紅龍アレルギド(ルシリア)の足跡
やっぱアリシアさんのがPV伸びが半端ない。
なんで?
それはさておき、去年の3月23日投稿の第11部にて、
もう少ししたらルシリアの番外編で過去編やると言いましたが。これです。
1年と18日経ちましたね。
もう少しって何www
とりあえずこれがルシリアさんの過去番外編です。
変な文章かもしれませんが、相変わらず宜しくお願いします。
タイトルは何となく、足跡。にしました
「シバ!」
「アレルギド、きっと貴方を…貴方を解ってくれるくれる人がいる」
「何を…」
「…私じゃなかった、っ、私ではっ、足りなかった…。」
シバは涙を落とす
「だからさっきから何なのだ…!」
「さよなら。次に目覚めた時に貴方をまた笑顔にしてくれる人が現れる事を心より願っているよ。」
身体が光に包まれ自由が利かなくなってくる。
「おい!ここから出せ!何のつもりだ!!」
笑顔のまま涙を流す彼女を最後に意識は途絶えた。
『―――…ずっと孤独だった。―――』
気が付けば自分という自我はソコにあった。
力を入れれば空も飛べるし、
周囲に別の生物も生息し、食べ物に困った事はなかった。
少ししてからだろうか
数百年か、はたまた数千年か。
ただ、喰って寝る。
それだけで時間を泡のように費やした。
気が付けば、身体は大きくなっており。
食べ物を得るのに少しづつ不自由が出てきた。
そんな頃からだろうか。
考える、という事をし始めたのは…
身体が大きいが為に、見つかりやすく、獲物に近づけばすぐに逃げられてしまう。
お腹に力を溜め、息を吐けば紅く熱い息になる。
但し、その前には必ずと言っていいほど生理現象のように冷たく蒼い塊も出てくる。
コレが何なのか、よくわかりはしなかったが気にも留めなかった。
考えて動くというのはいいもので色々な事に慣れてくると大きな洞窟等で普段は姿を晒さないのがいいと思うようになってきた。
すると暫くしてから二足歩行の食べ物が洞窟で眠ろうとする私を見つけて、足元で土塊を当ててくる。
私を食べようというのか?
痛みを感じるどころか外皮に傷一つつかない。
じろりと目線を動かせば、気づいたようですぐさま逃げ出す。
(なんだというのだ、こんな眠い時に)
さっき喰ったばっかりで腹はすいていなかった。
(まぁ、いい。あんな小さいものに私はどうにかできん。)
とりわけ気にせず、涙を溜めつつ欠伸をしそのまま見逃し眠りについた。
外皮にヒビが入り、古い鱗は岩のように崩れ剥がれ落ちた。
(眩しいな。)
日の光に閉じた瞼の下を焼かれる。
久しぶりに動かす四肢は堅く、ぎこちない。
岩からでれば何やら足元に変なものが出来ていた。
それはそこら一体に広がっていった。
最初は潰したらなんだかスカっとしたんだ。
沢山潰していたら今度は二足歩行のが沢山でてきた。
なにやら木の台に色々載せて勝手に持ってきたのだ。
(なにやらいいにおい…)
試しに食べてみたら口の中に甘いモノが広がる。
なんだ?
こいつらこんなの持ってるのか。
潰せば数が減る、でも見逃せばまた持ってきてくれるのではないか。
少し思案し、洞窟に戻っていった。
(私は今はその二足歩行の、人間と一緒に暮らしている。)
暮らしているとはいっても、長い間、旨いモノをもらう代わりに他の人間を踏みつぶしたり。
お願いをされたら見返りを貰い、願いを叶えてきた。
そんなことをこの人間達と行い、何世代も人間は変わっていく。
気が付けば人間が使う言葉や知識も人間から知りえる様になった。
眠って起きたら寝る前までコンタクトをとっていた人間は既に死んでいる。
起きている時間こそ長いが、眠っている時間も相応に長い。
人間は代表で私と意思疎通を図る仲介する一族を決めた。
その一族は、私の仲介役として色々な事を願ってきた。
主に蜂蜜や果物が好物ではあるが、献上品は都度変わった。あおれはそれで色々なものを食べれてよかったのだが…
私には休眠を取る周期が必ず存在していた。
人間でいうところの67年間は眠り、113年間は起きている
タイミングとしては起きて100年を越えたあたりだっただろうか。
シバという少女に出会った。
これから30年ほど、私との仲介役、言うところの司祭役を務めるという。
司祭引継ぎはこの私の部屋で行う。
私はこの昔からの洞窟が気に入っている。
そこに宮のようなベランダを造り、建物の一部 謁見の間として利用している。
当時彼女は10歳。
彼女は他の人間とは違い大きく目を見開きじろじろと私をみてくるのだ。
気持ち悪いったらありゃしない。
前任の人間が部屋から出ていき
「紅龍アレルギド様、願いがあります。」
と10歳の少女はかしこまって礼服で頭を垂れ、床に着ける。
