ルシリア冒険者になる②(カルピス村の騒乱)
またまた分割しちゃいました、テヘ。
一個で纏めて出そうと思ったのですが、過去最長になって長かったです。
なので今回の分割には正当性があります、ええ。
「…なんか出た。」
ポカンとするアリシアに
「お前、魔法使えたのか」
驚きを隠せないルシリア。
「いや、初めて…え?私魔法使えるの??」
「試しにもっかいやってみろ」
「…わかった!」
そしてアリシアは先程と同じように剣先をビョンビョン振り回す。
しかし、
10分経っても何も出ず、
ただただアリシアの二の腕が鍛えられただけだった。
「あー…ん、腕がぁー…」
馬車の中で喚く。
もはや何事もないかのようにルシリアは華麗にスルーする。
駄々をこねつつ馬車の中で転がりながら色々と喚くアリシアはだらしなく、人様にみせれるような状態ではなかった。
街道は魔物避けの札のお陰で魔物は滅多に現れない。
何事もなく、目的の村へ到着した。
40代の働き盛りの若々しい村長が村を軽く案内してくれる。
村の案内を丁寧に受けるなか一ヶ所だけ明らかに無視され紹介されない家があった。
人が住んでいないのかと思えば、その家の窓枠に隠れるように頭を突きだしてこちらを睨む村娘を見つけた。
依頼主はこの村を代表してこの村長が。
依頼内容の照らし合わせが行われるのだが、
どうにも村長は乗り気では無いようだ。
「今回、来ていただけたのは感謝しますが、騎士様をお呼び立てするような大事では無くてですね、拍子抜けさせてしまって申し訳ないのですが、
先程見てもらった様に村に危機など無いのですよ。」
「どういうことだ?」
「いえね、今回ダンスグラスの討伐という形で依頼をする事になったのですがね?…ねぇ?」
「はっきり言いなさいよ!」
アリシアが痺れを切らし割り込む。
「まぁ、ダンスグラスというのも魔物ではありますが我々の村では一般的な物で農業をするときの畑の肥やしにわざと増殖させて使うような無害な魔物なんですわ。」
「では何故依頼を?」
「それは…」
ゴニョゴニョと言葉を濁した後、ルシリアをチラと見るとゆっくりと話始めた。
少し前に村の娘が村外れの森にあまり高価ではないが見つけやすい薬草を取りに行った。
帰りが遅くなり、心配した母親が娘を探しに出たところ娘と合流した後、魔物に襲われた
その話は村に娘が戻るなり、すぐに村中に広まり
村の男衆でその娘の言う場所まで行ったそうだ。
しかし、そこは母親の死骸もなければ血の跡すら何も残っていない。
そこにあるのは”ただの”何の変哲もない野生のダンスグラスの小さな群生地のみ。
試しに燃やしてみたらいつも通り直ぐに燃えて灰になった。
翌日、村人たちに既に人を食べる魔物がいるという噂は広まっており、
村人の安心を買う為にギルドに依頼をしたのだそうだ。
しかし、ギルドの使者に話をする際にその娘がしゃしゃりでてきて、
「ただのダンスグラス討伐」が「人を襲うかもしれないダンスグラス討伐」に切り替わり、
金額が3倍に跳ね上がってしまったのだそう。
それから暫くその森に何人も村人が薬草採集に出かけるも何事もなく平和に時が過ぎる。
次第に「魔物がでた」というのは嘘なのじゃないかと囁かれるようになったという。
「なるほど。」
「村としては一度交わしてしまったものなので一応額面通り謝礼は出しますが、ただダンスグラスを焼くだけですので
……まぁ今日は日も傾いておりますので一晩お休みになられて、明日ダンスグラスの対処だけお願いいたします。」
「ふーん、わかったわ」
その後は村長の案内でこじんまりとはしているが内装は綺麗に片付いた家に案内される。
