表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
囚われのアリシア~私にだって意地がある!~  作者: ホマージュ
第二章 遊戯大国クムルンランド  後編
27/51

ルシリア冒険者になる①

幸運の申し子ジードさんは暫く出てきません。


またまたアリシアさんサイドの目線で物語が続きます。

「おい、見ろよ。」

それまで酒を呑みながら自分達の武勇伝や、上司やパーティーメンバー、依頼主への愚痴を言い合っていた男達は疎らだが皆一様に入り口から入ってきた者に注目を集めた

「あれが…?」


まだ日が出て時間もあまり経っていないというのに甲冑と鉄仮面を被るその人物は見るからに雰囲気から周りのソレとは違っていた。


皆の注目を浴びながらもその人物は何の気なしにスタスタとど真ん中を歩いていく。


殆どはその人物に注目をするのだが、

その甲冑の人物の後にひょっこりと着いてくる天使に目を奪われている者も多数だ。

そしてその視線は嫉妬の眼差しとなって甲冑の人物に向けられるわけであるが…






クムルンランドは国をあげて

大陸全土に働きかけ、

人類最高戦力で竜の討伐に踏み切り、

そして、敗れた。

その際の人々の絶望のしようは目も当てられない程であった。

唯一救いがあったとすれば、特に犠牲者もなく撤退できたという事だ。

今回は討伐という名目で出発したが、途中偵察に切り替え、竜を調査したのだ。

そして此方から手を出さねば手を出されない、あの城に異常なまでに執着しているという事を報告した。


しかし、竜の討伐達成の報せを待っていた観衆の期待外れ感は否めない。

そこに、




『大型新人現る!!』




そんな見出しと共に自由連合(ギルド)の見出しと共に描かれたのはルシリアであった。

登録初日からC級試験の記録を上書きした。

竜によって(もたら)された世間の落ち込みを逸らすための新しいニュースが奇しくも同じ竜によるものだと、

今はまだ知るものは少ない。



ここ連日クムルンランドのギルド内ではその鉄仮面の剣士の噂で持ちきりだ。

急に現れた新人が危険な任務すらもすらすらとこなしていくのだ。しかも戦力外の美女を連れて。


普段のルシリアは何を気に入ったのだろうか鉄仮面を被り素顔を隠していた。




「今日もありがとうございます、ルシリアさん。」

ギルドの看板娘猫の様な耳のレウニが応対する。

レウニは三毛猫の獣人である、

パッと見は人間に見えなくもないが、

肘から先はもふもふとした毛皮に覆われ、猫耳と尻尾でおおよその感情が見てとれる為、其処も人気受付嬢たる所以である。

「今日は何かいい依頼はあるか?」

「此方はいかがでしょうか?」

「『ダンスグラス』除去?」

「はい、ここランド中央から南西方面に位置する村なのですが、村の周辺でダンスグラスという魔物が発生したようです。一部群生されていると、伺っておりますので火種や油を持っていくことを推奨致します。また群生地には稀にソウルプラントと呼ばれる上位種がいることがございます。なのでダンスグラスは本来はC-なのですが…」

「ふーん、それがいるとこのランクC+になるってこと?」

「そうです。正確な事は言えませんがクエスト受付時に報告頂いた状況から少し経ってますので可能性が高まっておりまして、安全性を踏まえてBランク以上の方々しか受けていないのですが、この間のワールドボアの事も御座いますので」

「試金石か…」

「ギルド長からも認可がおりております」

「…断る理由はないな」

「ありがとうございます。それと…」

「あぁ、連れは気にしないでくれ。私といれば危険は無い。」


そこまで言うと周りからは野次が飛ぶ

「ヒュー、かっこいいねぇ」

「危険な任務の間、俺らがお姫サマを大事に大事に囲っといてやるよぉ!」

下卑た笑いが起こり、それは同調を起こす。

盛り上がりに盛り上がり、

男の中の一人がアリシアの手を引っ張ろうと手を伸ばす。

が、動かない。

鉄仮面の中から異様な殺気を感じとり、

手を引っ込める。


その殺気は周りを

巻き込み酒場にいる男達は皆黙りこくる


ルシリアは何も言わずにギルドを去る。

その後ろについていく金髪の女性が微笑み、男達に手を降る。



静まり返った酒場に一人が呟く。

「天使だ…」

まるで蛇に睨まれた鼠の様に動けなくなった所に垂らされた釈迦の黄金の糸。

「尊い…」

「守ってあげたい…」

口々に男が惚気だす。

「お前にゃ、無理だよ。」

「俺だって…」

「あの騎士に勝てんのか?」

「いや、まぁ…。料理なら?」

「あぁん?お前の料理なんてとりあえず焼くだけだろうがよ!」

「素材本来の味を楽しむのにはそれくらいが丁度いいんだよ!」

言い合い、取っ組み合う。

男達の取っ組み合いを見て、受付嬢のレウニはため息をつく。

ついこの間までは皆自分にゾッコンだったというのに今じゃ…


醜い男の争いの渦中にいる間はチヤホヤされてとても気分がよかった。

ご飯やアクセサリーなんかも勝手に男が言い寄り困ることなんて無かったのに、

今では自腹でご飯代を賄う。

「まぁ、これが普通なんだけどね…」


ため息混じりの呟きは虚空に消えた。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ねぇ」

「んっしょ、何?」

「なんで剣なんか持ってんの?」

ルシリアは眉をひそめる。

「私も冒険者だもん、戦うし」

プルプルと震える腕。

剣を腕を伸ばして持っているだけで限界のようだ。

「使えんの?」

「まぁ、見ててなって。私だって王族の端くれ。剣の1つや2つ、ちょちょいのちょいよ」






街道に異様な程豪華な馬車が停まっている。

少し離れた所でアリシアとルシリアは立っていた。



「ど…どんなもんよ」

息を乱しながら胸を張るアリシアにルシリアは何も言えずにいた。

「これほどまでとは…」

アリシアが先程まで戦っていた(?)のはスライムだ。

それも自我を持たない株と呼ばれる魔物。


アリシアの振るった剣はヨレヨレで空を切るばかり。

命中率0%をマークし、

挙げ句の果てには剣を放り投げ、足で踏み潰し始めた。

踏み潰してやっとダメージが通るが既に手には剣は無い。

全体的に潰し終わったと思えば、放り投げた剣を拾いあげ、再びプルプルと震える腕で剣先を空に向けポーズ。



「無理だ。」

「無理じゃない!」

「1度でも攻撃当ててから言えよ」

「違うの!」

「何がだよ」


「剣が重いの」

「見ててわかるよ」

「じゃあ、どうにかしてよ」

「は?何言ってんだお前。」


アリシアの横暴に

ふぅ、とため息をつきながら

馬車の荷台からレイピアを持ち出す。

「ほら。これならどうだ。」


「そうそう、これよコレ!小さい頃沢山振ったわ」

「振ればいいってもんじゃねぇぞ。」

ブンブンと剣先を小刻みに振り回すアリシアに叱咤する。


「わかってるわよ、見てて!私の剣捌き!!」

さっきよりも小刻み且つ高速でビョンビョンと振り回す。


やれやれ、と言わんばかりにため息をつくとルシリアは馬車の方へ向かった


「ーッ」

音とも言えない鋭く空を斬る風がルシリアの背後から飛び、近くの岩の一部に亀裂を入れる。


「え?」

ホントはもっと続きも書いてあるのですが、

ここでいいや。キリいいかもと思い、切り離しました。


近いうちにすぐ続き投稿します。

宜しくお願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