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#エルフの姉妹と、お胸の話

 二人を迎えたのは、ルルの姉だけあって美しいエルフだった。

 一言でいえばたおやか。歳は二十そこそこだろうか。すらりとした立ち姿に、豊かな胸元が目を引く。

 ――この世界のお姉さんは皆胸が大きいのだろうか。

 虎太郎は、しょうもないことを考えてしまった。サイドテールに結んだ銀髪も良く似合っている。


「ルル、おかえりなさい。その方は?」


 妹を心配していたのだろう。虎太郎に向ける眼差しには、感謝と安堵が入り混じっていた。

 ルルが身振り手振りを交えながら、虎太郎に助けてもらったと姉に伝える。


「すごかったんだよ! ハンバーガーをね、ゴブリンのお口に入れたの! ゴブリンのお口にハンバーガーをズボッて! コタちゃんってモンスターにご飯食べさせる天才かも!」

「まぁ、そんなことが……。ルル、怪我はない?」

「ないの!コタちゃんが助けてくれたから!」

「初めまして、姉のセレナと申します。妹を助けてくださってありがとうございます。コタちゃんさんにも怪我はありませんか?」


「あ、えと、コタチャンじゃなくて虎太郎と申します。怪我は全然ありませんから気にしないでください」


「大したおもてなしもできませんが……、あのお店のハンバーガーの代わりにもなりませんけれど、よかったらアップルパイを食べて行ってください」

「アップルパイ!嬉しいです、ありがとうございます!」

 すすめられるまま椅子に座り手づかみアップルパイにかぶりつく。

 サクッとした生地。しっとり甘いのに適度にしゃきっとしたリンゴの食感がたまらない。

「───!! めちゃくちゃおいしい! あそこのバーガーより絶対おいしいです!!」

 バーガーは一口も食べてないが、想像だけでもアップルパイの方が美味かった。


「お姉ちゃんのアップルパイは世界一なのー!」

「そんなことないわよ。ところで……異国から来た方ですか? その服装」

「あ、はい、まあ、そんなところで」

「じゃあ今日はぜひうちに泊まっていってください。両親が亡くなってしまって……今は私とルルしかいないので、ベッドも空いてますから」

「いえそんな! 女性二人だけの家に男が泊まるなんてできませんよ!」

 虎太郎は断ったのだが、セレナに真顔で、

「でも、虎太郎さんは妹の命の恩人ですから」

 と返され断ることもできなくなった。

「やったー! コタちゃん、一緒にお風呂はいろー!」

「いやそれは無理!!」

「あら、気にしなくていいのに」

「気にしてください!!!」


 当然ながら、風呂には姉妹で入ってもらった。

「お姉ちゃん、どうしたらそんなにお料理上手になるのー?」

「ふふ、毎日練習しているからよ。ルルも今度、一緒に作りましょうね」

「やったー!」

「どうしたらお姉ちゃんみたいにお胸おっきくなるー?」

「もう、やめなさい。おっきくなったら自然と大きくなるわよ」

 浴室から楽しそうな声が聞こえてくる。けれど、虎太郎はなんとなく居心地が悪くなった。

(……内容的に、これ以上聞いているのも悪い気がしてきた)


 そっと家を抜け出し、コピペしたバーガーとポテトを買ってきたふりをすることにした。

 両手いっぱいのハンバーガーとポテトを見て、姉妹は大はしゃぎだった。


「こんなご馳走食べたの久しぶり!! お肉すっごくおいしい!! ルルね、一杯食べてお姉ちゃんみたいに胸をおっきくするの!」

「こら、やめなさい!恥ずかしい!」

 真っ赤になった顔を両手で覆ったセレナにつられて虎太郎まで赤くなってしまう。


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