了承のサインに鼻息を一度吹いてみせる。
ここまではいつも通りだった。
「疲れちゃうから普通にお話してもいい?」
「!?」
驚いた、あっけらかんとした態度で先程までとは違い、ふにゃっとした表情で。
いいわけがない。
ここまで不躾で失礼な態度。
早々に立ち去れ、とばかりに灯されている松明を全て息で消す。
こうなった場合、龍との交渉は決裂を意味する。
扉の閉まる音がし、帰ったようだ。
少しすると松明の灯りが見える。
何故だ?消したハズなのに。
見れば先程の10歳の少女が点火用の松明を持ってまた四隅の松明を点けているじゃないか。
「ねぇ、アレルギド。お話しましょ。」
正座をし、もってきた点火用の松明の灯を消し、自分の左側に置く。
少女のお話というのは一方的だった。
木のみを踏んずけて転んだ話や、一族の両親の痴話喧嘩に対する不安だったり
おいしい食べ物の話は少し気にはなったがそれだけだった。
一晩中ずっと聞いてもいない話をベラベラベラベラとしゃべるものだからずっとスルーを続けていた。
もはやそういうBGMとして聞き流すことにしたのだ。
それが何週間も続き、朝になりしゃべり疲れてはその場で眠り、を繰り返している内に我慢の限界が来たのだった。
いつもどおりのように日が暮れると、松明の灯りが灯される。
「いい加減にしないか!小娘。いつもいつも五月蠅い。お前ら一族とて、喰い殺してやろうか!!」
その怒りの雄叫びは洞窟内に響き渡り、建物も洞窟全体も振動で揺れる程であった。
当のお叱りを受けた小娘は固まり、
手を合わせ口をあんぐりと開けてこちらを見ている
いや、羨望の眼差しである
「はじめてお話してくれたのね、とっても嬉しいっ」
無邪気に笑うその少女は手すりに身を乗り出し満面の笑み で両手を差し出す。
「私と、お友達になろうっ!」
何を言っているのだ?
人間というのはこんなにも聞き分けの悪いものだったか、
いや違う、この小娘だけだ。
頭が痛い。
これから30年、短い時間ではあるがこの小娘が司祭か…
とはいっても残り10年ちょっとでまた眠りにつく為、それまででしかないのだが…
「アレルギド!なんかおいしいの持ってきた」
「まーたお前は…」
そんな事を言いつつも一緒に食べるのだが…
確かに旨い。
「コレね、団子っていうんだって。甘くっておいしいね♪」
気が付けば3年。
遂に根負けし、
いつの間にやら
宮からでなく一緒に洞窟の中横に座りおやつを分け合うようにまでなっていた。
決して甘味につられているわけではない、断じてない。
おやつを食べているといつものように司祭であるシバは話をしだす。
「私ね、初めて貴方を見た時の事まだ覚えているわ。」
「? 引継ぎのときか?」
「んーん、違うの4歳の頃一度だけ貴方を初めて見たの、そして思ったの。大きいな、カッコいいな、キレイだな。って」
「そうか…」
褒められているのだ、悪い気はしない
「それから10歳になるまで貴方にもう一度会いたい一心で礼儀作法も、儀式の執り行いも、全部全部頑張って覚えたわ」
「うそつけ。礼儀なんてまったくないじゃないか。」
「だってもう友達でしょ?凄く硬ぁい、ゴリゴリいってるw」
そういうと笑顔で尻尾の鱗に顔を擦り付けてくる。
いつもこのマイペース。
段々こっちは疲れてくるし、人間にはまだ有効に旨いモノを調達して貰わねば困るんだ。
一時の短気でここまで築いた人間との関係を壊したくない。
ただそれだけのハズだったのに…。
「アレルギド!私一度貴方の背中に乗って空飛んでみたいの!」
「蜂蜜を瓶一つ分だ」
「アレルギド、そんなん無理だって!今蜂蜜とれないもん!」
しかし言われてみればここ千年程は翼を使っていなかったかもしれん。
偶には飛んでみるか。
「アレルギド!お願い今、川が増水してて橋が流されそうなの!」
「アレルギド~もっかい空行こう。」
「アレルギド、山火事が起きてるの。私達の蜂蜜を守って!」
「アレルギド?何、眠いの?」
「アレルギド、貴方のお陰で今年は大豊作よ!おやつは期待してて!」
「アレルギド、お母様が……」
「アレルギド、病気が蔓延しているの、助けて!」
「シバ、お前。私をコキ使いすぎじゃないか?」
「だって、お姉さんみたいで頼っちゃうんだもん」
お姉さん、か…
手の掛かるシバ。
でもこの子の為なら多少のメンドクサイも我慢できるようになってきた。
この子の笑顔が見たい。
この子の喜ぶ顔を増やしたい。
なんて気分だ。
種族が違うだけ。
大きさが違うだけ。
ただそれだけ。
心は通わせられる。
不思議な気分。
また日が昇ったら、いつもの笑顔で会いに来る。
まだか?まだ日は昇らぬか?
