟ったかのように顔面蒼白で崩れ落ちる


そんなレフィーを横目に頭をガシガシと掻き、仕方がないか。とポツリ。

火に囲まれた状態で辺りは暑く、汗も止まらない。

一呼吸おいて叫んだ。

「ルシリアー!暑いんですけどー!!」

そう叫び終わったと思えば、


――ィィン。


大きな音をたて、先程まで燃え盛っていた火の円は青銀の氷にすり替わった。


「ふふん、どうよ」

ドヤりながらのけぞっているアリシアの隣にいつの間にかいつも一緒にいる騎士が立ち並ぶ。

「お前は放火魔か」

騎士はアリシアの額を小突く。

「ルシリア、痛いじゃない。何なの?」

ルシリアと呼ばれた騎士はアリシアの一言を無視し、火と同様に凍り付かされた木の化物に触れる

「これがソウルプラントってやつか」

「あぁー、これが?そうなんだ?」

アリシアが、なるほど。とでもいうように頷きながら凍り付いた木の化物をペタペタと触る。


「お母さんは…」

レフィーは皴だらけながらも木の化物と同化している母親を見つめながら問う。

「残念ながら、死んでいたよ」

騎士ルシリアはあっさりと答えを告げる。

「でも…喋ってた。痛いって…助けてって…私に……ごめんねって……」

涙を堪える。


すると騎士ルシリアは鎧内のポケットから手帳を取り出しページを捲る

「これだ、ギルドの危険生物手帳にある。」

手帳の木のマークのあるページを見せられる

「ソウルプラントは捕食した人間や動物の最期に発した言葉や鳴き声を発するが、捕食対象は死んでいる為、騙されないように注意。

死亡直前に発した言語を脳に焼き付け、ソウルプラントが信号を送る度に、捕食された対象は言葉又は鳴き声を発する…?」

「そうだ、死んでたんだよ」

再度告げられた母の死を解ってはいたのに…涙が止まらない。


「ルシリア、言い方ってもんがあるでしょー」

アリシアはあーあ、泣ーかした。と言わんばかりにニヤつく。



…このアリシアってヤツはホントに性格の悪い女だ。








「ねぇ、ルシリア。」

御者台に座り手綱を握るルシリアにクタッとしたアリシアが問う。

「なんだ?」

後ろのアリシアの方は向かず前を向いたまま応えるルシリア。


「よかったの?お金。」

「あぁ。母親を亡くした子供への見舞金だ、孤立しててもあれでなんとかなるだろう」


レフィーの家にこれまでの依頼の報酬を一晩の宿代として置いていったのだ。


「いや…普通あんな化物直接見せたら本当だったのが解って孤立はしないと思うよ。」

そう。

昨日の夜のうちに氷漬けにしたソウルプラントを村長宅に届け、村人達の誤解を解いたのだった。


「…まぁ。好きなように使えばいいさ。」

「ルシリアってつくづく甘いわよね、女の子に。」

アリシアは無州腐れながら御者台のルシリアの横腹をつつく。


「というかお前は考えが甘すぎる。昨日の放火は私が助けなければ二人とも死んでたぞ」

「でも…何も言わなくても助けてくれてたでしょ?」

意地悪くニヤニヤしながらも答えは解っているのに敢えて聞いてくる。


「まぁな」

そっぽを向くルシリアの背中に抱き着きながら

頼りになる妹に信頼と愛情を込めて放つ


「そんなアンタが好きよ」


ルシリアは返事はせずただ馬に鞭を討ち続けるのだった。




キリよく書ききったのでごめんなさい一旦寝ますが、予約投稿で7時頃投稿されます。


最近肩こりがハンパないのです。

若いころは寝れば何でも治ったのに・・・

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