聞けば来客用の家のようで、ある程度の家具とある程度の食料は備蓄されていた。
食事に我儘を言わなければとりあえず数日生活する分に困るものはなさそうである。
「ねぇ、ルシリア。」
「なんだ?眠れないのか?」
「…見た?」
「何をだ?」
「………やっぱいいや。アンタっていつもちゃんと寝ないよね。」
「私がちゃんと眠ったら70年は起きんぞ」
「ヤバ。寝坊にも程があるでしょ」
「私は竜だからな、一晩仮眠したら5日は丸々動けるんだ」
「寝坊助なのか働きものなのかハッキリしろよ。」
「少なくともアリシアお前は寝坊助だな」
「ムキー!言ったわね!私だって暫く寝なくたって平気だもん」
「言ったな?」
「今夜は寝かさないわよ」
朝方。
ルシリアはベッドに腰かけ、
すぴすぴと幸せそうな顔をして眠るアリシアの頬をつつきながらやさしく微笑んでいた。
「は!」
ガバっと起き上がり辺りをキョロキョロと見渡す。
ルシリアは既におらず、庭先の井戸を引いていた。
「アリシアお早う。」
「・・・いつ起きたの?」
「言ったろう、私はあまり眠らなくても平気なんだ。」
「私、寝てないし…」
井戸からくみ上げた桶の水を瓶に移し、ルシリアは笑う。
「そうだな。意外と長く起きてたな。疲れてるだろ?朝くらいゆっくりしてろよ」
「・・・。」
妙に優しいルシリアに違和感を持つアリシア。
おかしい。いつもならイヤミの一つでも言いながらいじってくるのが常なのに。
そうは思いながらもお言葉に甘えてベッドの中に戻るのだが。
ベッドに飛び込み顔を埋める。
なんだかこういう生活も悪くないかもしれない。
なんだかんだ言ってルシリアは私をずっと助けてくれるし、
まるでお母様の……
何考えてるんだ、お母様の為に
ルシリアはルシリアで友人を探す為に
私は…
仰向けになり
窓から顔にかかる日光を遮りながら
「あの子も多分母親に会いたいんだろうな」
ポツリと呟く。
「村長達は疑ってるみたいだけど…」
なんだかその娘の事を考えれば考えるほど気になっていった。
ルシリアが水の並々入った瓶を片手で持ちながら戻ってくるなり、
アリシアは出会い頭に
「ねぇ、母親が食べられたっていう女の子のとこ行きたいんだけど」
そういうとルシリアは笑顔で承認した。
その家は厄介者として避けられ、
村八分になってこの家と娘を疎外しているのが一目で丸わかりだ。
アリシアはノックもなしに、
家のドアを開けて中に入っていく。
「きったない家ね」
家の中散乱する服や食器を我関せずといったように気にせず踏み、皿や花瓶を割る
「誰!ここは私の家よ、出て行ってよ」
髪の毛はボサボサで目には深いクマを作りながら
威嚇をするその手には包丁を握りしめていた。
「あなた、村でいじめられているの?」
「うるさい!どうせ誰も信じてくれないんだ!」
そういうと先程まで片手で持っていた包丁を両手で持ち直す。
アリシアは勝手にリビングの椅子に腰かけ少女を見つめる。
痩せこけ肌は荒れ、クマも作って髪はゴワゴワ。
「不潔よ、貴方。それに匂うわ」
アリシアの悪態に覚悟が決まったのか、声を上げながら包丁を持って突進する少女。
あと数センチで刃が届く、といったところで鎧の騎士の脇に抱えられ包丁を床に落とした。
「何しに来たんだよ……」
抵抗も空しくガッチリとホールドされて身動きが取れず、
悔しそうに言葉を漏らす。
「私達はギルドから派遣された冒険者。貴方の話を聞きに来たの」
お疲れ様です、
転職しました。
想像以上に忙しくてオドロキが隠せません。
その内転職活動中に見た夢の物語も載せたいと思ってます。
そういえば給付金まだ貰ってないな・・・いつくるんだ
マスクももらってないぞ!?