「ふぁ」
…欠伸が出る
もしかしたら眠る時期が近いのかもしれない。
いつも気持ちの良い時間をくれるシバ。
あの子に何か残せる物はないか。
「私があの子に差し出せるもの…」
「シバ。今日は私からお前に贈り物がある。」
「え?何々?色んな蜜の味を知った今の私じゃ、ちょっとやそっとじゃ喜べないよ?」
「ハードルを上げるな、ただのお守りだ。」
およそ2千年前に脱皮した外殻の一部を爪でちまちまと年数掛けて削り、シバの首飾りに丁度いい位の大きさまで削り切った。
不格好だが”ひし形のペンダント”気に入って貰えるだろうか。
心配は杞憂だった。
心優しいこの子は泣きながら喜んで飛び跳ねていた。
「―ド、――ル―ド?」
「ぬぁ」
「どうしたの?眠いの?」
「そしたら今日はしっかり休んだ方がいいわ。こないだあんなに沢山飛んだんだもの。疲れが溜まっちゃったのよね」
「あぁ、すまん。」
「じゃあ私も冬場は寒いから中で休むわ。おやすみなさい」
「あぁ、お休み。シバ」
疲れ…?違う。
既にシバは大人になった。
あれから、シバが祭司になって、どれくらいの刻が流れた?
少し前からちょくちょく意識が途絶えるようになってきた。
…休眠期間か?
いやだ。
いやだいやだいやだいやだいやだ。
眠ってしまったらシバにもう会えない。
眠っている間にシバはいなくなってしまう、いやだ。
シバの為なら…シバの為に……出来ることを、何か…
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勝手に涙が溢れてくる。
「まだ、まだ一緒にいたいよ、アレルギド…」
ここ数年アレルギドの様子がおかしい。
今年で私は32歳。
本来ならばアレルギドは既に9年程前には休眠期に入っている筈なのだ。
だからこの10年近く、アレルギドの元へ行くのが怖かった。
一度眠ってしまったら私が死んでも70年位は目を覚まさない。
怖い。
もし、会いに行ったとき既に眠っていたら?もうお話は出来ない。
母の死を最初に伝えたのもアレルギド、
村の危機を助けてくれたのもアレルギド、
アレルギドに依存し、頼り切っていた。
そんなアレルギドを失えない…。
でも龍にとって休眠期というのは長命である龍にとってはなくてはならない重要な物。
一子相伝で一族に口伝される龍の秘密の中に……
そんなある日、
1人の侍女が必死に泣きついてきた。
「シバ様!どうか、どうかお逃げください。村の中で貴方様と紅龍様の命を狙っている者がおります。」
「急にどうしたのよ。」
「シバ様と紅龍様は私の!いえこの村を幾度となく救った救世主で御座います。しかし、平和な日が続いていくと、人は怖れるのです、自分の持ちえない力を持つものを。」
「……でも村の者にアレルギドを殺せる人なんかいないわ」
「それが…紅龍様を殺す手段があるようなのです。だからお願いです。シバ様と紅龍様だけで構いません逃げてください!恩人の貴方がたを見殺しにしたくないのです!」
「…こんな人前で、貴方が死んでしまうわよ。」
「シバ様と紅龍様が助かるのであれば私の命は構いません」
そういった彼女は次の日には行方不明になっていた。
そう。
その通り。
龍の殺し方はある。
しかし、それを知る者がいる?
どうして?
一族の秘密を誰が…?
私は村に龍を馴染ませる為、怖がる人がいなくなる様に村の有事にはアレルギドを頼ってきた。
それなのに…
もっと皆龍は怖くない、かっこいい生き物なんだって……
一度、村の集会所に行ったことがある。
村人の私に対する嫉妬の声、何を考えているかわからない龍を恐れる声、龍を自在に操るシバを恐れる声
「…ホントは全部、全部わかってたんだ」
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ある日、シバは泣きながらやってきた。
「何があった」
「侍女が一人、崖から突き落とされて死んでいたのが発見されたの」
「それは…」
その侍女には申し訳ないがシバ以外の人間はあまり区別がつかない。
ただ慰めの言葉をかけてあげたいが、見当たらない。
しがみつくシバを優しく包み込んであげる事しかできなかった。
「やり方、間違ってたのかな…?」
「シバは間違ってなんかいない」
「何のやり方か…聞かないの?」
「いい、大体わかってる。私は龍だから。見える範囲も人間とは違うんだ。」
私が…
「んっ」
また意識が遠のいていた。
気を抜けば飲み込まれる。
どうしたってこんなに眠いのだ。
少し長く起きているだけだというのに、
身体が無理やり休眠しようとするのを無理やり精神で抑えつける。
首に抱き着いたままシバは愛の言葉を囁く
「私、貴方を愛してる」
突然の事だが
「私もだ、シバ。お前だけは絶対に護るからな。」
しっかりと気持ちに応える。
私がシバに抱くコレはただの友情ではない、人間のいう愛というやつなのだろう。
私の返事を確認してか、また涙を流すシバ。
同時に足元が紅く光る。
魔法陣のようなものが展開される。
「オ、おい!シバ。なんだこれ。」
洞窟の入り口からは敵意を持った人間の気配が大勢近づいてくるというのに。
動けない。
「シバ!」
首に抱き着くシバに再び叫ぶ。
「アレルギド、きっと貴方を…貴方を解ってくれるくれる人がいる」
「何を…」
「…私じゃなかった、っ、私ではっ、足りなかった……。」
シバは涙を落とす
「だからさっきから何なのだ…!」
「さよなら。次に目覚めた時に貴方をまた笑顔にしてくれる人が現れる事を心より願っているよ。」
身体が光に包まれ自由が利かなくなってくる。
「おい!ここから出せ!何のつもりだ!!」
笑顔のまま涙を流す彼女を最後に意識は途絶えた。
私が贈り物として渡したひし形のペンダント、あれを媒体に封印されたのだ。
でも封印されている間、何も考えていなかったわけではない。
考えたらわかるさ、浅ましい人間の考えなんか。
シバは優しすぎた。
しかし他の人間は違った。
自分勝手にアレルギドを連れ出し、その力を行使する。
今まで誰も出来なかった事を成し得るシバは羨望の眼差しと共に嫉妬、
そして未知の力を思うままにふるう恐怖の念を多く集めていった。
シバがこの世界を滅ぼす事を望めば、竜は滅ぼすだろう。
もしシバが自分たちの敵になってしまったら?
考えれば考えるだけシバという存在のイメージは恐怖の色で染められていく。
いつしか、多くの人間に
「シバが暴れる前に殺してしまおう。」
「竜も殺してしまおう。」
という思想が芽吹きだす。
封印された後も
何百回も私の封印を解いて力を手にしようとする人間が現れたよ。
でもその度になんか気に入らなくて、
「契約を承諾した」後に食い殺していたよ。
本当は契約なんていらない。
後付けだ。
それっぽい事をいい、本性を探るための罠だ。
皆、私の願いを「叶えてあげる」という。
短命な人間風情が。叶えて【あげる】だと?
勘違いも甚だしい。
しかし、アリシア。お前は違った。
最初からかしこまった感じもなく、ただただ惹かれたよ。お前の純粋な心に。
まるでシバを見ているようだった。
見た目は違うけど、
でもシバ、お前が言っていた人間、きっとこの子だろう?
「そんなん、できない」なんてよく私に言ったもんだ。
シバとの初めての会話を思い出したよ。
「紅龍アレルギド様、願いがあります。」
「疲れちゃうから普通にお話してもいい?」
「アレルギド、そんなん無理だって!今蜂蜜とれないもん!」
「アレルギド、それはおかしいって」
「アレルギド!」「アレルギド~ぉ」「アレルギド?」「アレルギド…」
「アレルギド」
大好きなシバ…
大切なシバ…
お前を、護ってやれなかった不甲斐ないこの私を許してくれ。
もう、友達を、家族を失いたくないから。
眠るアリシアの額を撫でて髪を分ける。
「アリシア。」
額にくちづけをすると、寝ながら唸るアリシアに微笑む。
ベッドから窓際まで歩き、開いた窓を向き拳を強く握る。
「 お前だけは、どんな事があっても必ず、護ってみせるよ 」
番外編としてはやっぱアリシアルシリアの方のの
おっかちゃんとのワンシーンが個人的にもキリキリ胸が痛むので好きです。
こっちもこっちでいいけどなんかモノ足りない感。
掛けている時間の差かなぁ?
そしてお待たせしました。
この次からまたアリシアさんの視点側に戻ります。
え?戦闘?…凄い戦いだったよ”




